事業再構築補助金の申請を考えているサービス業の方にとって、最も大きな問題の一つが事業テーマを何にするか?という点かと思われます。
様々な事業がある中で、自社に適した事業を選択するのはなかなか難しいところかと思います。
そこで今回は事業再構築補助金におけるサービス業の事業テーマの決め方について解説していきます。
事業再構築補助金におけるサービス業の有望事業テーマ
事業再構築補助金におけるサービス業の有望事業テーマは事業再構築補助金事務局が提供している事業再構築~虎の巻~を参考にすることをおすすめします。
第3回から第4回の生活関連サービス業・娯楽業の事業再構築補助金の申請結果が下記の通り。

(事業再構築虎の巻 事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック 事業再構築補助金ホームページ)
右に行けばいくほど採択率が高く、上に行けば行くほど申請率が高いという形になります。
有望度が高いテーマほど採択率が高くなる傾向にありますが、最も重要なのは自社とのシナジー効果です。
自社の事業とシナジー効果がない事業の場合、有望度が高いテーマでも採択される可能性は低いでしょう。
自社の事業とシナジー効果が高い事業で、なおかつ有望度が高いテーマを選定することでおのずと採択される可能性は高くなってくるでしょう。
各事業テーマについて詳しく見ていきます。
有望度が高いテーマと具体例
サービス業における有望度が高い事業テーマは下記の5つ。
- 教室、研修事業の展開
- クリーニング、洗濯代行サービスの展開
- 葬儀サービスの新展開
- ペット関連事業
有望度が高いテーマは採択率が高い一方で、人気の高い事業のため、過当競争に陥りやすいという課題があります。
そのため、自社の強みを活かした差別化という点が非常に重要になってきます。
自社の強みを活かすためにはswot分析が必要です。
swot分析については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは各事業について具体例を挙げながら解説していきます。
教室、研修事業の展開
教室、研修事業の展開はサービス業において有望なテーマとなります。
オンラインへの対応が可能な上、様々な事業との親和性を見出せるためです。
具体的にはオンライン教室の開校、体験研修、教育関係アプリの開発などが挙げられます。
しかしながら、事業再構築補助金で申請している事業者も多く、過当競争になりやすいというデメリットもあります。
同業他社の競合サービスを確認し、勝算があるかどうかしっかりと試算することが重要と言えるでしょう。
クリーニング、洗濯代行サービスの展開
クリーニング、洗濯代行サービスの展開も有望度が高いテーマとして挙げられています。
クリーニング、洗濯代行は核家族化の進行や共働き世帯の増加に伴って、増加傾向にあります。
コロナの影響があり、店舗型のクリーニング店は減少傾向にあるものの、コインランドリーや無店舗・宅配型のクリーニングサービスの市場規模は拡大傾向にあります。
(2020年の国内クリーニング関連市場は前年比81.3%の2,825億円 矢野経済研究所)
クリーニングは他業種と比較して、特別なノウハウがそこまで必要ありません。
主な費用であるクリーニング設備についても、事業再構築補助金で補助されるため、取り組みやすいテーマの一つと言えるでしょう。
特に「コインランドリー」「無店舗・宅配型」においてはコロナ禍で市場規模が拡大しているので、狙い目です。
コインランドリーについては下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。


葬儀サービスの新展開
葬儀サービスも高齢化が急速に進む国内においては、有力な選択肢と言えるでしょう。
コロナの影響で、葬儀の小規模化や低単価が進み市場規模は縮小したものの、依然として1兆5,000億円を超える巨大市場です。

(葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2021年) 矢野経済研究所)
近年ではオンライン葬儀、小規模葬儀というのが流行しており、こういった新たな形での葬儀事業というのも有望な事業テーマとなるでしょう。
ペット関連事業
ペット関連事業はコロナで需要が拡大している分野の一つです。
新型コロナウィルスの影響により、ペットを新しく飼う人が増えたことやおうち時間によりペットに癒しを求める人が増えたことが主な要因です。
総務省の調査によると、ペット・ペット用品の支出はコロナ禍の2020年に増加したとされています。
こういったペットをターゲットとした事業テーマはサービス業において有力な選択肢となるでしょう。
有望度が中のテーマ
有望度が中の事業テーマは下記の通り。
- 介護関連事業
- アウトドアを中心とした・体験型サービス
- コインランドリー事業の展開
- 結婚式、婚活関連事業
- 観光客向け事業展開
- 配信サービス関連事業
- 高齢層向けサービス
- 育児・保育関連サポート事業
- スイーツ製造販売
- オフィス、リモートワーク向けサービス
有望度が中のビジネスモデルは参入障壁がやや高めであるものの、自社の強みが活かせるのであれば有力なテーマとなってくるでしょう。
①介護関連事業、⑦高齢層向けサービスは言わずもがな社会問題となっている問題です。
今後少子高齢化が進み、市場規模が拡大していくのは間違いありません。
「ロボットの活用」「ITの活用」「訪問介護」などが主な有望視されている事業テーマです。
介護関連事業については下記に採択事例をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

②アウトドアを中心とした・体験型サービスはコロナ禍で需要が拡大している業態の一つです。
「グランピング」「ワーケーション」「キャンプ場」「バケーションレンタル」などが代表例。
事業再構築補助金とも相性が良い事業テーマなので、おすすめのビジネスモデルと言えるでしょう。


③コインランドリー事業の展開は前の章で解説した通り、需要が拡大しており、設備投資が補助される事業再構築補助金と相性が良い事業テーマの一つ。
④結婚式、婚活関連事業はコロナ禍で需要が減少しているので、コロナ禍に対応した事業を行う必要があります。
フォトウェディングや美容小物・衣装レンタルが代表例としてあげられていました。
⑤観光客向け事業展開も今後有力な選択肢となりうるでしょう。
特に近年では急激に進んだ円安や水際対策の緩和などにより、インバウンド需要が再び高まりつつあります。
特に観光資源がある地域での事業展開は有望な事業テーマとなりうるでしょう。
音楽や芸術といったサービスを展開している事業者にとって、有望な事業テーマとなるのが⑥配信サービス関連事業です。
実店舗でのサービス需要が低下しているため、一部オンラインでサービスを提供していく事業です。
⑧育児・保育関連サポート事業は消化の中で重要な役割を果たす事業です。
「ITを活用した子育てサポート」「地域の子育て支援事業」「子育て日記アプリのデータをもとにしたフォトブックの提供」などが代表的な採択事例です。
⑨スイーツ製造販売は家で食べるようなスイーツがコロナ禍で人気のため、有望な事業テーマとされています。
スイーツ関連事業に関しては下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

⑩オフィス、リモートワーク向けサービスに関してはシェアオフィス、コワーキングスペースなどが代表的な採択事例です。
建設費が有効的に活用できる事業として、人気の高い事業テーマです。
下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。


まとめ
今回はサービス業での事業再構築補助金事業テーマについて解説してきました。
事業テーマによって採択される可能性は大きく異なってきます。
サービス業で事業テーマにお悩みの方はぜひ有望度高または有望度中の事業テーマの中から、自社と親和性の高いテーマを選定してみてください。
サービス業で事業再構築補助金の申請を検討しているという方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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