事業再構築補助金の成長枠の要件は通常枠とは大きく異なります。
特に注意すべきなのが新たに追加された市場拡大要件です。
第10回公募の成長枠では市場が拡大している業種の一例が示されました。
他にも要件に変更があるため、事業再構築補助金成長枠の要件は必ず確認しなければなりません。
そこで今回は事業再構築補助金の成長枠の要件について詳しく解説していきます。
事業再構築補助金の成長枠の要件とは
事業再構築補助金の成長枠の要件は下記のすべてを満たすことです。
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
- 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)の確認を受けていること【認定支援機関要件】
- 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
- 取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
- 事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること【給与総額増加要件】
内容について解説していきます。
事業再構築要件
事業再構築要件と呼ばれる新事業への展開が必要です。
「新市場進出(新分野展開、業態転換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」は以前からありましたが、第10回公募要領から「国内回帰」が追加されました。
国内回帰は「海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備すること」が要件とされています。
つまり、海外で製造しているような一定規模以上の製造業が対象となっています。
詳細は下記の通り。
他の類型よりもハードルが高い類型となっています。
そのため、海外に製造拠点がある企業以外は気にする必要はないでしょう。
認定支援機関要件
認定支援機関要件は、事業計画の策定を認定支援機関とともにやらなければならないということです。
認定支援機関要件は第9回公募までと内容は変わりません。
認定支援機関とは国が認めた中小企業の支援に特化している団体のことを言います。
地方銀行、都市銀行、公認会計士、税理士、商工会議所、民間コンサルティング会社などが主に認定支援機関として認められています。
認定支援機関の選び方については下記の記事を参考にしてみてください。
付加価値額要件
付加価値要件は第9回公募までもありましたが、第10回公募では求められる付加価値額があがりました。
第9回公募までは年率平均 3.0%以上増加が求められていましたが、第10回公募からは年率平均 4.0%以上増加が求められます。
付加価値については下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
市場拡大要件
第10回公募で追加となった最も変更は市場拡大要件です。
第10回公募の成長枠では市場が拡大している業種の一例が示されました(成長枠対象リスト )。
リストに示されていないものですと、自身で市場拡大をしている根拠データの記載(事業計画書上)が必要になります。
市場拡大要件を満たしている業種・業態については下記の記事で解説しています。
給与総額増額要件
新たに給与総額増額要件も追加されました。
給与総額増額要件とは給与を年率平均2%以上増加させることです。
やむを得ない場合を除き達成できなかった場合は事業者名を公表する旨、公募要領の中に記載がありました。
今後不利益になる可能性が高いですので、確実に達成するようにしておきましょう。
給与総額増額要件については下記の記事も参考にしてみてください。
補助率引上要件を達成することで補助率引き上げが可能
また、追加要件として下記の補助率引上要件があります。
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】 ① 補助事業期間内に給与支給総額を年平均 6%以上増加させること ② 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること |
補助率引上要件を達成すると補助率が下記の通り引き上げされます。
中小企業者等 1/2 → 2/3
中堅企業等 1/3 → 1/2
給与総額引上のハードルは高いものの、メリットも大きいです。
給与をあげるだけの体力がある事業者はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
今回は事業再構築補助金の成長枠の要件を詳しく解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 事業再構築補助金の成長枠では通常枠よりも要件が大きく異なる
- 新たに市場拡大要件と給与総額増額要件が追加
- 市場拡大要件は市場規模が拡大している事務局が指定した事業か自身で市場規模の拡大を示すデータの調査が必要
- 給与総額増額要件は年率2.0%以上給与をあげるということ
- 補助率引上要件を達成することで補助率引き上げが可能
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