令和2年度第3次補正予算案において、事業再構築補助金という新たなコロナ対策の補助金制度が創設されることになりました。
事業再構築補助金は、その名の通り新型コロナウイルスの影響を踏まえて事業を再構築する事業者に対する補助金です。
例えば、飲食店が今まで行っていなかった「テイクアウト」や「オンライン予約を利用した飲食品の配達」を開始することなどが、典型的な事業の再構築の例に当たります。
現時点では未定の情報も多いので、事業再構築補助金についてなるべく簡単にご紹介いたします。
事業再構築補助金とは?
冒頭でもふれた通り、事業再構築補助金とは新型コロナウイルスの影響を踏まえて事業を再構築する事業者に向けた補助金制度です。
持続化給付金が新型コロナウイルスの影響で減少した売上を補填するための対症療法のような制度であったのと異なり、事業再構築補助金は企業がコロナ以後の社会で企業が自らの力で生き残っていけるように支援するための制度です。
その予算規模は1兆円を超えており、かなり力の入った制度であることが分かります。
また、小規模事業者や個人事業主も対象となりますので、幅広い事業者への支援が見込まれます。
事業の再構築の具体例
ここでは経済産業省で紹介されている事業の再構築の例をいくつか挙げておきます。
・飲食店
①店内での飲食を縮小し、テイクアウトやオンライン販売行う。
②店舗を改修し、ドライブイン形式のテイクアウトを行う。
・小売業
①新たにネット販売を開始する。
・サービス業
①ヨガなどのフィットネスをオンライン形式で配信する。
②需要の減少した現事業を縮小し、新規サービスを創出する。
以上のように、再構築の方法はさまざまです。
中小企業庁の公式サイトに具体例がもう少し詳しく載っていましたので、同じものを掲載してみました。
事業再構築補助金の対象・補助金額
事業再構築補助金の対象は以下の要件をすべて満たす企業・団体などとなっています。
【1】申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
【2】事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
【3】補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年 率平均3.0%(一部5.0%)以上増加を達成。
⇒とりあえずは【1】の要件を達成しているかどうかを確認してみましょう。
・認定経営革新等支援機関とは、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所などを指します。
・事業再構築補助金は未定の部分が多いですが認定経営革新等支援機関との協力は必須ですので、早い段階で協力する支援機関を決めておくとよいでしょう。
当社も認定支援機関ですので、お気軽にご相談ください。
なお、事業再構築補助金で申請サポートが必須な4つの理由については、以下の記事でまとめております。
事業再構築補助金の補助金額は以下のようになっています。
①中小企業・通常枠
〈補助額〉100万円~6000万円
〈補助率〉2/3
②中小企業・卒業枠(400枠限定)
〈補助額〉6000万円超~1億円
〈補助率〉2/3
⇒中小企業の範囲は、中小企業基本法と同様です。
・卒業枠とは、事業再構築を通じて企業規模を中堅企業または大企業へと成長する事業者を支援する特別枠です。
・事業再編等、新規設備投資、グローバル展開のいずれかにより、資本金または従業員を増やし中堅企業または大企業へ成長することが条件となっています。
③中堅企業・通常枠
〈補助額〉100万円~8000万円
〈補助率〉1/2(4000万円超は1/3)
④中堅企業・グローバルV字回復枠 (100枠限定)
〈補助額〉8000万円超~1億円
〈補助率〉1/2
⇒グローバルV字回復枠を申請するためには以下の要件をすべて満たす必要があります。
・直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。
・補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
・グローバル展開を果たす事業であること。
なお、事業再構築補助金における中小企業、中堅企業、卒業枠の定義については、以下の記事で要件を徹底解説しています。
⑤緊急事態宣言特別枠
〈補助額〉
従業員数
5人以下 :100万円~500万円
6~20人:100万円~1000万円
21人以上:100万円~1500万円
〈補助率〉中小企業:4/3
中堅企業:2/3
⇒上記の3つの対象要件に加え、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少していることが条件です。
一般的な事業者の方は、中小企業・通常枠に当たると考えられます。自身の対象となる枠、申請を考えている枠についてしっかりと確認しましょう。
なお、事業再構築補助金の特別枠である「緊急事態宣言特別枠」については以下の記事でまとめております。
https://mono-support.com/saikouchiku/special/
申請についての諸情報
現時点では、3月から申請が開始される予定です。
申請にはjGrantsという電子申請システムが用いられる予定で、電子申請に際してGビズIDプライムの発行が必要となります。
GビズIDプライムの発行には2~3週間かかりますので、少しでも申請する可能性のある事業者の方は事前に取得をしておきましょう。
事業再構築補助金の申請方法やポイントについては、以下の記事でまとめております。
最後に
新型コロナウイルスの影響で今までの事業を見直さなければならなくなった事業者の方は多いと考えられます。
この補助金制度は、コロナ禍をきっかけに新たな事業へチャレンジしていく事業者の方にとって心強い支援制度です。
他にも事業再構築補助金についてまとめております。ご覧ください。
https://mono-support.com/saikouchiku/
早い段階から認定支援機関や金融機関を協力して準備を進めることが重要になってくるでしょう。
事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業再構築補助金の申請サポートも実施しています。
事業再構築補助金に興味がある方はお気軽にお問い合わせください。