事業再構築補助金に申請する際、通常枠ではなく特別枠での申請を検討しているという方もいらっしゃいますよね。
通常枠よりも採択率が優遇されているケースが多く、「確実に採択がほしい」「採択されにくい事業テーマである」「補助金額はそこまで必要ない」といった事業者には有効的な手段の一つと言えるでしょう。
とはいえ、特別枠の要件は分かりにくいものも多く、どの枠で申し込めば良いか判断に迷われている方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は事業再構築補助金の特別枠での申請を考えている方向けに特別枠の要件について解説していきます。
事業再構築補助金の5つの特別枠と要件
事業再構築補助金には下記の5つの特別枠があります。
(※2022年10月31日現在)
- 回復・再生応援枠
- 大規模賃金引上枠
- 最低賃金引上枠
- グリーン成長枠
- 緊急対策枠
各特別枠の概要と要件について解説していきます。
事業再構築補助金の基本要件
事業再構築補助金はグリーン成長枠を除き、下記の4つの要件は必ず満たせなければなりません。
①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】 ②2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】 ③事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること【認定支援機関要件】 ④補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 |
通常枠は上記の4つの要件のみで問題ありませんが、特別枠の場合は上記の加えて他の要件があります。
回復・再生応援枠
回復・再生応援枠はコロナの影響により、特に業績が落ち込んだ事業者や中小企業活性化協議会等から支援を受け再生計画に取り組んでいる事業者が取り組む類型です。
基本要件に加えて、下記の要件を満たす必要があります。
以下の(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと【回復・再生要件】 (ア)2021 年 10 月以降のいずれかの月の売上高が対 2020 年又は 2019 年同月比で 30%以上減少していること等 (イ)中小企業活性化協議会等から支援を受け再生計画等を策定していること |
回復・再生応援枠の概要については下記の記事も参考にしてみてください。
大規模賃金引上枠
大規模賃金引上枠は従業員を増やし、なおかつ最低賃金を引き上げることが要件となっています。
基本要件に加え、下記が要件となっています。
①補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること【賃金引上要件】 ②補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させること【従業員増員要件】 |
また他の特別枠とは異なり、最低でも従業員が101名以上在籍している必要があり、補助額8,000万円以上の事業を行う必要があります。
大規模賃金引上枠については下記の記事も参考にしてみてください。
最低賃金引上枠
最低賃金引上枠は最低賃金で雇用している従業員が多い事業者に対する補助枠です。
基本要件に加え、下記が要件となっています。
①2021 年 10 月から 2022 年 8 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以 内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要件】 |
最低賃金枠については下記の記事も参考にしてみてください。
グリーン成長枠
グリーン成長枠は脱炭素に取り組む事業者に対する補助枠です。
グリーン成長枠に限り売上高等減少要件は必要ありません。
売上高等減少要件の他の基本要件に加え、下記の要件が必要となります。
①グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】 |
グリーン成長枠は過去に採択された事業者でも再申し込みが可能です。
再申し込みする場合は下記の要件も追加されます。
①既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】 ②既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】 |
グリーン成長枠については下記の記事も参考にしてみてください。
緊急対策枠
緊急対策枠は原油高・物価高の影響を大きく受けた事業者に対する補助枠です。
基本要件の中の売上高減少要件に代わり、下記の要件が追加されます。
①足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022 年 1 月以降の連続する 6 か月間のうち、任意の 3 か月の合計売上高が、2019 年~2021 年の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等。また、コロナによって影響を受けていること。【緊急対策要件】 |
緊急対策枠については下記の記事も参考にしてみてください。
どの要件の難易度が低いのか
上記の通り、事業再構築補助金には複数の特別枠があります。
各特別枠の難易度は下記の通り。
難易度 高・・大規模賃金引上枠
難易度 中・・グリーン成長枠
難易度 低・・緊急対策枠、最低賃金枠、回復・再生応援枠
大規模賃金引き上げ枠は規模の大きい企業しか申し込めず、賃金も引き上げる必要があるため、最もハードルが高いと言えるでしょう。
グリーン成長枠は取り組む事業が限定されているため、他の特別枠よりも難易度が高めです。
難易度が低いのは「緊急対策枠、最低賃金枠、回復・再生応援枠」の3つ。
これらの枠組みは要件さえ満たせば対象となります。
採択率も高めですので、まずはこれらの枠で申し込みできないか検証してみましょう。
まとめ
今回は事業再構築補助金の特別枠での申請を考えている方向けに特別枠の要件について解説してきました。
特別枠には基本要件に加え、様々な要件があります。
本記事を参考に、自社に適した特別枠で申し込みしてみてください。
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