事業再構築補助金

事業再構築補助金の最低賃金枠について解説します。【第三次公募要領から追加】

事業再構築補助金の第三次公募要領から新たに賃金に係る枠が創設されました。
一つは大規模賃金引上枠、もう一つは最低賃金枠です。
大規模賃金引上枠については前回の記事で解説しましたので、今回は最低賃金枠について解説していきます。

事業再構築補助金の最低賃金枠の概要

最低賃金枠とは最低賃金近辺での労働者が多い事業者に対して、最低賃金引き上げによる経営悪化を防ぐために補助金を出すという制度です。
詳細の概要は下記の通りです。

【最低賃金枠】

概要最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中
小企業等が取り組む事業再構築に対する支援。
補助金額【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円
補助率中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
実施期間交付決定日~12 か月以内(ただし、採択発表日から 14 か月後の日まで)
補助対象経費建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、
広告宣伝・販売促進費、研修費

通常枠よりも補助額は小さくなりますが、補助率は高くなっているのが特徴です。
大規模賃金引上枠が従業員数が101名以上と比較的大きな企業に対しての補助枠であるのに対して、最低賃金枠は従業員は5人以下から申し込めるので、比較的小さめの企業を想定した補助枠であるといえるでしょう。
制度内容を見ると、大規模賃金引上枠は体力のある企業でなければ取り組みが難しい一方で、最低賃金枠は体力のない企業でも取り組める内容となっています。

最低賃金枠が創設された背景

第三次公募で新たに最低賃金枠が創設された背景には最低賃金の引上げがあります。
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は2021年7月14日、2021年度の最低賃金を全国平均で28円を目安に引き上げ、時給930円とすると決めました。
最低賃金の引き上げとしては過去最高額です。
コロナ禍で業績が低迷している企業が多い中での賃金引き上げであり、中小企業・中堅企業にとって厳しいコスト増となるかと思われます。
特に最低賃金近辺で多くのアルバイトやパートタイマーなどを雇っている企業にとっては死活問題と言えるでしょう。

こうした背景があり、今回の公募から新たに最低賃金枠が創設されたということになります。

最低賃金枠の要件

最低賃金枠の要件は下記の通りです。

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事
業再構築要件】
②2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高
が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上
高と比較して 10%以上減少しており、2020 年 10 月以降の連続する6か月
間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020
年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 5%以上減少しているこ
と等【売上高等減少要件】
③以下の(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと【最賃売上高等減少
要件】
(ア)2020 年 4 月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比
で 30%以上減少していること
(イ)(ア)を満たさない場合には、2020 年 4 月以降のいずれかの月の付加
価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること
④2020 年 10 月から 2021 年 6 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以
内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要
件】
⑤事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること【認定支援機関要
件】
⑥補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業
員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を
策定すること【付加価値額要件】

(事業再構築補助金 第三次公募要領より)

①~②までは通常の事業再構築補助金と同じですが、③と④が新たに追加される要件となっています。
③の最賃売上高等減少要件では「単月の売上高の比較であること」「売上高は30%以上の減少、付加価値は45%以上の減少」と減少率が大きいという点は注意してください。
また、④の最低賃金要件では最低賃金+30円以内で雇用している従業員が10%以上いることを要件として挙げられています。

最低賃金枠の注意点

最低賃金枠には下記の注意点があります。

  • 過去に採択された事業者の再応募はできない
  • 最低賃金確認書を提出しなければならない

具体的に解説していきます。

過去に採択された事業者の再応募はできない

大規模賃金引上枠は第三次公募から新設された枠です。
しかしながら、過去に事業再構築補助金に採択された事業者は対象外となります。
通常枠でも緊急事態宣言枠でも、一度でも採択された場合は対象外です。

最低賃金確認書を提供しなければいけない

最低賃金枠で申し込みをする場合、最低賃金確認書を提出しなければなりません。
最低賃金確認書はフォーマットが決まっており、下記からダウンロードできます。

最低賃金確認書(エクセル)

また、最低賃金確認書と併せて、最低賃金要件の対象となる3か月分、最低賃金+30円以内の従業員全てがわかる賃金台帳(又はそれに相当する書類)も提出する必要があります。

まとめ

今回は事業再構築補助金における大規模賃金引上枠について解説してきました。
ポイントは下記の通りです。

  • 最低賃金枠は補助額が100万~1,500万円と通常枠より低め
  • 最低賃金付近で働いている労働者を多く雇用する事業者向け
  • 採択されなかった場合は通常枠で審査される

最低賃金引上枠は最低賃金で働く労働者を多く雇用する事業者にとって、有効的な補助金です。
不採択の場合は、通常枠での再審査されるので、積極的に申し込んでみることをおすすめします。

 

 

もし、「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。

事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。

https://mono-support.com/saikouchiku/

また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。

https://jigyou-saikouchiku.jp/

事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業再構築補助金の申請サポート・申請代行を実施しています

関連記事