事業再構築補助金で最も難しい問題の一つにどのようなビジネスで事業再構築をするかという点があります。
事業再構築補助金は既存の事業とは異なる新たな取り組みをしなければなりません。
とはいえ、新しいビジネスを0から立ち上げるというのも中々難しいですよね。
そこで手軽に新しい取り組みを始める上でおすすめできるのがフランチャイズです。
今回はフランチャイズで事業再構築補助金を獲得する方法について解説していきます。
(※本部としてのフランチャイザーではなく、加盟店としてのフランチャイザーの解説になります。)
事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金は新型コロナウィルスの影響で、経営が落ち込んだ企業が再び成長軌道にのるための新しい取り組みを支援する補助金です。
補助額は最大1億円、補助率は2/3(特別枠では3/4)となっており、予算も1兆円を超える過去最大級の補助金となっています。
多くの従業員を抱える大規模な中小企業から従業員数名程度の中小企業まで幅広い企業が補助の対象となります。
詳細は下記の通りです。
事業再構築補助金に取り組むには既存事業とは異なる、事業再構築と呼ばれる新たな取り組みを行う必要があります。
とはいえ、0から新たな取り組みを始めるのは中々骨が折れるもの。
中にはフランチャイズを利用して、他社のブランドで新たな取り組みをはじめたいと考える方も少なくないかと思います。
そこで次の章ではフランチャイズは事業再構築補助金の対象となるのかという点について解説していきます。
事業再構築補助金はフランチャイズも補助対象!しかしながら、厳しい審査になる可能性
事業再構築補助金はフランチャイズでの事業再構築も補助の対象となっています。
しかしながら、採択する際は厳しい審査になる可能性が高いです。
理由は下記の2点です。
- 独自性が低い
- 採択事例が少ない
具体的に解説していきます。
独自性が低い
事業再構築補助金で重要視されているポイントの一つに独自性があるという点があります。
例えば、事業再構築補助金の第三回公募要領の審査項目・加点項目の政策点に下記のような記載があります。
ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格
な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有
しているか。
このように他社と差別化された独自性の高い事業が好まれていることがわかります。
フランチャイズは他社のブランドを借りる事業モデルなので、独自性は低いです。
そのため、他の加点要素を取り入れる必要があり、不利になりやすいといえるでしょう。
採択事例が少ない
フランチャイジーとしての事業再構築補助金採択事例はあまり多くはありません。
第二回事業再構築補助金では特別枠含めて、9,336件の申請があったうち、フランチャイジーとしての採択事例はわずか数件程度でした。
このことからフランチャイジーとしての事業再構築は厳しい審査となることがわかります。
反対にフランチャイザーとしての事業再構築は採択事例が多かったという特徴がありました。
こちらについては別途記事で解説させていただきます。
このような状況ですが、フランチャイジーとして事業再構築補助金を獲得できる方法はゼロではありません。
次の章ではフランチャイジーとして事業再構築補助金を獲得する方法について解説していきます。
フランチャイズで事業再構築補助金を獲得する方法
フランチャイズで事業再構築補助金を獲得する方法は下記の2点です。
- 緊急事態宣言枠や最低賃金枠で申し込みする
- 加点要素が高い事業を選ぶ
具体的に解説していきます。
緊急事態宣言枠や最低賃金枠で申し込みをする
緊急事態宣言枠や最低賃金枠で申し込みすることをおすすめします。
緊急事態宣言枠や最低賃金枠は補助上限が低い代わりに、採択率が優遇されています。
最低賃金枠の採択率は令和3年10月20日時点でまだ公表されていませんが、緊急事態宣言枠の採択率は60%を超えています。
通常枠の2倍以上の採択率となっており、通常枠であれば通過しにくい事業計画も緊急事態宣言枠や最低賃金枠であれば通過する可能性が高まります。
通常枠で厳しそうな場合、これらの特別枠を利用して申し込みすることをおすすめします。
緊急事態宣言枠と最低賃金枠については下記の記事で解説していますので、こちらもご参照ください。
加点要素が高い事業を選ぶ
加点要素が高い事業を選んで、加盟するというのも一つの手です。
加点要素が高い高い事業は公募要領のP33審査項目・加点項目の欄になります。
代表的な加点要素が高い事業には下記があります。
- 先進的なデジタル技術の活用
- 脱炭素
- ニッチな分野
- 地域性の高い事業
- 雇用を生み出す事業
- 他社と協力し、お互いの強みを活かす事業
これらに当てはまる事業を選択することで採択される可能性が高まるでしょう。
フランチャイズでの採択事例3選
具体的にフランチャイジーとして採択された事例を3つ確認していきましょう。
事業計画名 | 「フレアス」FC加盟による訪問在宅マッサージ事業 |
事業計画の概要 | コロナ禍により各種イベントが中止され、地元イベント中心に番組制作事業行う当社は大きな影響を受けた。 訪問在宅マッサージのFC「フレアス」加盟によりFC本部のノウハウを活用しながら思い切った業種転換を行う。 |
事業計画名 | 高級食パン「高匠」のフランチャイズ事業へ参入 |
事業計画の概要 | コロナ禍で既存事業である焼肉店の業績が低迷したことに対応し、高級食パン「高匠」の販売事業をフランチャイジーとして取り組んでいます。本事業では販売店舗/人材等を確保し新規事業を展開しています。 |
事業計画名 | 女性の活躍を応援する「定額セルフエステ MYTHEL」出店 |
事業計画の概要 | 定額制セルフエステMYTHELをTreeCompany㈱のフランチャイジーとして出雲市に開設し、コロナ禍で苦しむ同業者を含め地域で活躍する女性に健康と美を提供し、新規雇用を創出する事業 |
地域性が強い事業や既存事業の親和性が高い事業、雇用を創出する事業が採択されています。
このように加点要素が高い事業であればフランチャイズでも十分に事業再構築補助金の獲得を狙うことができます。
自社の事業の状況を踏まえ、加点要素が高い事業を選択して、フランチャイザーを選ぶことをおすすめします。
フランチャイズの加盟料は補助の対象外
フランチャイズの加盟料は事業再構築補助金の補助の対象外となっている点は注意しましょう。
安い場合は数十万円程度の加盟料で済むケースが多いですが、高額な場合は数百万円、中には1,000万円程度かかるケースも少なくありません。
これらの加盟料は全て自前で賄う必要があります。
あまり高額な加盟料になった場合、他の事業を検討してみた方が良いかもしれません。
まとめ
今回はフランチャイジーは事業再構築の対象となるのか、フランチャイジーで事業再構築補助金を獲得する方法について解説してきました。
ポイントは下記のとおりです。
- フランチャイジーは事業再構築補助金の対象
- しかしながら、厳しい審査になる可能性が高い
- 実際、採択事例もあまり多くはない
- 特別枠や加点要素が高い事業を選ぶことで採択率が高まる
- フランチャイズ加盟料は補助の対象外なので、高額な場合は再考したほうが良い
関連記事 ≫事業再構築補助金はフランチャイズ展開も補助の対象?要件や採択事例を紹介
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事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
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https://jigyou-saikouchiku.jp/
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