新事業進出補助金

新事業進出補助金申請サポート徹底ガイド|制度概要・補助率・要件・事例を全て解説

新事業進出補助金申請サポート徹底ガイド|制度概要・補助率・要件・事例を全て解説

中小企業や小規模事業者が既存事業とは異なる分野へ挑戦する際、初期投資に伴うリスクを軽減するために設けられたのが新事業進出補助金です。
このページでは制度の概要や補助上限額、応募要件、審査ポイント、加点要素、対象経費、事例などを総まとめし、各項目の詳細へアクセスできるよう関連リンクも整理しました。
事業計画書の作成や応募準備に役立つよう、ポイントを分かりやすく解説します。

駒田裕次郎

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

1. 新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金は、中小企業や小規模事業者が新しい市場や高付加価値分野に進出するための設備投資や建物整備等を支援する制度です。
既存事業とは異なるジャンルで製品開発・サービス開始・設備導入を行う場合、投資額の一部を補助してくれます。制度の主な特徴は以下の通りです。

  • 目的 – 既存事業とは異なる新市場や高付加価値分野への展開を促すことで、企業の成長と日本経済の底上げを図ります。
  • 対象事業 – 新製品の製造、既存技術を活かしたサービス開始、新たな設備導入など、ジャンルが明確に異なる事業が対象です。
  • 補助率 – 原則1/2(補助対象経費の半額まで)で、特別な賃上げ要件を満たすと補助上限が引き上げられます。
  • 公募回数 – 年に数回(4回程度と予想)公募されるため、チャンスを逃さないようスケジュールを押さえておきましょう。

公式情報はこちら:

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2. 補助上限金額と補助率

補助金額は従業員数によって上限が決められており、原則として補助対象経費の半額までが支援されます。
さらに賃上げ特別枠を利用すると上限が引き上げられます。
下表は一般枠と賃上げ特別枠の上限額をまとめたものです。

従業員数通常の上限額賃上げ特別枠の上限額
21人以下750万円〜2,500万円3,000万円
21〜50人〜4,000万円5,000万円
51〜100人〜5,500万円7,000万円
101人以上〜7,000万円9,000万円

補助率は通常1/2ですが、賃上げ特別枠では同率のまま上限が引き上げられます
建物の新築・改修や大型設備の導入に利用するときは、上限額までの投資計画を立てることが重要です。

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3. 応募要件と対象者

新事業進出補助金に応募するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

3.1 基本要件

  1. 新事業進出要件 – 既存事業と異なる新製品・サービス・市場に進出し、将来売上の10%以上を占める見込みが必要です。
  2. 付加価値額要件 – 補助事業完了後3〜5年で、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)が年平均4%以上増加する計画を示します。
  3. 賃上げ要件 – 補助事業実施後に1人当たりの平均賃金が国全体の賃金上昇率以上になるか、もしくは2.5%以上増加することが求められます。
  4. 最低賃金+30円 – 対象従業員の時給が都道府県別最低賃金より30円以上高くなるよう計画を立てます。
  5. 働き方改革・労働時間削減への取り組み(ワークライフバランス要件) – 仕事と生活の両立を促進する行動計画を策定し、政府のサイトに公表することが推奨されています。
  6. 資金調達の確認(金融機関要件) – 補助事業で銀行等から融資を受ける場合、金融機関からの確認書を取得します。
  7. 賃上げ特別枠への申請(任意) – 上限額の引き上げを希望する場合は賃上げ特別枠に応募し、より高い賃上げ計画を提出する必要があります。

3.2 対象となる事業者

  • 中小企業・小規模事業者 – 製造業・卸売業・サービス業などが対象で、正社員数や資本金が中小企業基本法の範囲内である必要があります。
  • 法人形態 – 株式会社・有限会社だけでなく、一般社団法人や合同会社なども、営利を目的とした事業を行っている場合は対象です。非営利で収益事業がない法人や政治・宗教団体は対象外です。
  • 個人事業主 – 青色申告を行い、1期以上の決算書がある個人事業主も応募できます。ただし、開業1年未満の新設法人のみで運営する場合は対象外となります。個人事業から法人化した場合には過去の事業実績を示すことで応募が可能です。
  • 従業員数ゼロの一人法人は対象外従業員がいない法人や役員報酬のみの法人は対象外とされています。

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4. 申請スケジュール・募集時期

第1回と第2回公募の申請スケジュールは下記の通り。

  • 第1回:応募期間は 令和7年4月22日〜7月15日18:00。申請受付開始は 6月17日
  • 第2回:応募期間は 令和7年9月12日〜12月19日18:00。申請受付開始は 11月10日

第2回は年末に締切が来るため、決算・繁忙期と重なる企業はスケジュールの前倒しが必須です。

年間で4回程度公募されると見込まれます。

また、公募期間が短いため、計画の準備や見積もり取得は公募開始前から進めることが重要です。加点要素の取得や関係書類の準備には時間がかかるため、早めに専門家へ相談することが推奨されています。

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5. 審査の要点:新市場性と高付加価値性

審査では新市場性もしくは高付加価値性のいずれかを満たすことが必須条件です。両方を満たすと評価が高まりますが、どちらか一方の達成でも応募できます。

5.1 新市場性の概要

新市場性とは、社会的に認知度の低い新しいジャンルや分野に進出することを指します。特徴として、以下の点があります。

  • 未成熟市場への挑戦 – 需要が未成熟で先行事例が少ない分野に参入するため、市場調査や説明の説得力が重要です。
  • 高いリスクとリターン – 成長性はあるものの売上が保証されず、審査員の理解を得るために客観的データが不可欠です。

5.2 高付加価値性の概要

高付加価値性は、既存分野において他社より高い品質や価格を実現し、その理由を説明できるかが問われます。審査基準は次の通りです。

評価ポイント内容
業界相場との比較同ジャンルの一般的な相場価格やスペックと比べ、明確に高価格・高品質であることを示します。
高付加価値の源泉希少材料、独自技術、深い顧客体験、ブランド力など、価格が高くなる理由を論理的に説明します。
価値分析の妥当性公的資料や第三者評価など客観的データに基づき価格の妥当性を証明します。

実際には、高付加価値性の方が既存の資源を活かしやすいため、多くの企業にとって現実的な選択肢とされています。迷ったら高付加価値性を軸に検討し、新市場性との両立を狙うと採択率がより高まります。

5.3 高付加価値性の事例

  • 木材家具製造 – 建設業で培った木材の知見を活かし、無垢材のオーダーメイド家具を製造。無垢材や職人技術など希少性を強調し、大量生産品との差別化を図ります。
  • 体験型カフェ – 畳製品に触れながら制作体験ができるカフェを運営。モノづくり体験や観光資源との連携により高価格を正当化しています。
  • クラフトウイスキー – 操作盤を内製し、日本国内で希少なグレーン専用クラフトウイスキーを製造。製造工程の独自性とストーリー性が付加価値の源泉です。

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6. 加点要素(採択率を高めるポイント)

採択率は約15%と予測されており、審査基準を満たすだけではなく加点要素を押さえることが重要です。以下の9項目は加点対象とされており、複数組み合わせるほど採択可能性が高まります。

  1. パートナーシップ構築宣言 – 中小企業庁が推進する「下請企業との共存共栄」を宣言し、登録する。
  2. くるみん認定 – 子育て支援に取り組む企業として厚生労働省から認定を受けていること。
  3. えるぼし認定 – 女性活躍推進法に基づき一定基準を満たした企業として認定されていること。
  4. あとうずき甲子園参加 – 若手経営者などのコンテストに参加・入賞していること。
  5. 健康経営優良法人認定 – 従業員の健康管理に積極的に取り組む企業として経済産業省から認定を受けていること。
  6. 技術情報管理認証(SECURITY ACTION等) – サイバーセキュリティ対策を評価する認証を取得していること。
  7. グロースアクセラレーションマッチングサービス登録 – 企業の成長を支援するプラットフォームに登録していること。
  8. 事業再構築補助金等での採択実績 – 他の国の補助制度で採択されている場合、実績として加点対象になります。
  9. 災害被災企業や地域再生特別措置法の対象企業 – 災害や地域再生に関する特別な枠組みの支援を受けている場合。

加点項目によっては申請から認定まで数か月かかるものもあります。早めに取得手続きを開始しておくと、公募期間に間に合いやすくなります。

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7. 補助対象経費と注意点

補助金は、設備投資や建物の新築・改修、システム導入など幅広い費目が対象となります。ただし、用途や契約時期によって対象外になる場合もあるため注意が必要です。

7.1 主要な対象経費

  • 機械装置・システム導入費 – 生産設備や情報システム、デジタル化ツールなど、新事業遂行に必要な機器の購入費用。
  • 建物費(新築・改修) – 新たに工場や店舗を建設・改修する費用も補助の対象です。建物は申請者自身が建築し、用途が補助事業に専属することが求められます。賃貸物件の購入や中古物件の取得は対象外です。
  • 解体費用 – 新築に伴う旧建物の解体費用も補助されますが、単独の修繕や部分的な改修は対象外です。
  • 附帯設備工事費 – ゲートや塀など建物に付随する付帯設備も対象となる場合があります。
  • ソフトウェア・無形資産費 – ITシステムの開発やライセンス購入、サービスプラットフォーム構築費など。無形サービス業でも対象になるが、事業計画や市場調査など具体性の高い資料が必要です。

7.2 対象外となる主な費用

  • 既存設備の単なる修繕やメンテナンス、建物の増築に該当しない部分的改装。
  • 事務所移転や住宅建設など、補助事業と直接関係しない建設費。
  • 中古設備購入費(補助対象は原則新品のみ)。
  • リース契約やローンの利子等の金融費用。

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8. 事例紹介

新事業進出補助金は2025年4月に始まった制度で、採択事例はこれから増えていく見込みです。類似の「事業再構築補助金」で採択された事例を参考に、採択されやすいポイントを学びましょう。

8.1 ものづくり・製造業の事例

  • 電動モビリティ部品への新規参入 – 自動車部品メーカーがEV関連部品の開発・製造に進出し、高付加価値な製品とデジタル生産管理システムを構築。既存技術と新技術を融合させて競争力を高めた例です。
  • 飲食店の高級化 – 地域の居酒屋が高級食材を使った会席料理店へ転換し、新築の店舗と新メニュー開発に投資した事例。価格戦略と地域資源を活用した高付加価値化を実現しました。

8.2 サービス業の事例

  • モバイル葬儀サービス – 出張ペット葬儀サービスや移動式葬儀場など、従来よりも利用者の利便性を高める新サービスを提供。市場ニーズを的確に捉えています。
  • 観光体験アプリ – インバウンド向けに多言語対応の観光案内アプリや、地域周遊バスの予約サービスを開発し、地域活性化に貢献した例。情報発信と予約機能を一体化した点が特徴です。

8.3 事例から学ぶポイント

これらの事例に共通する成功のポイントは、

  • 既存の強みを活かしながら新たな需要を創出していること
  • 顧客体験や品質に対する明確な付加価値を提示していること
  • 地域課題や社会課題と結びつけてストーリー性を高めていること

であり、事業計画書ではこれらの点を具体的に示すことが重要です。

9. 応募準備のポイント

補助金の応募には公募開始までの準備が鍵を握ります。審査員は事業計画書に基づいて採択可否を判断するため、具体的な計画と数値根拠を示す必要があります。

9.1 事業計画書の作り方

  • 市場調査を行う – 新市場性の場合は市場規模やニーズ、高付加価値性の場合は業界の相場価格や競合分析を行い、客観的なデータを添付します。
  • 差別化ポイントを明確にする – 新しい価値や技術、サービスの源泉を3〜4項目に整理し、なぜ高価格で販売できるのかを論理的に説明します。
  • 売上・利益計画を具体的に示す – 補助事業後の売上予測と付加価値額増加計画を数字で示し、設備投資との整合性を図ります。
  • 賃上げ計画の根拠を用意する – 賃金引き上げの財源(売上増やコスト削減策)を明確にし、計画の実現可能性を高めます。

9.2 準備しておくべき書類

  • 過去1年以上の決算書・確定申告書(法人の場合は2期分が望ましい)
  • 事業計画書(フォーマットに沿った記入が必要)
  • 見積書・カタログ(設備投資や建設費の裏付け資料)
  • 取組確認書類(行動計画やパートナーシップ宣言など加点要素に関する資料)

9.3 専門家の活用

新事業進出補助金は要求項目が多く審査も厳しいため、補助金に精通した専門家に相談する企業が増えています。
公式ガイドラインは40ページ以上あり、新事業性の定義や要件を読み解くのが難しいことが申請の障壁とされています。
また、事業計画書は論理構成や客観的データの提示が欠かせないため、専門家の助言によって採択率を高めることが期待できます。

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10. まとめとよくある質問

新事業進出補助金は、これまでの事業の枠を超えて新たな領域へ挑戦する企業を後押しする制度です。
従業員規模に応じて750万〜9,000万円(賃上げ特別枠では上限引き上げあり)が補助され、補助率は原則1/2となっています。
応募にあたっては「新事業進出要件」「付加価値額要件」「賃上げ要件」をはじめとする複数の条件を満たす必要があり、事業計画書で新市場性または高付加価値性を示すことが必須です。

加点項目を取得すると採択率が高まるものの、手続きには時間を要します。
公募期間が始まる前から認定や登録を進め、専門家のアドバイスを受けながら準備を進めることが成功への近道です。
地域産業や自社の強みを活かした事業であれば、高付加価値性を軸に検討し、必要に応じて新市場性を組み合わせて高評価を狙いましょう。

よくある質問

Q1. 第2回公募はいつ始まるの?
第1回公募は2025年4月下旬〜7月中旬に行われました。第2回公募は7月下旬〜8月上旬の開始が予想されますが、正式な日程は公式発表を待ってください。

Q2. 個人事業主でも応募できますか?
青色申告を行い1期以上の決算がある個人事業主は応募できます。ただし、従業員がいない一人法人や開業1年未満の新設法人は対象外です。

Q3. 建物の新築費用は対象になりますか?
はい。新築や改修は補助対象であり、旧建物の解体費用や付帯工事費も含まれます。ただし、申請者自身が建物を建築し、補助事業専用の施設として使用することが条件です。

Q4. サービス業でも利用できますか?
無形サービス業でも応募できますが、設備投資内容や市場分析を具体的に示す必要があります。モバイル葬儀サービスや観光体験アプリなど、サービスの革新性と収益性を示した事例があります。

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