物流倉庫事業をしたい、あるいは物流倉庫事業をしているが今後新たな取り組みをして拡大をしていきたいを考えている方にとって、
- 何の補助金がおすすめなのか
- 物流倉庫に使える補助金の概要を知りたい
- 実際に活用した事例を知りたい
という点は気になるところですよね。
そこで今回は物流倉庫に最もおすすめな補助金である「事業再構築補助金」の概要と実際に活用した事例について紹介していきます。
本記事を見ることで、自分は事業再構築補助金の要件に当てはまるのか、物流倉庫で事業再構築補助金を利用できるのかが分かるようになります。
事業再構築補助金とは?物流倉庫も対象に
事業再構築補助金とは、新型コロナウィルスの影響を受け売上が減少している企業を対象に、事業再構築指針に基づいた新規事業に取り組む場合の費用を補助する補助金になります。
補助金額は最大1億円かつ補助率は2/3という規模が大きい補助金です。
事業再構築補助金の詳しい要件は経済産業省が公開している事業再構築補助金のホームページをご覧ください。
令和3年度の申請は令和4年3月24日で終わりますが、令和4年度も継続することが決定しました。(計3回の公募を予定)
ですので、今から準備しても十分に間に合うと言えるでしょう。
事業再構築補助金は新型コロナウィルスの影響を受ける令和4年度までの実施が見込まれております。
補助金額、補助率いずれも過去最大規模であるため、令和5年度以降は応募できなくなる可能性が高いです。
現状の補助金の中では、物流倉庫において最も有効な補助金といえるので、必ず活用することをおすすめします。
概要や要件について詳しく解説していきます。
事業再構築補助金の補助金額、補助率
事業再構築補助金の補助金額と補助率は下記の通り。(第5回まで)
対象企業 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|
中小企業(通常枠) | 【従業員数20人以下】100万円~4,000万円 【従業員数21~50人】100万円~6,000万円 【従業員数51人以上】100万円~8,000万円 | 2/3 |
中小企業(卒業枠) | 1億円以下 | 2/3(400社限定) |
中堅企業(通常枠) | 【従業員数20人以下】100万円~4,000万円 【従業員数21~50人】100万円~6,000万円 【従業員数51人以上】100万円~8,000万円 | 1/2, 1/3 (6,000万円を超える部分 |
中堅企業(グローバルV字回復枠) | 1億円以下 | 1/2(100社限定) |
この他大規模賃金引上枠、最低賃金枠もあります。
ただし、大部分の事業者は通常枠での申し込みとなりますので、基本的には通常枠の補助金・補助率を確認すれば問題ありません。
事業再構築補助金の要件
事業再構築補助金の要件は下記の通り。
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業を実施すること
- 売上高(等)減少要件を満たすこと(売上高がコロナ前より10%程度落ち込んでいること)
- 事業計画を認定支援機関と策定すること(自社のみでの申請不可)
- 事業再構築によって、3.0%以上付加価値額が増える計画を作成すること
①事業再構築とは新たな事業を行う・新たな商品を提供するなどの新しい取り組みのことをいいます。
新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換又は事業再編のいずれかに取り組む必要があります。
詳細は下記の記事を確認してみてください。
②売上高等減少要件は「2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少しており、2020 年 10 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 5%以上減少していること等」が要件です。
③認定支援機関は金融機関、会計事務所、税理士事務所など中小企業の支援に特化している団体です。
事業再構築補助金は認定支援機関と協力して事業計画を作成しなければなりません。
弊社(CPA)も認定支援機関となり、数多く事業再構築補助金の採択実績があります。
事業再構築補助金に興味がある方はまずお気軽にお問い合わせください。
④付加価値については事業計画の中で3.0%以上達成できれば問題ありません。
実際に達成しなかったからといって、ペナルティになることはほとんどありませんので、安心してください。
物流倉庫に事業再構築補助金に向いている3つの理由
物流倉庫に事業再構築補助金が適している理由は下記の3つです。
- 建設費が補助の対象となる
- 補助金額が大きい
- 要件がそこまで厳しくない
具体的に解説していきます。
建設費が補助の対象となる
事業再構築補助金は建設費が補助の対象となるという点が最大の特徴です。
通常の補助金では建設費は補助の対象とはなりません。金額が大きすぎるためです。
ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など一般的な補助金では建設費は補助の対象外とされています。
しかしながら、事業再構築補助金では建設費が補助の対象となります。
物流倉庫事業は言わずもがな建設費がメインの補助対象経費となります。
単純な建設費だけではなく、倉庫の新築費用(令和4年度から一定の制限)から既存の建物の取り壊し費用、改築費用など幅広い範囲で経費が認められています。
ですので物流倉庫事業に参入するために新たな倉庫を建設する、既存の採算性が低い建物を改築し倉庫にする、古い建物を取り壊し倉庫を建設するといった様々なパターンで建設費が認められています。
既に物流倉庫事業をしている場合でも、効率性を上げるための改築費にも補助がでる可能性が高いと言えるでしょう。
補助金額が大きい
事業再構築補助金は最大補助金額が通常枠でも8,000万円となっており、過去最大級の補助金額です。
一般的な補助金である小規模事業者持続化補助金の補助上限は100万円、ものづくり補助金一般型の補助上限は1,000万円となっています。
初期投資がかかる物流倉庫事業にとって十分な補助金額とはいえません。
しかしながら、事業再構築補助金であれば通常枠最大8,000万円の補助がでるので、大規模な投資をしても、多くの部分で補助の対象となります。
イニシャルコストが大きい物流倉庫事業を行っても経費の大部分が賄えるといえるでしょう。
要件がそこまで厳しくない
補助金額が大きい割には、要件はそこまで厳しくありません。
コロナ前より売上高が下がっていれば、ほとんどのケースで対象となります。
コロナの影響をそこまで受けていないといったケースでも採択されていますので、間口は広いと言えるでしょう。
物流倉庫での事業再構築補助金活用事例
物流倉庫での事業再構築補助金活用事例は下記の記事にてまとめています。
DXを活用した倉庫が物流倉庫における代表的な事業再構築例といえますね。
他にも地域の業者と連携してECサイトを構築し、物流倉庫部門を担うなどの事業も考えられます。
実態に合わせた事業を選定することが重要です。
物流倉庫で利用できる他の補助金
物流倉庫では事業再構築補助金が最もおすすめできる補助金です。
対象となる方はまずは事業再構築補助金に取り組んでみることをおすすめします。
しかしながら、中には事業再構築補助金の要件に当てはまらないという事業者の方もいらっしゃいますよね。
そこで、物流倉庫で利用できる下記の補助金をご紹介していきます。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
IT導入補助金
IT導入補助金は生産性向上につながるITツールを導入した費用に対しての補助金です。
代表的なITツールにはRPAツール、グループウェア、CRM,SPAなどの支援ツール、WEB会議システムなどがあげられます。
補助金額は30~450万円で、補助率は1/2です。
DXを推進していきたい物流倉庫事業者向けの補助金です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は生産性向上のためのサービス開発、試作品開発、生産プロセス改善のための設備投資に対する費用に対しての補助金です。
名前だけ見ると製造業だけが対象のように聞こえますが、実は物流倉庫も対象となります。
補助上限金額が最大1,250万円で、補助率は2/3です。
主に生産プロセス改善のための設備投資といった名目で利用できるかと思います。
事業再構築補助金の対象とならない方で、規模を積極的に拡大させたい・新しいサービスを提供したいといった物流倉庫におすすめの補助金です。
まとめ
今回は物流倉庫に最もおすすめできる補助金である事業再構築補助金の概要と採択事例を紹介してきました。
物流倉庫事業はECサイトの普及などにより需要が増加している事業の一つです。
事業再構築補助金を利用することで、さらなる発展に期待ができます。
物流倉庫には様々な補助金がありますが、現状最も有利なのは間違いなく事業再構築補助金です。
まずは事業再構築補助金を利用できないか、要件を確認してみることをおすすめします。
「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業再構築補助金の申請サポート・申請代行を実施しています
詳細は下記のページから