事業再構築補助金

事業再構築補助金におけるシナジー効果とはどういうことか?

事業再構築補助金におけるシナジー効果とはどういうことか?

事業再構築補助金の中で特に重要視されているのがシナジー効果です。
審査項目・加点項目の中にも明記されており、いかに既存事業とシナジー効果を上げていくかというのが重要なポイントとなるでしょう。
しかしながら、「シナジー効果って何?」「どのようにシナジー効果をあげれば良いのか?」という点は疑問に思うところですよね。
そこで今回はシナジー効果の意味と事業再構築補助金におけるシナジー効果のあげかたについて解説していきます。

シナジー効果とは?

シナジー効果とは複数の要素がお互いに作用し合うことで、機能や効果を高めることをいいます。相乗効果といった形で訳されることもあります。
通常であれば「1+1=2」ですが、「1+1=3」のように様々な要素がうまくかみ合いお互いの力を引き出しあうことを指します。
例えば、売上高3億円で純利益3千万円の製造業A社が売上高1億円で純利益2千万円のIT企業B社を買収したと仮定します。
通常であれば製造業A社が売上高4億円、純利益5千万円の企業となります。
ですが、製造業A社がIT企業の技術を活用して、業務効率化や効率的な顧客へのアプローチに成功し、売上高10億円、純利益2億円の企業になることもあるでしょう。
このようなケースの場合、足し算以上の効果が出ているため、シナジー効果を発揮したといえます。

事業再構築補助金でも審査の上でこのようなシナジー効果が重要視されています。
つまり、新たな事業を行うことで、本来持っている以上の力を引き出すことが重要視されているということです。
事業計画を策定する上でも、どのようなシナジー効果があるのかは明記しなければなりません。
しかしながら、どのようにシナジー効果を発揮すれば良いのか悩まれる方もいらっしゃいますよね。
そこで次の章では、シナジー効果を発揮するためのていきます。

シナジー効果を発揮するためのポイント

シナジー効果を発揮するためのポイントは下記の2つです。

  • 自社の弱点を補完する
  • 自社の強みをさらに伸ばす

具体的に解説していきます。

自社の弱点を補完する

自社の弱点を補完するというのシナジー効果の発揮方法があります。
本来苦手としている事業やまだ取り組んでいないけど、将来的に取り組まなければならない課題を行い、自社の生産性をさらに向上させるという方法です。
代表的な事例として医療機器メーカーのテルモがアメリカのBCTを買収したときのシナジー効果が挙げられます。

同社の成長エンジンの一つとして「医療インフラとしての血液事業」があり、2011 年4月に米カリディアン BCT(以下、BCT)を 26.3 億米ドルで買収した。この買収は同社にとって過去最大であり、血液事業において世界トップになるという目的を達成することができた。血液事業では、テルモはもともと血液バッグや全血採血が中心であった。一方、BCT はより付加価値の高い成分採血を事業としていた。そのため、技術的に補完的な買収となった。地域的にも、テルモは日本とアジアに強く、BCT は欧米に強いことから、お互いが補完する体制となった。生産面でも、米国、日本をはじめ、世界各地の工場を活用してグローバル最適生産を進めることにより、コスト削減を見込んでいる。更に、お互いの技術を融合して新製品を作ることも計画している。

我が国ものづくり産業が直面する課題と展望 経済産業省)

テルモが弱い事業と地域を補完したシナジー効果が高いM&A事例です。
このように技術力、販路、生産などの自社の弱みを補完する事業は事業再構築補助金においても評価されるポイントです。
自社の弱みを洗い出し、どうすれば最大限のシナジー効果を生み出せるか分析していきましょう。

自社の強みをさらに伸ばす

自社の強みをさらに伸ばすというシナジー効果発揮方法もあります。
自社の強みを販路拡大・新技術導入・ITによる効率化などでさらに伸ばすという手法です。
代表的な事例は下記の通りです。

京セラメディカル(株)は、2004 年に京セラ(株)と(株)神戸製鋼所がそれぞれ自社で行っていた医療材料部門を切り出し、合併させることによって設立された。両
社が手掛けていた人工関節は、1990 年代に入って世界規模での再編が相次ぎ、外国の競合企業の規模拡大が大きく進んだ。その結果、ビッグ5と呼ばれる外国企業が世界シェアの8割以上を占める状況となった。2000 年頃は、日本企業の中で京セラが1位、神戸製鋼所が2位の売上規模を持っていたが、海外からの製品流入が大きいため、
日本国内においても外国勢が市場を支配していた。
こうした状況に対し、国内の企業同士が統合して規模を拡大し、外国勢に対抗する必要があるという認識が出てきた。売上高の規模が大きくなれば、それに応じて研究開発投資も拡大することが可能となる。その際特に重視したのは、技術面における優位性の確保である。当時、京セラが有するセラミック技術と、神戸製鋼所のチタン合金技術は優れたものであったが、個々の技術では製品に必要な技術全体をカバーすることはできなかった。しかし、両社の技術を持ち寄って互いに補完することで、技術的な優位性を持って市場での存在感を高めることが期待された。
この合併がうまく進んだ理由は様々であるが、特に京セラ側に「この分野で日本一になる。そして世界市場へ進出する。」という強い成長意欲があり、こうした大きなビジョンの下に、新会社の社員がまとまったことが大きい。
我が国の1位と2位の企業が統合したことで、外国勢によって占められていた国内シェアにおいて、人工股関節ではトップとなる可能性が出てきた。また、フランスや中国など海外展開への取組みも進んでおり、最大の市場である米国への進出も現実味を帯びてきた。また、整形外科以外の医療機器などの新規分野への展開も進んでいる。

我が国ものづくり産業が直面する課題と展望 経済産業省)

京セラと神戸製鋼所のお互いの強みを補完し、シナジー効果を生み出すことで、強みをさらに伸ばした事例です。
このように強みを伸ばすことで、シェアを拡大していくという考え方もあります。

事業再構築補助金においてもシナジー効果が重要

事業再構築補助金においても、事業再構築を通じて、いかにシナジー効果を高めていくかという点が重要視されています。
実際に公募要領の中の審査項目では補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。と明記されています。
既存事業とのシナジー効果をいかに発揮できるかという一つのポイントとなります。
自社と全く関係のない事業は採択されにくい傾向にあります。
swot分析などを通じて自社の分析を行い、どのような事業が自社にとって最もシナジー効果が高く、有効的かを検証していきましょう。

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事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。

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