近年最も注目されている補助金である事業再構築補助金。
補助金額や補助率の高さから、興味や関心のある方も少なくないですよね。
しかしながら、事業再構築補助金はいったい何に使えるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は事業再構築補助金は何に使えるのかというテーマで解説していきます。
事業再構築補助金は何に使えるのか?
事業再構築補助金は幅広い経費が補助対象となります。
しかしながら、メインとなる使い道は「建物費」と「機械装置・システム構築費」です。
建物費は主に建物の改築・撤去費用が主な使い道となります。
例えば、自社の既存店舗をインバウンド向けの宿泊施設に改修する際の改修費用、製造業を新たにはじめるために必要な改修費用、既存の建物を取り壊し新たに施設を建てるための撤去費用などが主な補助対象経費となります。
一方で、新築の場合は新築でなければならない状況を除き補助対象外となります。
原則として建物費の改修費用という文言もありますので、基本的には新築は対象とならないと考えておいた方が良いでしょう。
新築が対象経費として認められる場合と認められない場合については下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

機械装置・システム構築費も主な使い道となるでしょう。
例えば、ECサイトの構築費や新商品を製造するための機械装置、予約管理システムなどが代表例といえるでしょう。
新事業を行うための大きな投資となるので、建物費と同様事業再構築補助金の主な使い道であるといえるでしょう。
特に建物費については金額が大きいため、他の補助金では原則として補助対象外経費となっています。
建物費が補助対象経費となるのは予算が大きい事業再構築補助金ならではといえるでしょう。
そのため、事業再構築補助金は建物費をメインに使うことをおすすめします。
事業再構築補助金の使い道の具体的な要件
事業再構築補助金の主な補助対象は下記の通り。
建物費
建物費は補助の対象となります。
主な要件は下記の通り。
①専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
③補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経
費
➃貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸
店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
申請の際に、設計図は必要ありませんが、その後の検査で必要となることもあるので、必ず準備しておきましょう。
注意点として、第6回公募から新築経費は、新築でなければいけないケースを除き、補助対象外となりました。
新築でならなければならないケースというのは非常に限定的のため、原則として建物費は改修費に利用するものというニュアンスになりました。
建物費の変更については下記の記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

一方で、貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費が新たに追加されました。
機械装置・システム構築費
機械装置・システム構築費の要件は下記の通り。
①専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
②専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
③①又は②と一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費
ECサイト構築費、設備投資、ITシステム導入などが主な補助対象になります。
変更点として、第6回からリース会社との共同購入についても補助経費として認められるようになりました。
詳細は下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

注意点として、一般な車や「構築物」、「船舶」、「航空機」、「車両及び運搬具」は補助対象にはなりません。
ただし、車両に載せる設備及びその設備の設置に必要な費用および減価償却資産の耐用年数等に関する省令において「機械及び装置」区分に該当するもの(例:トラッククレーン、ブルドーザー、ロードローラー等)は補助対象となります。
技術導入費
知的財産権等の導入に要する経費が補助対象となります。
他者の技術提供による費用は専門家経費、外注費で計上しましょう。
専門家経費
事業再構築で取り組む事業を実施するために依頼した専門家に支払う経費は補助対象となります。コンサルティング費用や旅費が対象です。
謝礼の目安は下記の通り。
・大学教授、弁護士、弁理士、公認会計士、医師等:1日5万円以下
・准教授、技術士、中小企業診断士、ITコーディネータ等:1日4万円以下
専門家経費の詳細については下記の記事で解説しています。

運搬費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費は補助対象となります。
ただし、機械装置やシステムに関する運搬費は「機械装置・システム構築費」で計上します。
クラウドサービス利用費
クラウドサービス利用に関する経費は原則補助対象となります。
ただし、下記の経費は補助対象外となりますので、注意しましょう。
- 基幹システムなど他の事業と共有する場合
- サーバー購入費
- サーバー自体のレンタル費
- 補助事業実施期間外の経費(超える場合は按分)
- パソコン・タブレット端末・スマートフォンなどの本体費用
外注費
事業実行に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費は外注費として、補助対象経費となります。
機械装置等の製作を外注する場合は、「機械装置・システム構築費」に計上しましょう。
外注費に関しては下記の記事で詳細に解説しています。

知的財産権等関連経費
新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費が補助対象経費となります。
また下記の経費は補助対象外です。
- 補助事業実施期間内に出願手続きを完了していない場合は
- 日本の特許庁に納付する手数料等(出願料、審査請求料、特許料等)
- 拒絶査定に対する審判請求又は訴訟を行う場合に要する経費
広告宣伝・販売促進費
本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用、SNSツール(フェイスブックやインスタグラム等)へのWEB広告等に係る経費が補助対象です。
下記の経費は補助対象外となります。
- 求人広告
- 会社全体のPR資料
- 補助事業外の商品のPR資料
広告宣伝費・販売促進費に関する詳しい内容は下記の記事で解説しています。

研修費
本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費が補助対象となります。
下記の経費は補助対象外となります。
- 補助事業の遂行に必要がない教育訓練や講座受講等
- 資格試験に係る受験料
- 研修受講以外の経費(入学金、交通費、滞在費等)
第6回の公募から研修費の上限額は、補助対象経費総額(税抜き)の3分の1となりました。
まとめ
今回は事業再構築補助金の主な使い道について解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 事業再構築補助金は幅広い経費が補助対象として認められている
- 主な使い道は建物費と機械装置・システム構築費
- 特に建物費は他の補助金では認められていないことが多い
- そのため、事業再構築補助金では建物費を有効活用できるように事業を構築していくことをおすすめ
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