事業再構築補助金

建物新築の必要性における判断事例を解説!

以前の「第6回公募変更点③建物費の新築に対する制限について」で第6回の公募要領から建物費の新築について一定の制限が設けられる旨解説しました。
建物費は新築でなければならないケースを除き、補助対象外となるというものです。
しかしながら、当初は具体的にどのようなケースで新築が認められるかは明記されていませんでした。ですので、判断に迷われた方も多かったのでないでしょうか。
今回、新たに事業再構築補助金のホームページの中で新築が認められる具体例が明記されました。
本記事では具体例を踏まえつつ、どのようなケースで新築が認められるかを解説していきます。

建物費の新築に対する制限について

改めて、建物費の新築に対する制限について確認していきましょう。

第6回の事業再構築補助金公募要領から建物費の欄に下記の文言が追加されました。

※6 建物の新築に要する経費は、補助事業の実施に真に必要不可欠であること及び代替手段が存在しない場合に限り認められます。「新築の必要性に関する説明書」を提出してください。

※7 事業計画の内容に基づき採択された場合も、「新築の必要性に関する説明
書」の内容に基づき、建物の新築については補助対象経費として認められな
い場合がありますのでご注意ください。

事業再構築補助金 第6回公募要領 建物費 P24

第6回公募からは建物費の新築経費は、新築でなければいけないケースを除き、補助対象外とするということになっています。
また新築で申請する場合、「新築の必要性に関する説明書」が新たに必要となりました。
とはいえ、どういったケースで新築が認められるのか疑問に思うところですよね。
次の章で、新築が認められる具体例について解説していきます。

新築が認められるケース

新築が認められるケースは主に下記の2点です。

  • 経済的合理性があること
  • 近隣に購入可能な物件がない

具体的に解説していきます。

経済的合理性があること

新築であることが最も経済的に有利である場合は新築が認められそうです。
下記のケースの場合、新築が認められる旨解説されていました。

生鮮魚介類の加工業を手がけている事業者が、新たに冷凍加工食品事業に進出するため、新たに冷凍倉庫が必要となる。加工工場から最も近い冷凍倉庫の空きスペースまでは車でも一定の時間を要するため、その場合冷凍輸送費が発生し補助事業の採算がとれない。このため、既存の加工工場に隣接する場所に冷凍倉庫を新築することが最も経済効率的である。

冷凍庫まで行くのに時間がかかり、近くに新設した方が経済的合理性があるため、新築として認められるということです。
こういった冷凍倉庫などの特殊な保管場所については幅広い観点で新築が認められそうです。

近隣に購入可能な物件がない+@

近隣に購入可能な物件がないというケースも新築が認められそうです。
下記のケースの場合、新築が認められる旨解説されていました。

山間部の農家が、畑から採れたての野菜を用いて新たにレストラン運営を行うため、新たに店舗が必要となる。当該農家は現在所有している事業用の建物がない上、事業の実施を計画している地域に購入が可能な既存の建物がない。加えて、ブランド構築の観点からは、畑に隣接する場所でレストラン運営を行うことが最も望ましいため、新たにレストラン用の建物を新築することが必要不可欠である。

近隣に購入可能な物件がないという点とブランド構築の観点という場合、新築が認められそうです。
わざわざブランド構築の観点からという文言をいれているため、近隣に購入可能な物件がないというだけではもしかしたら難しいかもしれません

新築が認められないケース

新築が認められないケースは主に下記の2点です。

  • 改修で代替が可能な場合
  • 自社の建物の老朽化の建て替え

具体的に解説していきます。

改修で代替可能な場合

改修で代替可能な場合、新築が認められません。
具体的なケースは下記の通り。

温泉旅館を営む事業者がワーケーション需要に応える新事業を行うため、温泉客向けの既存の宿泊設備では対応できないため、ワーケーション向けの離れの新築を検討。しかし、既存事業がコロナによる需要減少で客室の稼働率が下がっているため、既存事業を縮小し、空いている客室を改修することでワーケーション需要を受け入れる態勢を整えることができるため、ワーケーション向けの宿泊施設を新築する必要はない。

既存事業や建物で代替可能な場合は原則として補助対象にはならないと考えた方が良いでしょう。

自社の老朽化した建て替え

自社の老朽化した建物の建て替えは新築が必要なケースとして認められません。
具体的なケースは下記の通り。

本社建物と工場を別にする金属製品製造事業者が、新たに金属製品販売業に進出するため、人員を増強して新たな営業部門を設置。老朽化した本社建物が手狭になるため、既存の本社建物を取り壊して建て替えることを検討。しかし、新たな営業部門用のオフィススペースは、既存の貸しオフィスの賃貸やリモートワークで代替可能であり、本社建物の老朽化は補助事業と無関係であるため、本社建物の建て替えは必要ない。

老朽化は本事業と無関係のため、本社建物の建て替えは必要ないという判断です。
基本的に建て替えをベースとした新築が必要と認められるケースは少ないかもしれません。

担当者の主観が入る可能性が高い

とはいえ、今回の具体例だけでは判断しにくいです。
例えば、経済的合理性があって、新築にする場合はどうなるのか。改修で代替できるかどうか微妙な場合はどうなるのか。という点については担当者の主観が入る可能性が高いです。

事実、「実際の審査では“事業計画書“と“新築の必要性に関する説明書”の内容等から、個々の事業者の状況に応じて、新築の必要性の有無を総合的に判断します。個々のケースに関して、申請前にお問い合わせ頂いても、ご回答ができませんので、ご了承ください。」という記載があり、回答もあいまいです。
確実に補助対象としたいなら、新築は使わない方が無難かもしれません。

まとめ

今回は新築が必要と認められるケースと認められないケースの具体例を解説してきました。
ポイントは下記の通り。

  • 新築と認められるケースは「経済的合理性」「近隣に購入可能な物件がない+@」
  • 認められないケースは「改修で代替可能な場合」「老朽化の建て替え」
  • 担当者の主観が入る可能性が高い
  • 確実に補助を得たいなら新築は申請しない方が無難

 

「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。

事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。

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