日本国内の多くの中小企業が事業再構築補助金を活用しています。
しかし、補助金を受け取った後に廃業を余儀なくされた場合、その後の手続きはどうなるのか、返金は必要なのかという点は気になるところですよね。
今回は事業再構築補助金を受け取った後に廃業した場合はどうなるかという点について解説していきます。
通常の廃業は残存簿価相当額による返還
事業再構築補助金を受け取った後に、事業を頑張っていたけれども、残念ながら事業を継続できなくなった場合、「残存簿価相当額」を上限として返還義務があります。
事業再構築補助金の「よくあるご質問【採択後の手続き】」の中で下記の通り記載されていました。
Q:補助事業終了後の事業計画期間内に事業を継続できなくなった場合、補助金の返還が求められるのか。
A:残存簿価相当額等により、補助金交付額を上限として返還を求めます。
このように事業再構築補助金を受け取った後、補助事業終了後の事業計画期間内に事業を継続できなくなった場合、補助金の返還が求められることがあります。
しかし、その返還額は「残存簿価相当額」が上限とされています。
「残存簿価相当額」は、事業再構築補助金の事業に必要だった資産の現在の価値、つまり、事業を継続できなくなった時点でのその資産の価値を指します。
つまり、減価償却後の価値を反映したものです。
例えば、ある製造業の企業が事業再構築補助金を受け取り、新たな製造機械を1000万円で購入したとします。そして事業再構築が順調に進みましたが、3年後の事業計画期間内に市場環境の変化等で事業を継続できなくなり、廃業を決断したとします。
この時、新たに購入した製造機械の価値は、経年減価償却により現在600万円とされています。この600万円が「残存簿価相当額」です。この場合、補助金の返還義務が生じたとしても、返還額はこの残存簿価相当額である600万円を上限とします。
補助金全額を返金する必要はない
上述の通り、事業再構築補助金を受け取った後の廃業は補助金全額を返金する必要はありません。
残存簿価相当額が返金額の上限となります。
そのため、万一廃業する可能性がある事業者の方の場合、耐用年数が長めの設備投資を行うよりも、耐用年数が短かめの設備投資を行った方が良いかもしれません。
不正な行為をしての廃業は全額返金を求められる
上記の通り、一般的なケースでの廃業の場合、補助金の返還金額は残存簿価相当額が上限とされています。
しかしながら、不正な行為をしての廃業は全額返金を求められる可能性が高いです。
代表的な事例としては下記が挙げられます。
- 虚偽の申請による不正受給
- 補助金の目的外利用
- 補助金受給額を不当に釣り上げ、関係者へ報酬を配賦する
このような悪質な行為を行った後の廃業は全額返金を求められる可能性が高いです。
最悪の場合、逮捕になるケースもあるので、必ずやめましょう。
まとめ
今回は事業再構築補助金で途中で廃業になった場合はどうなるのかというテーマで解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 廃業後の返金は残存簿価相当額による
- 残存簿価相当額とは減価償却後の金額のこと
- 原則として補助金全額を返還する必要はない
- しかしながら、不正な行為があった場合は全額返金を求められるケースも
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