事業再構築補助金の要件の中で中小企業や中堅企業という言葉が出てきます。
中小企業の方であれば
- 中小企業と中堅企業って何が違うの?
- 自社は中小企業か中堅企業なのかわからない
- 卒業枠というのもあるけど、どういうことなの?
- 受けとれる補助金は何が違うの?
という点は疑問に思うところですよね。
そこで今回は事業再構築補助金における中小企業と中堅企業の違いと卒業枠について徹底解説していきます。
本記事を読むことで、中小企業と中堅企業の違いを理解することができ、自社が申請すべき枠を把握することができます。
事業再構築補助金の要件とは?
事業再構築補助金は中小企業や中堅企業を対象とした補助金です。
ですので、大企業は受給することはできません。
補助額と補助率は下記の通りとなっています。
中小企業 ・通常枠 補助額 100万円~6,000万円 補助率 2/3 ・卒業枠 補助額 6,000万円超~1億円 補助率 2/3中堅企業 ・通常枠 補助額 100万円~8,000万円 補助率 1/2(4,000万円超は1/3) ・グローバルV字回復枠 補助額 8,000万円超~1億円 補助率 1/2 |
しかしながら、これだけでは具体的な要件は分かりにくいですよね。
- どこからどこまでが中小企業なのか
- 通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠の違いは何なのか
- 中小企業と中堅企業の違いは何なのか?
という点は疑問に思うところかと思いますので、詳しく解説していきます。
中小企業の定義とは
中小企業の定義は中小企業基本法と同様になっています。
つまり、下記の通りとなっています。
これらの基準を満たした事業者が中小企業と認定されます。
重要なのは売上高や利益の水準ではなく、「資本金の額または出資の総額」及び「常時使用する従業員の数」である点は必ず、確認しておきましょう。
いずれかの水準を満たせば良いので、出資金額が多くても従業員数が少なければ中小企業となりますし、従業員数が多くても出資金額が少なければ中小企業となります。
極端な話、従業員数が5,000人でも出資金額が5,000万円以下であれば中小企業となります。
ですので、従業員数や出資金額が多くなってきたベンチャー企業やスタートアップ企業の場合、減資をして補助金を受給するというのも一つの方法となってくるでしょう。
中堅企業の定義とは
中小企業は上述のとおり、明確に定義されている一方で、中堅企業の定義は実はまだ明確に定義されていません。
経済産業省は中堅企業の定義について下記の通り説明しています。
Q5.中堅企業の定義はあるのか。
- 現時点では未定です。公募要領等で提示いたしますのでもうしばらくお待ちください。
(引用:経済産業省 HP 事業再構築補助金に関するよくあるお問い合わせより)
このとおり中堅企業の定義については2021年2月15日時点で公表されていません。
明確に定義されるのは3月の公募開始からかと思われます。
一般的な中堅企業は資本金が1億円以上10億円未満の企業を指しますので、事業再構築補助金でもこのあたりが中堅企業となってくると予想されます。
中小企業の通常枠と卒業枠とは?
事業再構築補助金の中小企業のところに「通常枠」と「卒業枠」があります。
こちらについても分かりやすく解説していきます。
通常枠は一般的な中小企業
通常枠は一般的な中小企業のことをいいます。
事業再構築補助金の申請をする事業者の大多数はこちらの通常枠で申請するかと思います。
卒業枠は中小企業から中堅企業となる予定の事業者
卒業枠は事業再構築補助金を活用して、中小企業から中堅企業となる予定の事業者のことをいいます。
要件は下記の通りに定義されています。
事業計画の期間内に
①組織再編
②新規設備投資
③グローバル展開
のいずれかにより、資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠
(引用:経済産業省・中小企業庁 事業再構築補助金のリーフレットより)
組織再編、新規設備投資、グローバル展開の明確な定義はまだ説明されていません。
予想では下記の通りとなります。
①組織再編・・M&Aなどを通じた大幅な会社体制の見直しなど
②新規設備投資・・新規事業に係る大規模な設備投資
③グローバル展開・・海外への販路拡大に伴う設備投資や事業所設置などの投資
補助額が6,000万円~1億円と大規模な補助金となっているため、大幅な事業再編や新規事業をする企業のみが対象になると思われます。
将来的に上場を目指している企業の場合は大きなチャンスとなりますので、ぜひ狙ってみましょう。
注意点としては卒業枠は400社のみが対象となるという点です。
卒業枠は最大1億円で、なおかつ補助率が2/3という事業再構築補助金の中でも最も優遇された補助金となっています。
したがって、早期の終了が予想されています。
また、補助率と補助額が大きいため、正確な事業計画書の提出やビジネスモデルの構築が求められることも予想されます。
事前に認定支援機関を含めた計画というのは必要不可欠といえます。
1年の上場する企業の数が100件前後であることを考えますと、どれだけ狭き門なのか、想像しやすいかもしれません。
ただし、やる前からあきらめるのではなく、まずは大型の補助金サポート実績の豊富なコンサルタントにご相談されると良いと思います。プロ対プロのマーケットと言っても過言ではありません。
事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業計画書の作成を含めた事業再構築補助金の申請サポートを実施しています。
事業再構築補助金に興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
中堅企業の通常枠とグローバルV字回復枠
中堅企業の事業再構築補助金の中にも通常枠とグローバルV字回復枠というのがあります。
詳しく解説していきます。
中堅企業の通常枠とは
中堅企業の通常枠とは一般的な中堅企業が申請する枠と予想されます。
中堅企業の定義がまだ明確になっていないので、具体的なことは分かりません。
しかしながら、中小企業よりも従業員及び資本金額が大きい企業、なおかつ大企業とまではいかないという点を考慮すると、資本金が1億円~10億円程度、従業員数500人以上というのが一つの目安になるかと思います。
中小企業の事業再構築補助金よりも補助額は100万円~8,000万円と大きくなっている一方で、補助率は1/2(4,000万円超は1/3)と小さくなっている点は注意しましょう。
グローバルV字回復枠
グローバルV字回復枠とは下記の要件を全て満たす中堅企業向けの枠です。
①直前6カ月間のうち売上高の低い3カ月の合計売上高がコロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。
②事業終了後3~5年で、付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
③グローバル展開を果たす事業であること。
グローバルに活躍している企業が業績を回復させるための補助金であると予想されます。
ものづくり補助金ではグローバル展開は下記のように定義されていますので、事業再構築補助金でも似たような定義になるかもしれません。
中小企業者等が海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業のいずれかに合致するもの)
(引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領〔一般型(新特別枠含む)・グローバル展開型〕)
グローバルV字回復枠は100社限定となっています。
早期の終了が予想されますので、早めの申し込みをおすすめします。
以下の記事にて、事業再構築補助金について、よくある問い合わせについてコメントしています。
まとめ
今回は事業再構築補助金の中小企業、中堅企業、卒業枠、グローバルV字回復枠の定義について解説してきました。
ポイントは以下の通りです。
- 中小企業の定義は中小企業基本法と同じ
- 中堅企業の定義は公募以降に明確になることが予想される
- 卒業枠は中小企業から中堅企業になる企業向けの枠
- グローバルV字回復枠は3つの要件を満たす中堅企業向けの枠
- 卒業枠は400社まで、グローバルV字回復枠は100社まで
事業再構築補助金は予算も限られており、特に卒業枠、グローバルV字回復枠については上限社数もあります。
早めの準備は必要不可欠といえるでしょう。
他にも事業再構築補助金についてまとめております。ご覧ください。
https://mono-support.com/saikouchiku/
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※二次公募(2次公募)が開始しており、5月20日から7月2日までです。
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