事業再構築補助金の成長枠では通常枠とは異なり、新たな事業が市場規模が拡大しているまたは拡大する見込みの事業のみと限定されています。
事業再構築補助金のホームページの中で「成長枠の対象業種・業態の指定について」が公開されており、原則としてこの中から事業を選択する必要あります。
今回は成長枠の対象事業の一つである「自動車賃貸業」について解説していきます。
自動車賃貸業とは?事業再構築補助金成長枠の対象!
自動車賃貸業は事業再構築補助金の成長枠の対象事業です。
自動車賃貸業は自動車を賃貸する事業です。
乗用車はもちろんのことライトバン,バス,トラック,タンクローリー,二輪自動車などの賃貸も含まれます。
自転車は自動車賃貸業には含まれませんが、スポーツ・娯楽用品賃貸業として成長枠の対象事業となります。
自動車賃貸業は新型コロナウィルスの影響を受けた影響により、2020年は市場規模が縮小していました。
しかしながら、2021年より急回復をしており、近年では安定的に市場規模が拡大しています。

(自動車賃貸業の動向(特定サービス産業動態統計速報(2022年12月)) 経済産業省)
自動車賃貸業の市場規模が拡大している要因としては下記が挙げられます。
- カーシェアリングの普及
- 観光業の回復
- 法人向けでコスト削減のため社有車からの切り替えが進む
また経済産業省は「好調が続くレンタカー、伸びるカーシェアリング」というレポートを公開しています。
法人向けのレンタカーが好調であることや都市部では自動車保有台数が減少し、レンタカーとカーシェアリングが人気になっていることなどが言及されており、今後も期待できる市場と言えるでしょう。
自動車賃貸業での代表的なビジネスモデル
自動車賃貸業での代表的なビジネスモデルは下記の通り。
キャンピングカー
アウトドア関連が高い人気を誇っているため、キャンピングカーも事業再構築補助金では人気の高い事業テーマでした。
観光地やアウトドアスポットに近い場所でキャンピングカーレンタルサービスを提供することで、利用者が手軽にキャンプやアウトドア体験を楽しむことができます。
キャンピングカー事業に関しては下記で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

移動式ミニシアター
トラックやバスを改造し、移動式のミニシアターを作ることができます。地域イベントや学校行事など、さまざまな場所で映画上映ができ、多くの人々に映画鑑賞の機会を提供できます。
地域事業者と連携することで、地域経済への波及も期待ができます。
カーシェアリングサービス
スマートフォンアプリやウェブサイトを使って、簡単に車両の予約・利用ができるカーシェアリングサービスも事業再構築補助金では有力な事業テーマとなります。
都市部を中心に需要が高まっており、車の保有コストを抑えたいユーザーに人気の高いサービスと言えるでしょう。
AIを活用した予約システム
人工知能(AI)を活用した予約システムを導入し、レンタカー事業を実施するビジネスモデルです。
顧客の過去の利用履歴や好みを分析し、最適な車両やプランを提案することができます。これにより、顧客満足度を向上させ、リピート利用を促進できます。
実際に過去の採択事例ではどのようなビジネスモデルが採択されてきたのかを紹介していきます。
自動車賃貸業での採択事例
自動車賃貸業事業による具体的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 事業計画概要 |
新しい旅のカタチを提供するキャンピングカーレンタル事業 | 当社の主要事業であるイベント企画は、大勢の人が集まる事への賛否で事業の岐路に立っています。そこで、イベント集客力の強みを活かして、ウィズコロナでの新しい旅のカタチとしてレンタカー事業を行います。 |
ホテル・マンション・空き駐車場常設型24時間完全非対面で利用可能なレンタカー事業 | この事業は無人型のレンタカーであり、そのレンタカーはスマホのアプリを使い、予約からカギの開錠・エンジン始動・返却までスマホ1つでできる新しい形のレンタカー事業になります。 |
地域密着型企業向けの中長期レンタカー事業による新分野展開 | 地元不動産業や建築業とのネットワークを活かし、中長期リースを求める法人向けのレンタカー事業を行う。軽自動車の豊富さ、長期間借りて低下価格という事業では珍しいサービスの実施で、地元企業の利便性向上を図る。 |
一般顧客向けのレンタカー事業参入 | 本補助事業はこれまで車検・事故車両の代車用のみとして扱っていたレンタカーを、一般顧客向けに拡充することで、レンタカー事業へ新規参入するものである。 |
キャンピングレンタカー事業への新分野展開による事業再構築 | コロナ禍で消費者の行動が大幅に規制され価値観の変化からも、車販売(既存事業)においては厳しい経営環境に変わってしまった。そこで、新車中古車の仕入れノウハウとキャンプ場との協業体制がある強みを活かし、今後伸長が期待できるキャンピングレンタカー事業を行い、経営再建を図る。 |
新たな車の役割を提案!カスタムカーのSCテナント戦略の展開 | 展示会来場者減少のため、アウトドア用カスタムカーの販売とレンタカー事業を大型SCにて展開する。商談のIT化でお客様の購入に対する安心とコロナ対策を実施。ITによるオペレーションを確立し全国展開を図る。 |
まとめ
今回は事業再構築補助金の成長枠の対象である自動車賃貸業について解説してきました。ポイントをまとめると下記の通り。
- 自動車賃貸業は事業再構築補助金成長枠の対象事業
- レンタカー事業は法人向けで市場規模が拡大
- 都市部向けの個人向けレンタカーも需要が高い
- カーシェアリングも人気が高いサービス
- 新型コロナウィルスの影響が小さくなってきており、市場規模の拡大が見込める
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