焼肉店の開業は多くの起業家が挑戦するビジネスの一つですが、成功への道は容易ではありません。
ここでは、焼肉店を開業する際の失敗しやすいポイント3選と、それを克服するための対策を紹介します。
失敗するケース①:場所の選定ミス
焼肉店の場所の選定ミスで失敗するケースは非常に多いです。
飲食店は立地が非常に重要といわれており、焼肉店も例外ではありません。
繁華街や商業地域に店を構えることで集客力を高めることができますが、逆に、交通の不便な場所や競合店が多い場所に出店すると集客が難しくなります。
また、家賃の高い場所での開業は、回転率を高く保つ必要があります。
失敗するケース②:資金調達の不足
焼肉店を開業するための初期投資は高額です。
内装や設備投資、初期の仕入れ資金、人件費など、多くの費用が発生するためです。
そのため、必要資金が不足していると失敗する要因となりやすい傾向になります。
焼肉店の開業において、かかる主な費用は下記の通り。
1.物件関連の費用
家賃(敷金・礼金含む): 地域や物件の立地、広さによるが、一般的に初期の敷金・礼金として数か月分の家賃が必要。
リフォーム費: 200万円~2,000万円程度(物件の状態や希望する内装のクオリティによる)
2.設備・備品関連の費用
厨房機器(焼肉用のグリル、冷蔵庫、冷凍庫など): 500万円~1,500万円
店内の家具・照明: 300万円~700万円
POSレジ・システム導入: 100万円~300万円
3.初期の仕入れ費
肉や野菜などの食材、調味料、ドリンク: 200万円~500万円
4.営業許可・免許関連の費用
衛生許可や酒類販売免許など: 10万円~50万円
5.広告・宣伝費
開店前の広告や宣伝: 50万円~200万円
6.その他の費用
保険、通信費、水道光熱費の初期費用など: 50万円~150万円
総計として、小規模な焼肉店の場合、1,000万円~2,500万円程度、中〜大規模な店舗や高級路線を目指す場合には3,000万円以上が必要となることが想定されます。
このように焼肉店の開業には多額の費用がかかります。
十分な資金調達ができていないと、焼肉店の運営に失敗する可能性が高くなってしまいます。
失敗するケース③:メニューや価格設定の誤り
焼肉店はメニューのバリエーションや価格設定が重要なポイントです。
価格が高すぎると客が来なくなり、低すぎると利益が出ません。
また、同じようなメニューの焼肉店が多い中で、差別化が難しくなることも。
市場調査を行い、ターゲティングを明確にして、適切なメニューや価格帯で商品を提供する必要があります。
補助金の活用がおすすめ
焼肉店の成功確率をあげるためには補助金を活用することをおすすめします。
理由は「事業計画を作成することでマーケティングや市場調査を行うことができる」「資金調達ができる」の2点です。
内容について具体的に説明していきます。
事業計画の作成が鍵
補助金を申請する際、事業計画の提出が必要となるケースが多いです。この事業計画を作成する過程が、焼肉店の成功への第一歩となります。なぜなら、事業計画を作成するためには、市場調査やマーケティング戦略の立案が必須となるからです。
市場調査を通じて、ターゲット層のニーズや地域の競合店舗状況、料理のトレンドなどを把握することができます。
これにより、店舗のコンセプトやメニュー構成、価格設定などを最適化することが可能となり、成功の確率を高めることができます。
資金調達と成功の確率の向上
補助金の申請が採択されれば、その資金は店舗の開業や運営に大きく寄与します。
資金調達が円滑に進むことで、焼肉店の初期投資を安定的に行うことができるだけでなく、店舗の運営やマーケティング活動にも余裕をもって取り組むことができます。
焼肉店の開業におすすめの補助金3選
焼肉店を開業する方におすすめの補助金は「事業再構築補助金 成長枠」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」の3つです。
各種補助金の内容について具体的に紹介していきます。
事業再構築補助金 成長枠
焼肉店に最もおすすめしたいのが事業再構築補助金です。
事業再構築補助金は新型コロナウィルスの影響を受けた事業者が新たな取り組みを行う際に対しての補助金です。
成長枠には市場拡大要件(市場規模が拡大している事務局が指定した事業しか原則できない要件)が設定されていますが、焼肉店は市場拡大要件に当てはまります。(成長枠対象リスト)
そのため、どの事業者でも焼肉店にチャレンジすることができるようになりました。
成長枠の要件は下記の通り。
目的 | 成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者に向け、売上高減少要件を撤廃した成長枠 |
補助上限金額 |
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補助率 |
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要件 |
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】
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建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、クラウドサービス利用費、外注費、広告宣伝・販売促進費、研修費といったDXに関連する様々な経費が補助されます。
特に特徴的なのは事業再構築補助金においては、建物費が補助対象となっていることです。事業再構築補助金以外の補助金においては、一般的に費用がかさみやすい建物費は補助対象外であることが多いです。
しかしながら、事業再構築補助金は大きな予算が組まれているため、建物費も補助対象となります。
過去、事業再構築補助金では焼肉店でも数多くの採択事例があります。
補助経費の幅広さ、補助上限金額の高さなどから最も焼肉店でおすすめの補助金といえるでしょう。
事業再構築補助金には細かい要件があります。
弊社は事業再構築補助金の申請サポートを実施しています。
全国から初回オンライン面談無料で対応しておりますので、「事業再構築補助金の対象となるの?」「どういったことをやる必要があるの?」など疑問点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
詳細は下記のページから
IT導入補助金
焼肉店の経営に必要不可欠なIT技術の導入を支援する「IT導入補助金」も有力な選択肢の一つといえるでしょう。
IT導入補助金は、中小企業者や小規模事業者が新たにITツールを導入するための経費を補助するもので、最大450万円が補助されます。
具体的には、POSレジシステム、予約システム、顧客管理システムなど、業務効率化や顧客満足度向上に繋がるツールの導入が対象となります。
特に、デジタル技術の進化や人手不足に伴い、焼肉店の業務改善や顧客サービス向上のためのITツールの需要が高まっています。この補助金を活用することで、最新のITツールを低コストで導入することができるので、新規事業を立ち上げる際の強力な味方となるでしょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者向けにおすすめできる補助金が小規模事業者持続化補助金です。
補助上限金額は低いものの、採択率は高い傾向にあります。小規模事業者持続化補助金では開業だけでなく、既存店舗のリニューアルやブランドイメージの刷新など、さまざまな事業展開のサポートが受けられます。
大きな投資を必要としない焼肉店をはじめるならおすすめの補助金です。
概要は下記の通り。
補助対象者 | 小規模事業者・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下 ・サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下 ・製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下 |
補助対象経費 | ①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥開発費、⑦資料購入費、⑧雑役務費、⑨借料、⑩設備処分費、⑪委託・外注費 |
補助上限金額 | 通常枠50万円、他200万円 |
補助率 | 2/3 |
採択率 | 概ね50~70%程度 |
まとめ
今回は焼肉店の開業で失敗する3つのケースをご紹介させていただきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 焼肉店の開業に失敗する主なケースは「場所の選定ミス」「資金調達不足」「メニュー、価格のミス」
- 焼肉店の開業の成功確率をあげるためには補助金の活用がおすすめ
- 資金調達はもちろんのこと、市場調査やマーケティングも行うことができる
- 自社の事業を客観視することができる
これから焼肉店を開業しようと考えている方は、ぜひ補助金を活用して、焼肉店の成功確率を上げてみてください。