事業再構築補助金において有望なテーマとされている事業の一つに「XR」事業があります。
先端的なデジタル技術の代表例であり、IT企業を中心に様々な企業で導入が進んでいます。
そこで、今回はXR事業に関わる事業再構築補助金採択事例とポイントを紹介していきます。
「XR」とは?
XR(クロスリアリティ)とは仮想世界を知覚できる技術の総称のことです。
VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などは全てXRに含まれます。
XRは様々なデバイスを活用して体験できます。
現在の代表的なXRのデバイスは下記の通り。
- オキュラスクエスト(メタクエスト)、PICO、PSVRのようなヘッドマウントディスプレイ
- モニター画面を映し出すスマートグラス
- 画面上を通じて、仮想体験ができるスマートフォンのアプリ
これらの他にも様々なデバイスが今後でてくるといわれています。
GAFAの一角であるFacebookがmetaに社名変更したように、世界のIT企業が今最も力を入れている分野の一つと言えるでしょう。
XRは事業再構築補助金の補助対象
XRは事業再構築補助金の補助対象です。
現在までで多数の採択事例を確認しております。
また、公募要領の審査項目の中で下記の通り、「先端的なデジタル技術」は加点要素となる旨明記されています。
審 査 項 目 ・ 加 点 項 目
(3)再構築点
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。(4)政策点
② 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか
また「事業再構築補助金虎の巻」の「事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック」の中でも下記の通り、XR技術について言及されていました。
先端的なデジタル技術の代表例として、AI,Iotに次ぐ立ち位置として紹介されています。
このことから、XRは事業再構築補助金では採択されやすいテーマといえるでしょう。
実際に過去の公募ではどういった事業計画が採択されてきたのか次の章で解説していきます。
XRでの事業再構築補助金採択事例
XRでの事業再構築補助金採択事例は下記の通り。
- メタバース
- AR
- VR
事業計画を紹介していきます。
メタバース
メタバースを事業テーマとした採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 事業計画の概要 |
福島県の仕出し弁当事業からメタバースでの全国一般消費者向け総菜販売事業への転換 | メタバース店舗を出店することで単なるネット販売ではなく、リアルタイムでの双方向の顧客サービス実現により、福島県の仕出し弁当事業(BtoB)から全国の一般消費者をターゲットとした高級総菜販売事業(BtoC)へ販路の拡大を図ります。 |
持続可能な社会の実現に向けた、100%植物性ミルクの製造販売事業 | 当社が3年間取り組み、1,300人の既存顧客を有するヴィーガン商品のネット販売事業を応用し、100%植物性原料から作られるプラントベースミルクを製造販売する。メタバースを活用したライブ配信を駆使し、国内とグローバル市場に向けて展開。 |
自己啓発・動画配信,SNS 配信,メタバース職員室事業 | 自己啓発・動画配信,SNS配信,メタバース職員室事業。経営コンサルティング時に行っていた集合型自己啓発教育(考える力)のノウハウを生かして自己啓発講座の動画配信,SNS,メタバースなどデジタル技術を利用した教育事業を行う。1年かけて開発した集合形式の教育事業をオンライン・VODに転換を行う。 |
障害と個性をハンディにしない社会活躍支援グループホーム | 障害者向けグループホームを運営する。地方自治体や障害福祉施設、ならびに地域の経営者団体のネットワーキングとメタバース展示場および通信販売を行う。自社の入居者だけでなく、全国の障がい者の作品を掲載する。障がい者の障害をハンディではなく個性として発揮できる自発的経済活動を推進し、公共の福祉と、入居者・家族の幸福に貢献する |
メタバースなどオンラインを活用した、メモリアル空間提供事業 | 経済産業省も推進するWeb3.0時代におけるデジタルコンテンツ市場。中でも、「メタバース」と呼ばれる仮想空間におけるコンテンツ投資が活発化している。当社は、仮想空間における自由設計メモリアル空間を提供し、新時代のエンタメエンディング事業を展開する。 |
AR
ARを事業テーマとした採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 事業計画の概要 |
「AR技術」を駆使した結婚式会場の選定サポート事業 | これまでは現地に行かないと結婚式場やドレスが決められませんでしたが、AR技術を活用したアフターコロナの結婚式場選定やドレス選びを確立させていきます。 |
AIによる運動機能解析を取り入れた人工関節用ナビゲーションシステムの開発 | ARを用いた自社手術用ナビゲーションを進化させ、人工関節インプラントの設置を支援するだけでなく、関節の運動機能をAI技術によって数値化し解析・保存する機能を付与することで、医師のROM評価を支援する。 |
AR技術とメタバース開発による沖縄の近未来観光都市化事業 | 受託開発で培ったAR技術で、本社がある沖縄県の観光をテーマとした「美らメタバース(仮)」を開発し、アプリの受託開発型ビジネスモデルからメタバースプラットフォーマー型ビジネスモデルへ事業再構築を行う。 |
VR
VRをテーマとした採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 事業計画の概要 |
美容・エステ業のリソースを活用したVRサービス事業展開 | 接触の多い美容及びエステ業界から、比較的接触が少なく近年のビジネスのトレンドにもなっているVR業界に進出し、強みとしている女性顧客層に向けてのリラクゼーション等を活かした新たなVR事業を創出する。 |
「360度カメラ・VR技術で自宅にいながら、まるで会場にいる感覚。革新的VRリアルタイム配信レンタルスタジオ運営 | セミナーや結婚式や各種教室などをインターネット配信で提供したいと考えている顧客に対して、視聴者が現場にいるようなリアリティを体験できる「360度カメラ・⾰新的VR配信」で顧客の情報発信の場を貸し出すという全く新しい試みの新規性の⾼い事業 |
クリエイター志望者のためのクリエイター養成学校兼Vtuber事務所事業 | 既存事業のVtuber制作、VR講座の技術を活かしたクリエイター養成学校兼Vtuber事務所を立ち上げる。所属するVtuberは発信力を高めながら、Vtuber制作やイラストの描き方を学ぶことができ、クリエイターとしての技術と収益も得られる。 |
工芸技術と生活文化の継承を名品の復刻とECでの販売で実現 | 日本の伝統工芸の名品の復刻版の素晴らしさをタテ型主観動画やVR360度動画などで疑似体験してもらい、NFTで権威や履歴を保証し、アートとして若者や海外のお客様に販売するECサイトを作り、若手作家の技術継承を守っていく |
まとめ
今回は事業再構築補助金におけるXR関連事業の採択事例とポイントを解説してきました。
まとめると下記の通り。
- XR関連事業は事業再構築補助金の補助対象
- 先端的なデジタル技術の代表例として、採択率の高い事業テーマ
- 「メタバース」「AR」「VR」が主な採択事例
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