事業再構築補助金の成長枠では通常枠とは異なり、新たな事業が市場規模が拡大しているまたは拡大する見込みの事業のみと限定されています。
事業再構築補助金のホームページの中で「成長枠の対象業種・業態の指定について」が公開されており、原則としてこの中から事業を選択する必要あります。
今回は成長枠の対象事業の一つである「医薬品製造業」について解説していきます。
医薬品製造業とは？事業再構築補助金成長枠の対象！
医薬品製造業は事業再構築補助金の成長枠の対象事業です。
人間用の医薬品を製造する事業はもちろんのこと、ワクチンや動物用の医薬品の製造も成長枠の対象となります。
具体的な対象業種・業態は下記の通り。
1651 医薬品原薬製造業
主として医薬品の原末，原液を製造する事業です。
農薬製造業は業種・業態が異なりますが、成長枠の対象となります。
1652 医薬品製剤製造業
主として医薬品，医薬部外品の製剤（他に分類されるものを除く）を製造（一貫製造及び小分けを含む）する事業です。
内服薬製造業；注射剤製造業；外用薬製造業；殺虫・殺そ（鼠）剤製造業（農薬を除く）；蚊取り線香製造業；殺菌・消毒剤製造業（農薬を除く）；診断用試薬製造業；医療用植物油脂製造業；医療用動物油脂製造業；薬用酵母剤製造業が対象事業です。
1653 生物学的製剤製造業
主としてワクチン，血清，毒素，抗毒素又はこれらに類似する製剤及び血液製剤を製造する事業です。
ワクチン製造業；血液製剤製造業が主な対象事業です。
1654 生薬・漢方製剤製造業
主として動物，植物，又は鉱物から選別，調整，小分けなどにより生薬・漢方製剤を製造する事業です。
1655 動物用医薬品製造業
主として動物用の医薬品及び医薬部外品を製造する事業です。
繁殖用薬製造業；飼料添加剤製造業（成長促進剤など）が主な対象事業です。
医薬品製造業での採択事例
医薬品製造業で採択事例は下記の通り。
| 事業計画名 | 事業計画概要 |
| 拡大する化粧品の外注の需要に応え、高い管理能力と衛生環境を活かした充填から梱包までの一気通貫した事業体制の実現 | 既存事業である医薬品、化粧品の包装に加えて、新たに充填設備を導⼊し、医薬品や化粧品等の充填から包装までを⼀気通貫して⾏える事業体制を構築する。これによって、取り扱い製品の幅を広げるほか、取引先の拡⼤、取引単価の向上、既存事業とのシナジー効果を実現し、新型コロナウィルスの影響によって減少した売上のＶ字回復を図る。 |
| 新規膜透過性ペプチドの獲得 | 当社が開発してきた独自のペプチド探索技術を用いて、抗体医薬品では極めて困難な経口投与ならびに細胞内標的に結合可能な医薬品開発の実現に繋がる「新規膜透過性ペプチドの獲得」を目指した開発を行う。 |
| マイクロリアクター導入．による新規医薬品原料の製造販売事業 | 本事業は医薬品原料（かゆみ止め）の新規事業化による事業再構築を目指すものである。また、新しい手法を取り入れ、生産技術革新を図り経営基盤強化を目指すものである。 |
| 医薬品など向け高付加価値アミノ酸（Ｌ－システイン）製造・販売による事業再構築 | 現事業は飼料／環境改善装置製造販売。売上実現迄の期間が長く、またコロナ禍により事業機会が失われている。対して様々な効能／機能を持つ医薬品等向けアミノ酸製造販売による事業転換を図り、経営基盤を盤石にする。 |
| 高品質・低価格な畜産向け動物用医薬品の製造販売事業 | デジタル技術を用いた業務の合理化、少数による運営、末端使用者への直接販売により、高品質・低価格な畜産向け動物用医薬品を製造販売する事業 |
| 貼り薬から新型コロナウイルスワクチン・マイクロニードル製剤への新分野展開 | 貼り薬から新型コロナウイルスワクチン・マイクロニードル製剤への新分野展開を行う。マイクロニードルワクチン製剤の治験薬製造用の量産製造機器を導入し、新型コロナワクチンマイクロニードル製剤の開発を行う。 |
まとめ
今回は事業再構築補助金の成長枠の対象である医薬品製造業について解説してきました。ポイントをまとめると下記の通り。
- 医薬品製造業は事業再構築補助金成長枠の対象
- 人間向けのみならず、ワクチンや動物用の医薬品も対象
- 先端設備を導入し、新薬を開発するという事業テーマがメイン
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