事業再構築補助金では幅広い範囲の経費が認められています。
一方で、補助対象外経費となっているケースも少なくありません。
2023年度からはあいまいな経費も資料の中で解説されています。
そこで今回は事業再構築補助金の補助対象外経費について解説していきます。
補助対象外経費をしっかりと把握していなければ、大きな損をすることも。
事前に内容についてしっかりと把握しておきましょう。
事業再構築補助金の補助対象外経費一覧【2023年度版 第10回公募以降】
事業再構築補助金の補助外経費は公募要領、補助事業の手引き、よくある質問の中で明記されています。
主な補助対象外経費は下記の通り。
の対象とならない経費は下記の通りです。
- 船舶、航空機、車両及び運搬具
- 構築物
- 一次産業関連費用
- 事業計画に係る費用
- フランチャイズ加盟料
- ソーラーパネルや付属の蓄電池等
- 不動産の購入費
- 株式の購入費
- 自社の人件費(ただし助成金制度あり)、旅費
- 汎用品
- 商品の原材料費
- 消耗品費
- 光熱水費
- 通信費
内容について具体的に解説していきます。
船舶、航空機、車両及び運搬具
車両やバイク(公道を走る車)、船舶、航空機、運搬具など購入費は対象外となります。
具体的には下記の車両については対象外となります。
- デリバリーのための車両
- キッチンカー
- タクシー
- モーターボート
- クルーザー
- 飛行機
- グライダー
- ヘリコプター
- 走行可能な状態で使用するトレーラーハウス
- 自動車
車両自体の購入には自己資金や他の補助金、融資を活用しなければなりません。
一方で、車両に搭載させる設備については補助の対象となります。
例えば、
- デリバリー車両に搭載させる冷蔵設備
- キッチンカーに搭載させるキッチン設備
- タクシーに搭載させる空気清浄機
などは対象となる可能性は高いといえます。
車両本体の価格はなるべく抑えて、設備に投資するという方が効率的に補助金が使える可能性が高いといえるでしょう。
構築物
事業再構築補助金では建物費は補助対象ですが、構築物は補助対象とはなりません。
構築物と建物費の違いは事業用に所有・使用するために、土地の上に建てられた工作物であるかどうかということです。
他にも建物費は下記の3つの要件を満たすことが必要とされています。
- 屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し(外気分断性)
- 土地に定着した建造物(定着性)
- その目的とする用途に供し得る状態にある(用途性)
反対に建物費以外の工作物については構築物となります。
ですので、建物と見えるような工作物でも、屋根や壁がないと構築物になったりします。
建物と構築物の具体的な例は下記の通り。
【建物費】
- 事務所
- アパート
- マンション
- 工場
- 倉庫
- 店舗
【構築物】
- 駐車場
- 桟橋
- ブロック塀
- ガードレール
- プール塀
- 防壁
- 貯水用タンク
- アンテナ
- 青空駐車場の舗装路面
- アスファルト敷の舗装道路
- 花壇
構築物については下記の記事で詳しく解説してますので、ぜひ参考にしてみてください。
一次産業関連費用
一次産業、つまり農林水産業に関わる費用は補助対象外経費となります。
補助対象外経費は下記の通り。
- 陸上養殖
- 水耕栽培
- 生け簀
- 自動給餌機
- 観光農園の栽培に掛かる経費
農林水産業の生産に関わる費用は補助対象外となります。
直接農林水産業の事業をやるわけではなくても、農産物の生産に関わる費用は補助対象外となりますので、注意してください。
事業計画に係る費用
事業計画の作成やマーケティング費用、市場規模の調査費用など事業計画書作成に関わる費用は補助対象外です。
フランチャイズ加盟料
フランチャイズの事業は認められているものの、フランチャイズに加盟する為の料金は、補助対象として認められません。
既存事業へ転用可能な
既存事業へ転用することが可能であると認められる機器等を購入する経費は汎用性の観点から補助対象として認められません。
不動産の購入費
不動産の購入費は補助対象外となります。
不動産の購入費においては経済産業省の「事業再構築補助金に関するよくあるお問い合わせ」にて下記のように回答されています。
Q26.不動産も補助対象となるのか。
建設、改修、撤去の費用が対象であり、不動産の購入は補助対象外です。
このように不動産に関しては建設や改修、撤去は補助されるものの、不動産自体の購入は補助対象外であることは認識しておきましょう。
ですので、新規事業をはじめるときは
- 既存の不採算店舗を撤去して、新しく店舗を建設する
- 既存の店舗を改修する
- 中古物件を安値で購入し、改修費に資金を入れる
という手法が有効的であるといえるでしょう。
株式の購入費
株式の購入費も事業再構築補助金による補助の対象とはなりません。
ですので、M&Aや事業承継による株式の購入費は他の補助金を利用する、自己資金を用意する、融資によって賄うなどの方法しかありません。
しかしながら、M&A後の事業の統一や再構築に関しては事業再構築補助金を活用することができます。
M&Aに関する事業再構築補助金の活用法については下記の記事で詳しく解説していますので、こちらもご参照ください。
自社の人件費、旅費
自社で雇用している従業員の人件費及び旅費は対象外となります。
ですので、事業再構築補助金を利用するために大幅に人員を増員するという手法はあまり好ましくありません。
一方で、事業再構築補助金では外部の専門家への報酬支払いや自社の従業員の研修費については補助の対象となります。
事業再構築補助金を活用するという面からでは、自社の従業員を増やすのではなく、
- 既存の従業員に研修を受けてもらい、能力を底上げする
- フリーランスやコンサルタントに委託する
という方法の方が好ましいといえるでしょう
汎用品(パソコン、スマホ、家具など)
汎用品つまり、事業用だけではなく、家庭でも使えるような設備については対象外となります。
代表的な汎用品にはパソコン、タブレット、およびパソコンの周辺機器、スマートフォン、家具などが挙げられます。
事業との関係性や使い分けが明確とならないため、対象外となるということですね。
ただし、パソコン、タブレット、周辺機器に関してはIT導入補助金で補助の対象となります。
これらの機器を導入したいと考えている場合、IT導入補助金も合わせて検討してみることをおすすめします。
販売する商品の原材料費
販売する商品の原材料費も補助の対象とはなりません。
ですので、メーカーの方にとっては苦しいかもしれません。
そこで活用したい補助金がものづくり補助金です。
ものづくり補助金の場合は、試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費が補助の対象となります。
事業再構築補助金で賄えない部分の補助金がでるので、心強いです。
CPAでは事業再構築補助金だけではなく、ものづくり補助金の申請サポートも行っております。
また、どちらか片方だけではなく、両方での申請も承りますので、お気軽にお問い合わせください。
消耗品費
消耗品費も補助の対象外です。
消耗品費とはコピー用紙、マスク、消毒液、アルコール液などが代表例として挙げられます。
光熱水費
光熱水費も補助の対象外となります。
水道料金、電気、ガス料金などのインフラ系の料金となります。
通信費
通信費も補助の対象外となります。
通信費は携帯の通話料金、インターネット通信費、書類の郵送代などが挙げられます。
事業再構築補助金の対象となる経費
反対に、事業再構築補助金の対象となる経費は下記のとおりです。
- 建物費
- 建物撤去費
- 設備費
- システム購入費
- 外注費
- 技術導入費
- 研修費
- 広告宣伝費・販売促進費
- リース費
- クラウドサービス費
- 専門家経費
こちらにつきましては下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
事業再構築補助金の対象外となる経費は多い!事前に確認は必須
今回は事業再構築補助金の補助の対象とならない経費について解説してきました。
事業再構築補助金は数多くの経費が補助の対象となる反面、補助の対象とならない経費も少なくありません。
特に事業とは関係のない用途で使用・利用できる設備については補助の対象外となる傾向にあります。
事前にしっかりとどの経費が対象となるのか把握し、スムーズに申請できるように体制を整えておきましょう。
他にも事業再構築補助金についてまとめております。ご確認ください。
https://mono-support.com/saikouchiku/
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