事業再構築補助金は枠ごとによって、採択率が大きく異なります。
そのため、申請する前に各申請枠の採択率を確認するのは必須といえるでしょう。
そこで今回は事業再構築補助金の採択率の推移について解説していきます。
全体の採択率の推移
事業再構築補助金の全ての枠を含めた、全体の採択率の推移は下記の通りです。
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | |
応募者数 | 22,231 | 20,800 | 20,307 | 19,673 | 21,035 | 15,340 |
採択者数 | 8,016 | 9,336 | 9,021 | 8,810 | 9,707 | 7,669 |
採択率 | 36.0 | 44.8 | 44.4 | 44.7 | 46.1 | 50.0 |
第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 15,132 | 12,591 | 9,369 |
採択者数 | 7,745 | 6,456 | 4,259 |
採択率 | 51.1 | 51.2 | 45.4 |
各採択率は事業再構築補助金 補助金交付候補者の採択結果の中で確認ができます。
全体の採択率は36~51%の数字で推移しています。
採択率が低かった第1回を除くと45%前後で推移しています。
しかしながら、注意していただきたい点として、申請する枠によって採択率が大きく変わってくるという点です。
枠によっては採択率が80%前後で推移しているケースもありますし、常時40%以下の採択率で推移しているケースもあります。
そのため、各枠ごとの採択率を把握し、どの枠で申し込みするのかという点が重要になってきます。
次の章から各申請枠ごとの採択率を確認していきましょう。
各枠ごとの採択率の推移
各申請枠ごとの採択率は概ね下記のとおりです。
具体的な数字について解説していきます。
通常枠の採択率の推移(第10回から成長枠に)
最も申し込みする事業者が多い通常枠の採択率の推移は下記の通りです。
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | |
応募者数 | 16,968 | 14,859 | 15,423 | 15,036 | 16,185 | 11,653 |
採択者数 | 5,163 | 5,388 | 5,713 | 5,700 | 6,441 | 5,297 |
採択率 | 30.0 | 36.2 | 37.0 | 37.9 | 39.8 | 45.5 |
第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 9,292 | 7,261 | 5,178 |
採択者数 | 4,402 | 3,562 | 2,130 |
採択率 | 47.3 | 49.0 | 41.4 |
採択率が最も低い傾向にあり、30%~49%で推移しています。
第2回までは中堅企業と中小企業の採択率が分かれて発表されていましたが、中堅企業の数が少ないためか、第3回公募からは合算されました。
第2回までの傾向によると中堅企業の方が中小企業よりも採択率が低いという結果になっていました。
そのため、中堅企業で申請する方は上記の採択率よりも低めになるという認識を持っておいた方が良いでしょう。
緊急事態宣言枠の採択率の推移(廃止)
緊急事態宣言枠の採択率の推移は下記の通りです。
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | |
応募者数 | 5,167 | 5,884 | 4,351 | 4,217 | 4,509 |
採択者数 | 2,859 | 3,919 | 2,901 | 2,806 | 3,006 |
採択率 | 55.3 | 66.6 | 66.6 | 66.5 | 66.6 |
通常枠よりも採択率はかなり高くなります。
66%前後の採択率で推移しているため、通常枠よりも27%程度採択率が高い傾向にあります。
緊急事態宣言枠は第5回からなくなりました。
一方で、回復・再生応援枠という枠が第6回から追加されました。
回復・再生応援枠の要件はほとんど緊急事態宣言枠と変わらないため、採択率も同じような数字で推移すると考えられます。
回復・再生応援枠の採択率の推移
回復・再生応援枠の採択率の推移は下記の通り。
第6回 | 第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 2,933 | 2,144 | 1,522 | 1,146 |
採択者数 | 1,954 | 1,338 | 879 | 590 |
採択率 | 66.6 | 62.4 | 57.7 | 51.4 |
緊急事態宣言枠とほぼ同様の採択率となりました。
第6回までは採択率が高い傾向にありましたが、徐々に採択率が落ちてきました。
これは事業再構築補助金のターゲットが業況厳しい事業者から成長する事業者に移しているためだと考えられます。
そのため、今後の事業再構築補助金では業況が厳しい事業者は以前ほど採択率の優遇を受けれないかもしれません。
大規模賃金引上枠の採択率の推移
第3回の公募から追加された大規模賃金引上枠の採択率は下記の通りです。
第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | 第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 20 | 20 | 13 | 9 | 11 | 8 | 6 |
採択者数 | 12 | 12 | 8 | 5 | 5 | 4 | 3 |
採択率 | 60.0 | 60.0 | 61.5 | 55.5 | 45.45 | 50.0 | 50.0 |
採択率は45%~60%を超えており、緊急事態宣言枠同様高い採択率を誇ります。
大規模賃金引上枠は従業員101名以上を対象としており、規模の大きい企業を対象とした申請枠です。
通常枠の中堅企業の採択率が低かったように、一般的には規模が大きい企業というのは採択率が低くなる傾向にあります。
しかしながら、大規模賃金引上枠は、高い採択率を誇ります。
第10回公募からは成長枠の上乗せ枠となっており、採択率や補助上限金額があがります。
規模拡大しており、近いタイミングで賃金を引き上げる必要があったという事業者にとっておすすめの類型といえるでしょう。
最低賃金引上枠の採択率の推移
最低賃金引上枠は第3回から追加された新たな枠組みです。
採択率の推移は下記の通り。
第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | 第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 469 | 391 | 306 | 252 | 162 | 165 | 106 |
採択者数 | 375 | 290 | 243 | 216 | 131 | 117 | 68 |
採択率 | 79.9 | 74.1 | 79.4 | 85.7 | 80.8 | 70.9 | 64.1 |
最低賃金引上枠は現時点で、最も採択率が高い申請枠となります。
緊急事態宣言枠よりも高い採択率を誇ります。
最低賃金で雇用している従業員が多い事業者を対象としているため、飲食や小売り、宿泊サービスなどアルバイト・パートを多く雇用している事業者が対象となります。
グリーン成長枠の採択率の推移
第6回公募から追加されたグリーン成長枠の採択率は下記の通り。
第6回 | 第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 493 | 543 | 434 | 372 |
採択者数 | 197 | 217 | 173 | 148 |
採択率 | 40.0 | 39.9 | 39.8 | 39.7 |
採択率は40%前後を推移していますが、第9回は全体的な採択率が下がっているにもかかわらず、採択率を維持しています。
ですので、優先度があがっているとみて間違いありません。
第10回公募からは通常枠が成長枠と名前が変更になっているとおり、成長に向けてチャレンジする事業者を応援する傾向にあります。
そのため、グリーン成長枠は第10回公募以降狙い目の枠になる可能性が高いでしょう。
緊急対策枠(原油価格・物価高騰等緊急対策枠)の採択率推移
第7回公募から追加された緊急対策枠の採択率は下記の通り。
第7回 | 第8回 | 第9回 | |
応募者数 | 2,980 | 3,201 | 2,561 |
採択者数 | 1,652 | 1,721 | 1,320 |
採択率 | 55.4 | 53.7 | 51.5 |
第10回公募からは成長枠(旧通常枠)で市場拡大要件が設定されたため、事業に制限なくできる緊急対策枠というのは重要性を増してきます。
まとめ
今回は事業再構築補助金の採択率の推移について解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 事業再構築補助金は申請する枠によって、採択率が大きく異なる
- 通常枠は採択率が低い傾向に
- 回復再生応援枠や最低賃金枠といった業績が厳しい事業者に対する支援は控えめになる可能性がある
- 今後は成長枠やグリーン成長枠、大規模賃金引上枠といった積極的な投資をする事業者に対する支援を優先する可能性が高い
事業再構築補助金の申請を検討しているという方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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