第10回公募から、事業再構築補助金の事業計画の申請書類に一つの重要な変更がありました。それは、事業計画の表紙が追加されたということです。
なんとなくで書いてしまう方も少なくありませんが、実はこの表紙が事業計画書の中で最も重要視されるといっても過言ではありません。
そこで今回は事業再構築補助金の事業計画の表紙の重要性について解説していきます。
事業再構築補助金の事業計画書に表紙が追加!
事業再構築補助金の事業計画書ではこれまでフリーフォーマットで記載していましたが、事業再構築指針で定める事業再構築の定義に合致する事業であることの確認を円滑に行うために、表紙に必ず記載いただく事項が定められました。
具体的には、事業計画書のタイトル、事業者名、事業計画名、申請枠、事業再構築の累計などがあります。
これにより、読み手がすぐにその事業計画書の内容を把握しやすくなります。
内容は下記の通り。
【事業計画書の表紙に記載いただく事項について】
事業計画書について、これまで完全にフリーフォーマットで記載いただいておりましたが、事業再構築指針で定める「事業再構築」の定義に合致する事業であることの確認を円滑に行うため、 表紙に必ず記載いただく事項を定めました。
詳細は、以下の参考様式及び公募要領をご確認ください。
「事業計画書表紙(参考様式)」
事業計画書表紙の内容は下記の通りです。
第10回公募では事業計画の表紙が最重要
ですので、十分に文言に注意して記載していく必要があります。
事業計画書の表紙が重要視される理由は審査するかしないかを表紙で判断するようになったためです。
10.事業計画作成における注意事項
※1ページ目で、製品・サービスに事業者にとっての新規性があること、及び新製品・新サービスを通して既存事業と異なる市場に進出することについて説明してください。1ページ目で「事業再構築」の定義に合致するか(前提要件を満たすか)審査を行い、合致しないと判断された場合には不採択となります。2ページ目以降で表1に記載の審査基準に基づき事業内容を評価し、評価が高い案件を採択します。
(事業再構築補助金の第10回公募要領 P42)
そのため、表紙はまずしっかりと事業再構築の定義に当てはまるということを説明しなければなりません。
次の章で表紙の書き方についてポイントを解説していきます。
事業計画書の表紙のポイント
事業計画書の表紙では「事業再構築指針の手引き(3.0版)」に基づき、記述していくことが必要となります。
既存事業と新事業などについて、これまでのものとこれからのものが、それぞれ何が異なるかを具体的に記載する必要があります。
ポイントについて解説していきます。
新規性
表紙の中で製品・サービスの新規性を明確に述べることが必要です。
事業再構築補助金における新規性とは下記の通り。
- 製品等(製品・商品等)の新規性要件(①過去に製造等した実績がないこと、②定量的に性能又は効能が異なること)
- 市場の新規性要件(既存事業と新規事業の顧客層が異なること)
- 導入設備の先進性要件(事業による製品の製造方法が先進性を有するものであること)
「新市場進出」「事業転換」「業種転換」といった主な類型を選択する際は「製品等(製品・商品等)の新規性要件」及び「市場の新規性要件」を満たす必要があります。
「国内回帰」の場合は「導入設備の先進性要件」を満たす必要があります。
異なる市場への進出戦略
新製品・新サービスによる既存事業と異なる市場への進出戦略を具体的に示すことも重要です。
市場の特性、競争状況、顧客の需要などを踏まえた具体的な戦略が求められます
「事業再構築」の定義への適合性の確認
最も重要なのが、自社の事業計画が「事業再構築」の定義に合致していることを確認し、そのことを明確に示すことです。
前提要件を満たすことが採択への最初の一歩となるため、自社の事業計画がこの定義に合致する理由を具体的に説明しなければなりません。
しかしながら、事業再構築要件の定義は非常に難しいです。
適合性を判断するのは簡単ではないため、不安な方は公認会計士や税理士などの専門家に確認してみることをおすすめします。
まとめ
今回は、事業再構築補助金第10回公募における事業計画表紙の重要性とその作成のポイントについて解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 第10回公募から新たに必須とされる表紙が追加
- 表紙の内容によって、審査に落とされることも
- 事業再構築の手引きに沿った表紙の作成が必要に