事業再構築補助金の第8回の公募結果が発表となりました。
今回は第8回の公募結果から分かる採択の方向性と第9回の申請に向けてのポイントについて解説していきます。
第9回での申請を考えている方は第8回の公募結果を見ることで、採択されるポイントを分かることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
事業再構築補助金の第8回の申込件数、採択率
2023年4月に第8回事業再構築補助金の公募結果が発表されました。
(第8回公募結果の概要について 事業再構築補助金HP)
事業再構築補助金の第8回の採択結果は申込件数が12,591件、採択件数6,456件、採択率が51%と過去最も採択率が高かったです。
過去の採択率と比較すると下記の通りとなります。
回数 | 申込件数 | 採択率 |
第1回 | 22,231 | 36% |
第2回 | 20,800 | 44% |
第3回 | 20,307 | 44% |
第4回 | 19,673 | 45% |
第5回 | 21,035 | 46% |
第6回 | 15,340 | 49% |
第7回 | 15,132 | 51% |
第8回 | 12,591 | 51% |
対象者が少なくなってきたたためか、応募件数は過去最少でした。
しかしながら、採択率は前回同様高水準でした。
採択率が高かった理由は事業環境の厳しさがより増していること・予算が余っていることが大きな要因かと思われます。
当初3回公募の予定だったため、第8回公募で終了する予定でした。
しかしながら、公募回数を追加して、第9回公募を実施したということは予算が余っていた可能性が高いです。
また、厳しい市場環境も後押しした可能性が高いです。
ウクライナ情勢の悪化を受けて、急激に進む円安やインフレ、原材料費の高騰等近年の経済情勢は非常に悪化しています。
こういった情勢も受けて、基準を低めに設定し、中小企業への支援を進めていこうと考えた可能性が高いと思われます。
枠ごとの応募件数と採択件数
枠ごとの応募件数と採択件数は下記の通りでした。
【第6回公募】
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 合計 | |
応募 件数 | 11,653 | 9 | 2,933 | 252 | 493 | 15,340 |
採択 件数 | 5,297 | 5 | 1,954 | 216 | 197 | 7,669 |
【第7回公募】
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 緊急対策枠 | 合計 | |
応募 件数 | 9,292 | 11 | 2,144 | 162 | 543 | 2,980 | 15,132 |
採択 件数 | 4,402 | 5 | 1,338 | 131 | 217 | 1,652 | 7,745 |
【第8回公募】
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 緊急対策枠 | 合計 | |
応募 件数 | 7,261 | 8 | 1,522 | 165 | 434 | 3,201 | 12,591 |
採択 件数 | 3,562 | 4 | 879 | 117 | 173 | 1,721 | 6,456 |
通常枠は徐々に採択率が上がっています。第6回公募は45%だったのに対して、第9回公募は49%まで上昇しました。
事業再構築補助金は今までの公募ではコロナの影響が強く厳しい業況にある企業を対象にしていました。
しかしながら、第10回公募要領からもみて分かる通り、昨今の公募ではコロナ禍でも力強く成長している企業にターゲットを移している傾向にあります。
こういった傾向から通常枠の採択率が徐々に上がっているものかと思われます。
最低賃金枠は約70%の採択率でした。
第7回公募が約80%の採択率となっていたため、10%ほど低下しました。
とはいえ、依然として高い採択率であることを考慮すると今後も狙い目の類型となるでしょう。
回復・再生応援枠の採択率は64%です。
緊急事態宣言枠の代わりとなった回復・再生応援枠ですが、予想通り緊急事態宣言枠と同等の高い採択率となりました。
緊急対策枠の採択率は57%でした。
回復・再生応援枠よりも要件が甘く、また補助額が高いため、回復・再生応援枠よりも採択率は低くなりました。
しかしながら、通常枠よりも高い採択率となっており、使いやすい類型です。
通常枠ほど補助額を必要としないという事業者は緊急対策枠を検討してみてください。
グリーン成長枠の採択率は40%と前回同様低くなりました。
グリーン成長枠は過去に採択された事業者でも申請できるので、採択率は低めの傾向になります。
グリーン成長枠は他の枠よりも書類の作成が難しく、また公募要領自体も具体性に欠けることから、苦戦した事業者が多かったのではないでしょうか。
第10回公募以降では難易度を下げたエントリー枠が新たに追加されます。
なかなか採択されないという事業者は来年度の公募も検討してみることをおすすめします。
まとめ
今回は第8回の事業再構築補助金の採択結果について解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 応募件数は第7回公募よりも低下、採択率は前回同様過去最高に
- 通常枠の採択率が上昇傾向に
- 最低賃金枠の採択率が高く、第10回公募以降でも狙い目
- 緊急対策枠は採択率57%。特別枠の中では補助額も高くおすすめ
- グリーン成長枠の採択率は低め。質の高い事業計画が求められる
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事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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