事業再構築補助金のグリーン成長枠の補助対象となる事業の一つとして物流・人流・土木インフラ産業があります。
物流・人流・土木インフラ産業のグリーン成長枠に申請したいと考えているものの、どういった事業で申請すれば良いか分からないと思われている方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は事業再構築補助金のグリーン成長枠の物流・人流・土木インフラ産業ではどういった事業が補助対象となるのかを検証していきます。
物流・人流・土木インフラ産業はグリーン成長枠の補助対象
物流・人流・土木インフラ産業はグリーン成長枠の補助対象となります。
下記の14分野の8番目に物流・人流・土木インフラ産業が記載されています。
とはいえ、物流・人流・土木インフラ産業については「グリーン成長枠 想定事例集」にも記載されておらず、どのような事業が補助の対象となるのか判断しにくい状況です。
そこで次の章ではどのような事業が補助対象となるのかを検証していきます。
物流・人流・土木インフラ産業の補助対象事業
物流・人流・土木インフラ産業事業について、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」【本体資料】 経済産業省の中に現状と課題が明記されています。
この資料の課題を解決させる事業がグリーン成長枠の補助対象となるという認識で問題ないでしょう。
物流・人流・土木インフラ産業の課題については主に下記の3つがあります。
- カーボンニュートラルポートの形成
- スマート交通の導入、自転車移動の導入促進
- グリーン物流の推進、交通ネットワーク・拠点・輸送の効率化・低炭素化の推進
- インフラ・都市空間等でのゼロエミッション化
- 建設施工におけるカーボンニュートラルの実現
内容について、具体的に解説していきます。
カーボンニュートラルポートの形成
カーボンニュートラルポートとは港の二酸化炭素の排出をゼロにする取り組みのことをいいます。
水素やアンモニアの活用、輸送用トラックなどの脱炭素化などにより港で排出する二酸化炭素の排出をゼロにしようという取り組みです。
カーボンニュートラルポートにおける主な課題は下記の通り
我が国の輸出入の 99.6%を取り扱う物流拠点であり、かつ我が国の CO2排出量の約6割を占める産業の多くが立地する産業拠点である港湾において、水素・燃料アンモニア等の大量かつ安定・安価な輸入や貯蔵・配送等を図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や臨海部産業の集積等を通じて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラルポート(CNP)」を形成し、2050 年までの港湾におけるカーボンニュートラル実現を目指す。
となっており、これらの課題を解決させるビジネスモデルが補助の対象になると考えられます。
具体的には
- 水素・燃料アンモニア等の需要・供給事業者のマッチングの支援
- 水素・燃料アンモニア等の利活用
- 水素・アンモニア・LNG 等燃料船舶への燃料供給体制の整備
- クリーンエネルギーを活用した電力のインフラ整備
- 非常時にも活用可能な自立型水素等電源の製造
などが主な補助対象となるでしょう。
スマート交通の導入、自転車移動の導入促進
スマート交通の導入、自転車移動の導入促進に関する現状と課題は下記の通り。
自動車の CO2排出量は日本全体の 15.9%を占めているため、日常生活における車の使い方を始めとした国民の行動変容を促し、公共交通の利用促進による自動車交通量の減少等を通じて、環境負荷の低減を図る。具体的には、地域課題の解決に資する MaaS の提供や自動車の電動化を推進するとともに、自動化に対応した持続可能な移動サービスを、道路、都市インフラと連携し社会実装していくことなどにより、地域における公共交通の確保・維持や、利便性向上を図ることが重要である。
また、自転車活用推進計画や自転車ネットワーク計画に基づき、自転車利用環境の整備と活用促進のために自転車通行空間の整備を進めているが、その整備延長は 2019 年度末時点で約 2,930㎞であり、更なる整備が求められている。
ですので、下記のビジネスが補助の対象となると考えられます。
- MaaS(Mobility as a Service)サービスの提供
- 公共交通機関の利用促進サービス
- CO2排出の少ない輸送システムの構築
- 通勤目的の高性能の自転車の製造
グリーン物流の推進、交通ネットワーク・拠点・輸送の効率化・低炭素化の推進
物流分野においては、我が国全体の CO2排出量の約7%をトラック(営業用・自家用計)が占めており、物流分野における CO2排出量の削減は極めて重要である。また、生産年齢人口の減少や厳しい労働環境等を背景としたドライバー不足が社会問題化しており、カーボンニュートラルの観点だけでなく、物流需要に対する輸送能力の向上の観点からも、CO2排出原単位の小さい輸送手段への転換や輸送の効率化の推進が課題となっている。また、物流需要は企業における生産・消費等の活動に伴って発生するため、CO2排出量の削減のためには、物流事業者のみの取組では限界があり、荷主事業者との連携も重要となる。
そのため、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」では、一定の燃料使用量、輸送量を超える輸送事業者及び荷主については、エネルギー使用量やエネルギー使用原単位の報告等の取組を求めているが、事業者が行う省エネ取組が適切に評価される仕組みへの移行が課題である。また、エネルギー使用原単位の改善が鈍化傾向にある。
下記のビジネスが対象となると考えられます。
- 生産から消費までの柔軟なサプライチェーンの構築
- 輸送ルートを効率化させるITサービス
- 輸送トラックの電気自動車化
- クリーンエネルギー燃料の開発
- 省エネの冷凍冷蔵倉庫の開発
- ビッグデータ等を活用した渋滞対策
- ドローンを活用した物流の構築
- 総合水素ステーションの設置
物流に関する様々なITサービスの提供や、脱炭素化させた輸送機器や燃料の開発などが主要なテーマです。
インフラ・都市空間等でのゼロエミッション化
インフラ・都市空間等でのゼロエミッション化とは道路照明や下水道、水力発電などにおいて、二酸化炭素の排出をゼロにした持続可能なまちづくりを目指していくというものです。
下記のビジネスが対象となると考えられます。
- 道路照明灯の LED 製造
- EV用給電ステーションの設置
- 効率的な水力発電
- 都市空間の緑化に関わる事業
建設施工におけるカーボンニュートラルの実現
建設施工におけるカーボンニュートラルの実現における現状と課題は下記の通り。
建設施工における CO2排出量は、産業部門の CO2排出量の 1.4%(約 571 万 t-CO2)を占めている。ICT 活用により建設現場の生産性が向上すれば、作業時間の短縮により CO2排出量の削減に寄与でき、また、将来的には電気、水素、バイオマス等の革新的建設機械の開発・導入が図られれば、一層の CO2排出量削減が期待できる。
ICT 施工を導入し、建設現場の作業効率が向上することで CO2排出を削減してきた。現状、直轄の建設現場における ICT 施工(土工)の実施率は約8割に達しているが、地方自治体における実施率は約3割にとどまっており、今後、地方自治体の工事における ICT 施工の更なる普及が必要となる。また、建設機械としては、ディーゼルエンジンを基本として、その燃費向上を目指し、燃費基準の策定、機器認定を行い、融資等で導入を促進してきたところである。国際的にも、建設施工における更なる CO2削減の取組がなされており、我が国においても革新的な技術の導入促進が必要である。
下記のビジネスが対象となると考えられます。
- 建設現場でのICT活用
- 建設業に対してのICTコンサル
- 燃費性能の優れた建設機械の導入によるコスト削減
まとめ
今回はグリーン成長枠の物流・人流・土木インフラ産業でのグリーン成長枠の対象となる事業について解説してきました。
この他にも様々な事業が対象となると考えられます。
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」【本体資料】 経済産業省から課題を見つけ出し、解決させるようなビジネスを探していきましょう。
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