事業再構築補助金の第7回の公募結果が発表となりました。
今回は第7回の公募結果から分かる採択の方向性と第8回の申請に向けてのポイントについて解説していきます。
第8回での申請を考えている方は第7回の公募結果を見ることで、採択されるポイントを分かることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
事業再構築補助金の第7回の申込件数、採択率
2022年9月15日に第7回事業再構築補助金の公募結果が発表されました。
(第7回公募結果の概要について 事業再構築補助金HP)
事業再構築補助金の第7回の採択結果は申込件数が15,132件、採択件数7,745件、採択率が51%と過去最も採択率が高かったです。
過去の採択率と比較すると下記の通りとなります。
回数 | 申込件数 | 採択率 |
第1回 | 22,231 | 36% |
第2回 | 20,800 | 44% |
第3回 | 20,307 | 44% |
第4回 | 19,673 | 45% |
第5回 | 21,035 | 46% |
第6回 | 15,340 | 49% |
第7回 | 15,132 | 51% |
公募回数が増すごとに高くなっているのが分かります。
採択率が高かった理由は事業環境の厳しさがより増していること・予算が余っていることが大きな要因かと思われます。
今年度の事業再構築補助金の予算は6,000億円確保されていますが、採択件数は第6回公募と第7回公募合わせて15,414件しかありませんでした。
2,000万円までの金額で応募された案件が全体の8割超を占めることを考慮すると予算を消化できていない可能性が高いです。
予算消化をするために、採択率を高めていったといったところでしょう。
また、厳しい市場環境も後押しした可能性が高いです。
ウクライナ情勢の悪化を受けて、急激に進む円安やインフレ、原材料費の高騰等、2022年に入ってから、経済情勢が非常に悪化してきました。
こういった情勢も受けて、基準を低めに設定し、中小企業への支援を進めていこうと考えた可能性が高いと思われます。
予算消化ができていないためか、今年度は3回の公募予定だったのに対して、第9回を今年度実施し、計4回公募することが公表されました。
既存予算内で第9回公募まで実施するアナウンスが中小企業庁の公式サイトにてありました。
詳細については下記の通り。
第7回の応募件数が少なかったこと、厳しい市場環境が続いていることを踏まえると第8回、第9回の公募も審査が甘めになる可能性が高いです。
過去に不採択だった方も採択される可能性が上がると考えられますので、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。
枠ごとの応募件数と採択件数
枠ごとの応募件数と採択件数は下記の通りでした。
【第6回公募】
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 合計 | |
応募 件数 | 11,653 | 9 | 2,933 | 252 | 493 | 15,340 |
採択 件数 | 5,297 | 5 | 1,954 | 216 | 197 | 7,669 |
【第7回公募】
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 緊急対策枠 | 合計 | |
応募 件数 | 9,292 | 11 | 2,144 | 162 | 543 | 2,980 | 15,132 |
採択 件数 | 4,402 | 5 | 1,338 | 131 | 217 | 1,652 | 7,745 |
特に採択率が高かったのが最低賃金枠です。
約80%の採択率となっており、ほとんどの事業者が採択されています。
第7回も高い採択率であることから、狙い目の類型となるでしょう。
「成長と分配」という政策を打ち出している岸田首相の色が強く出ていると言えるでしょう。
回復・再生応援枠の採択率は64%です。
緊急事態宣言枠の代わりとなった回復・再生応援枠ですが、予想通り緊急事態宣言枠と同等の高い採択率となりました。
緊急対策枠の採択率は55.4%でした。
回復・再生応援枠よりも要件が甘く、また補助額が高いため、回復・再生応援枠よりも採択率は低くなりました。
しかしながら、通常枠よりも高い採択率となっており、使いやすい類型です。
通常枠ほど補助額を必要としないという事業者は緊急対策枠を検討してみてください。
通常枠の採択率は47.3%でした。
第6回の通常枠の採択率が45%だったため、引き続き高い採択率となりました。
しかしながら、今回のように高い採択率となるのと、通常枠の申請でも十分に期待ができます。
通常枠は特別枠よりも補助額が高い傾向にあるので、第7回からは積極的に狙ってみても良いかもしれません。
グリーン成長枠の採択率は40%と前回同様低くなりました。
グリーン成長枠は過去に採択された事業者でも申請できるので、採択率は低めの傾向になります。
グリーン成長枠は他の枠よりも書類の作成が難しく、また公募要領自体も具体性に欠けることから、苦戦した事業者が多かったのではないでしょうか。
来年度の公募では難易度を下げたエントリー枠が新たに追加されます。
なかなか採択されないという事業者は来年度の公募も検討してみることをおすすめします。
まとめ
今回は第7回の事業再構築補助金の採択結果について解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 応募件数は第6回公募とほぼ同様、採択率は過去最高に
- 最低賃金枠の採択率が高く、第7回でも狙い目
- 緊急対策枠は採択率55.4%。特別枠の中では補助額も高くおすすめ
- グリーン成長枠の採択率は低め。質の高い事業計画が求められる
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事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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