事業再構築補助金の第7回の公募から緊急対策枠が新たに追加されました。
緊急対策枠が追加されたことで、申請枠の違いが分かりくなってきたと感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は事業再構築補助金の6つの申請類型について解説していきます。
本記事を見ることで、自社がどの申請枠で申し込めば良いか理解することができます。
事業再構築補助金の6つの申請枠
第7回の公募では下記の6つの申請枠があります。
- 通常枠
- 大規模賃金引上枠
- 回復・再生応援枠
- 最低賃金枠
- グリーン成長枠
- 緊急対策枠
各申請枠の特徴を簡単に説明させていただきます。
通常枠
最もベーシックな申請枠が「通常枠」となります。
概要は下記の通り。
項目 | 要件 |
概要 | 新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す中小企業等の新たな挑戦を支援。 |
補助金額 | 【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円 【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円 【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 6,000 万円 【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 8,000 万円 |
補助率 | 中小企業者等 2/3 (6,000 万円超は 1/2(※)) 中堅企業等 1/2 (4,000 万円超は 1/3(※)) |
要件 | ①事業再構築要件 ②売上高等減少要件 ③認定支援機関要件 ④付加価値額要件 |
採択率 | 30%~40% |
全体の応募比率(第5回) | 約77%(16,185件) |
最も応募者数が多い基本的な申請類型となります。
従業員数に応じた補助金額は高めですが、補助率は2/3と他の類型と比較するとやや低めです。
採択率は最も低く、難易度が高い申請類型となります。
大規模賃金引上枠
従業員の賃金を大規模に引き上げることで補助率や補助金額が優遇されるという性質の申請枠です。
項目 | 要件 |
概要 | 多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 【従業員数 101 人以上】8,000 万円超 ~ 1 億円 |
補助率 | 中小企業者等 2/3(6,000 万円超は 1/2) 中堅企業等 1/2(4,000 万円超は 1/3) |
要件 | ①事業再構築要件 ②売上高等減少要件 ③認定支援機関要件 ④付加価値額要件 ⑤賃金引上要件 ⑥従業員増員要件 |
採択率 | 50~60% |
全体の応募比率(第5回) | 0.06%(13件) |
通常枠の要件に加えて、最低賃金を45円以上引き上げることと、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は1.0%)引き上げることを要件としています。
補助金額の上限は最大1億円となるものの、補助率は通常枠と変わりません。
採択率は通常枠と比較して高くなるものの、大きな差はありません。
無理に狙う必要性は薄いかと思われます。
大規模賃金引上枠については下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

回復・再生応援枠
前回の緊急事態宣言枠とほぼ同様な内容なのが「回復・再生応援枠」です。
項目 | 要件 |
概要 | 新型コロナウイルスの影響を受け、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円 |
補助率 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
要件 | ①事業再構築要件 ②売上高等減少要件 ③回復・再生要件 ④認定支援機関要件 ⑤付加価値額要件 |
採択率 | 不明(緊急事態宣言枠は55~66%前後) |
全体の応募比率(第5回) | 不明(緊急事態宣言枠は21%) |
回復・再生応援枠については第6回から新設された枠組みです。
細かい要件の違いはありますが、根本的には緊急事態宣言枠とほぼ変わりません。
応募比率や採択率は緊急事態宣言枠とほぼ同じになると予想されます。
補助金額が小さい一方で、補助率や採択率が高い傾向にあります。
補助金申請額が小さい事業者の方は、回復・再生応援枠で申請することをおすすめします。
回復・再生応援枠については下記の記事でも解説しています。

最低賃金枠
最低賃金引き上げの影響を受ける事業者を支援する枠組みです。
項目 | 要件 |
概要 | 最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円 |
補助率 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
要件 | ①事業再構築要件 ②売上高等減少要件 ③最賃売上高等減少要件 ④最低賃金要件 ⑤認定支援機関要件 ⑥付加価値額要件 |
採択率 | 74%~81% |
全体の応募比率(第5回) | 1.5%(306件) |
小売業や飲食業といった最低賃金で払く従業員が多い事業者を対象とした枠組みです。
採択率が最も高い申請枠となっているため、確実に採択を狙う事業者の方は積極的に申請することをおすすめします。
ただし、補助金額は最大1500万円と低めに設定されていますので、大規模な事業再構築を狙う事業者にとっては不向きと言えるでしょう
最低賃金枠については下記の記事でも解説しています。

グリーン成長枠
脱炭素関連事業に取り組む事業者に対して支援する枠組みがグリーン成長枠です。
第6回の公募から新設されました。
項目 | 要件 |
概要 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 中小企業等 100 万円 ~ 1 億円 中堅企業等 100 万円 ~ 1.5 億円 |
補助率 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
要件 | ①事業再構築要件 ②認定支援機関要件 ③付加価値額要件 ④グリーン成長要件 (※売上高減少要件なし) 【過去に採択されている場合】 ⑤別事業要件 ⑥能力評価要件 |
採択率 | 不明 |
全体の応募比率(第5回) | 不明 |
過去に採択されていても、再度申請できる点と売上高減少要件が求められていないという点が特徴です。
補助金額は従業員数問わず、中小企業で最大1億円、中堅企業で最大1.5億円となっています。
ただし、補助率は通常枠よりも低くなっています。
グリーン成長枠については下記の記事でも解説しています。


原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)
第7回から新設された申請枠が原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)です。
ウクライナ情勢の悪化の影響を受けた事業者に対して支援する枠組みです。
項目 | 要件 |
概要 | 原油価格・物価高騰等の、予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 2,000 万円 【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 3,000 万円 【従業員 51 人~】 100 万円 ~ 4,000 万円 |
補助率 | 中小企業者等 3/4(※1) 中堅企業等 2/3(※2) (※1)従業員数 5 人以下の場合 500 万円を超える部分、従業員数 6~20 人の場合 1,000 万円を超える部分、従業員数 21 人以上の場合 1,500 万円を超える部分は2/3) (※2)従業員数 5 人以下の場合 500 万円を超える部分、従業員数 6~20 人の場合 1,000 万円を超える部分、従業員数 21 人以上の場合 1,500 万円を超える部分は1/2) |
要件 | ①事業再構築要件 ②緊急対策要件 ③認定支援機関要件 ④付加価値額要件 |
採択率 | 不明 |
全体の応募比率(第5回) | 不明 |
売上高減少要件の代わりに、緊急対策要件が設定されています。
緊急性の高い枠組みであることから、採択率はかなり高めに設定されることが予想されます。(60~70%前後?)
補助金額も回復・再生応援枠や最低賃金枠よりも高めで、要件もそこまで厳しくはありません。
最もおすすめできる枠組みなので、要件に当てはまる事業者は積極的に申し込みすることをおすすめします。
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https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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