事業再構築補助金の第6回公募で注目されているグリーン成長枠。
補助額が最大1.5億円と高額の上、過去事業再構築補助金に採択された事業者でも再申請可能となっています。
体力がある事業者はぜひチャレンジしておきたい枠ですよね。
そこで今回はグリーン成長枠の要件となっているグリーン分野重点14分野の想定事例について解説していきます。
グリーン成長枠に取り組もうと考えている事業者の方は本記事を参考に、ビジネスモデルを構築してみてください。
グリーン成長枠の要件であるグリーン分野「重点14分野」とは
グリーン成長枠には下記の通りグリーン成長要件が設定されています。
④グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】
公募要領を見たときに、グリーン成長戦略とは何?と疑問に思われた方も少ないかと思います。
グリーン成長戦略とは産業政策・エネルギー政策の両面から、成長が期待される14の産業に対して、成長を後押しする政府の戦略のことをいいます。
14分野については下記の資料にて説明されています。
具体的にどのようなビジネスモデルがグリーン成長枠の対象となるのかが事業再構築補助金「グリーン成長枠」想定事例集の中で解説されています。
今回は各14分野について具体的に見ていきましょう。
洋上風力(太陽光・地熱産業)
自然エネルギー全般の産業のことをいいます。
今回の資料では洋上風力となっていますが、太陽光・地熱関連でも問題ありません。
サプライチェーンの形成を重要視していることから、関連部品の製造や開発・研究、地域の企業との連携体による申請が主な補助対象になると考えられます。
水素(燃料アンモニア)
モビリティにおける活用だけではなく、幅広い活用を求めています。
モビリティにおいてはトヨタ自動車が水素自動車を開発しているとのことで有名ですが、普及するにはハードルが高いともいわれています。
単純に取り組むだけではなく、しっかりと採算性が取れるのかという点も重要視しなければなりません。
自動車(蓄電池・インフラ・SC/VC産業)
自動車はほぼ電気自動車限定のように見受けられます。
水素自動車も脱炭素という観点では有力かと思われますが、インフラが電気自動車よりも難しい点や世界的に普及していないことを考えると少し難しいかもしれません。
資料にも水素自動車には言及していないことから、基本的には電気自動車に限定されていると考え良いかと思います。
蓄電池や燃料電池などの部品製造や電動自転車における研究・開発、インフラ整備などが補助対象となりそうです。
蓄電池は日本にとって、大きな課題の一つです。
電気自動車に必須の技術であり、今後有力なビジネスである一方で、中国や韓国の企業に大きく水をあけられているためです。
下記はEV搭載バッテリーの2021年1月~8月の世界シェアです。
シェアの大部分を中国と韓国の企業がしめており、国内唯一の企業であるパナソニックも大きくシェアを落とした3位に甘んじています。
今後パナソニックを含めた国内企業の奮闘に期待がかかっているところです。
バッテリーやバッテリー部材の製造、人材育成、研究・開発などが補助対象となると考えられます。
情報通信業(半導体)
情報通信業は直接的には脱炭素とかかわりはありません。
デジタル化を活用して、生産効率を向上させ、時間や設備の無駄をなくしていこうという取り組みです。
デジタル化支援事業や社内人材育成など比較的容易に取り組めるテーマでも補助対象となる旨説明されています。
グリーン分野に取り組める事業がない場合、情報通信業を狙ってみても良いかと思います。
船舶産業
船舶産業も事情は自動車産業と通ずるところがあります。
エンジンに使うガソリンが温室効果ガスを排出するとされており、環境にやさしいといわれているガス燃料への転換が求められています。
そのため、新しいエンジンを作り出す産業に対して補助がでるということになるかと思われます。
物流については効率的に配送し、CO2の無駄な排出を避けるという取り組みが推進されています。
効率化した配送受託業務・人材育成の他、EV車両の普及、EVインフラ、DX化が主な補助対象事業になると考えられます。
カーボンリサイクル(マテリアル産業)
カーボンリサイクルとは経済産業省が推進するCO₂(二酸化炭素)を炭素資源と捉えて再利用することをいいます。
日本は他国と比較しても、高い技術力があるため、カーボンリサイクルという分野では一定の優位性があります。
高い技術力を活用し、国内はもちろんのこと、世界シェアを取りに行くという積極的な取り組みをしてみても良いかもしれません。
住宅・建設物産業
住宅・建設産業でもグリーン分野は対象となります。
省エネ住宅の普及を目的とした建設がグリーン成長枠の対象となりそうです。
特にZEH(省エネと再生エネルギーにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅)に関連した事業は加点が高そうです。
資源循環関連産業についてもグリーン分野の対象となります。
一般的な3Rと呼ばれるようなリデュース・リユース・リサイクルといったものに加えて、廃棄物発電・熱利用・バイオガスなどの取り組みのことをいいます。
資源循環関連原料の製造や研究開発などが主な補助対象になると考えられます。
まとめ
今回は事業再構築補助金のグリーン分野「重点14分野」の想定事例について解説してきました。
単純な脱炭素化はもちろんのこと、デジタルを用いた効率化、省エネ住宅、グリーン分野への研修など幅広い範囲での事業が認められています。
グリーン成長枠は最大1.5億円の補助であり、採択後の再申請も可能となっているため、活用しない手はありません。
グリーン成長枠を活用できないか、本記事を参考に検証してみてください。
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事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
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