事業再構築補助金における卸売業での採択事例とポイントの解説

卸売業を営んでおり、事業再構築補助金で新たな取り組みをしようと考えている方もいらっしゃいますよね。
全体としてはコロナの影響が小さいものの、個々の業種では大ダメージを受けたというケースは少なくありません。
事業再構築補助金を活用して、業績を回復させていきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は事業再構築補助金における卸売業での採択事例とポイントを解説していきます。

事業再構築補助金における卸売業での採択事例

卸売業での代表的な採択事例は下記の通り。

BtoCへ小売業への転換
製造業への事業転換
飲食店への転換

具体的に解説していきます。

BtoCへ小売業への転換

企業へ販売するのではなく、個人へ販売する小売業へ事業再構築するという採択事例が多い傾向にありました。
特にEC販売による事業転換が多い傾向です。
商品を変えず販売できるため、大きな事業の転換は必要ないことが大きなメリットと言えるでしょう。
代表的な採択事例は下記の通り。

事業計画名	飲食店への海産物の卸売業から個人客への小売業に新分野展開
事業計画概要	飲食店経営の経験を活かして飲食店に海産物を卸してきたが、休業・時短要請等により飲食店の仕入れが激減した事から、冷蔵室や冷蔵車の設備を導入し、個人のお客様に向けた海産物の販売事業を始め、卸売業から小売業への新分野展開を図る。

事業計画名	「北海道産の超新鮮ジンギスカン」を全国のご家庭に　肉卸業がＥＣ販売で新規顧客拡大に挑戦
事業計画概要	コロナ感染症の影響で卸売先の飲食店売上が激減。月別最大６９％の売上が減少しました。そこで新事業では「北海道産の超新鮮ジンギスカン」を全国のご家庭に向けてＥＣ販売。コロナ禍で挑戦した際に課題となった鮮度維持の問題を急速冷凍技術で解決し、新規顧客拡大を目指します。

製造業への事業転換

卸売業から製造業へ業態転換するという採択事例も多数ありました。
同じ商品を取り扱った事業再構築となるため、大きな違和感なく取り組める可能性が高いです。
製造業は事業再構築補助金においては採択されやすい傾向にあり、また建設費の補助もでるため、有力な選択肢と言えるでしょう。
代表的な採択事例は下記の通り。

事業計画名	那須塩原ブランド牛「那須野ケ原牛」を使った食品製造業への展開
事業計画概要	食肉卸売業から那須塩原ブランド和牛である「那須野ヶ原牛」を使ったローストビーフ丼などの自社製品を製造する業態転換を行う。那須塩原ブランドを前面に打ち出し、地域と連携しがら事業再構築を行う。

事業計画名

鋼板卸売事業から建設機械部品製造業への転換

事業計画概要

様々な金属製品の原材料となる鋼板の卸売業を行ってきたが、コロナ禍により自動車、クラブバケットといった最終製品の需要の減退によりその原材料となる鋼板の需要も大幅減少。そこで今後も堅調な需要が期待できる建設業界に対して、建機部品製造業を始め、経営の立て直しと経営基盤の安定化を図る。

飲食店への事業再構築

食品卸売業から飲食店へ事業再構築するという採択事例もありました。
安価で原材料を仕入できる環境があるため、開業自体はしやすいかと思います。
しかしながら、飲食店はコロナの影響に加え、円安や物価上昇の影響で極めて厳しい局面が続いています。
今後の飲食店の開業は慎重になった方が良いかもしれません。
代表的な採択事例は下記の通り。

事業計画名	持ち帰り・出前需要に応える「本場の味、韓国チキン店」への事業再構築
事業計画概要	在宅勤務・リモート授業増で、学校・企業向け売店への卸売需要が激減した中、仕入ネットワーク、韓国チキンノウハウを活かし、テイクアウト＆デリバリー需要に応えるチキン店を開設し事業再構築を実現する。

事業計画名	飲食店経営への知見と経営サポート人脈を活かしたラーメン店の運営
事業計画概要	コロナ禍で苦境にある卸売業に代わる新事業の柱として、飲食店経営への知見と経営サポート人脈を生かしたラーメン店を開業する。サポート人脈からラーメン店ノウハウと優良物件の提供を受け、独自性の高い店を営む。