第10回公募から新たに事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化枠が新設されました。
国内に生産回帰する企業に対しての補助枠で、補助上限金額が5億円と大規模な補助金枠となっています。
しかしながら、業種・業態が限定されているため、事前に自社が対象業種・業態であるかは確認する必要があります。
そこで今回は事業再構築補助金のサプライチェーンの対象業種・業態について解説していきます。
事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化枠とは
事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化枠とは海外に製造拠点を置く製造業が国内に移転する取り組みに対して、支援する類型となっています。
詳細は下記の通り。
歴史的な円安水準や中国などのカントリーリスクの高まりを受けて、国内で拠点を移すことを推進するという枠組みです。
補助上限金額は最大5億円、補助率は中小企業が1/2、中堅企業が1/3となっています。
グリーン成長枠が最大1.5億円であることを考慮すると、非常に大きい枠組みであることが分かります。
サプライチェーン強靭化枠には様々な要件があります。
その中でもポイントとなるのが「取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること」となります。
製造業であれば、何の業種でも良いわけではなく、限られた業種・業態でしかサプライチェーン強靭化枠を利用することはできません。
次の章で、サプライチェーン強靭化枠が利用できる業種・業態について解説していきます。
サプライチェーン強靭化枠が利用できる業種・業態
令和5年3月28日時点でサプライチェーン強靭化枠が利用できる業種・業態は下記の通り。
91 畜産食料品製造業 |
94 調味料製造業 |
97 パン・菓子製造業 |
98 動植物油脂製造業 |
99 その他の食料品製造業 |
104 製氷業 |
115 綱・網・レース・繊維粗製品製造業 |
119 その他の繊維製品製造業 |
122 造作材・合板・建築用組立材料製造業 |
131 家具製造業 |
139 その他の家具・装備品製造業 |
145 紙製容器製造業 |
149 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業 |
159 印刷関連サービス業 |
162 無機化学工業製品製造業 |
164 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 |
165 医薬品製造業 |
166 化粧品・歯磨・その他の化粧用調整品製造業 |
169 その他の化学工業 |
172 潤滑油・グリース製造業(石油精製業によらないもの) |
181 プラスチック板・棒・管・継手・異形押出製品製造業 |
182 プラスチックフィルム・シート・床材・合成皮革製造業 |
183 工業用プラスチック製品製造業 |
184 発泡・強化プラスチック製品製造業 |
185 プラスチック成形材料製造業(廃プラスチックを含む) |
189 その他のプラスチック製品製造業 |
191 タイヤ・チューブ製造業 |
193 ゴムベルト・ゴムホース・工業用ゴム製品製造業 |
202 工業用革製品製造業(手袋を除く) |
206 かばん製造業 |
209 その他のなめし革製品製造業 |
212 セメント・同製品製造業 |
214 陶磁器・同関連製品製造業 |
215 耐火物製造業 |
216 炭素・黒鉛製品製造業 |
217 研磨材・同製品製造業 |
219 その他の窯業・土石製品製造業 |
229 その他の鉄鋼業 |
231 非鉄金属第1次製錬・精製業 |
232 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) |
233 非鉄金属・同合金圧延業(抽伸、押出しを含む) |
235 非鉄金属素形材製造業 |
242 洋食器・刃物・手道具・金物類製造業 |
243 暖房・調理等装置、配管工事用附属品製造業 |
244 建設用・建築用金属製品製造業(製缶板金業を含む) |
245 金属素形材製品製造業 |
246 金属被覆・彫刻業、熱処理業(ほうろう鉄器を除く) |
247 金属線製品製造業(ねじ類を除く) |
248 ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業 |
249 その他の金属製品製造業 |
251 ボイラ・原動機製造業 |
252 ポンプ・圧縮機器製造業 |
253 一般産業用機械・装置製造業 |
261 農業用機械製造業(農業用器具を除く) |
262 建設機械・鉱山機械製造業 |
263 繊維機械製造業 |
264 生活関連産業用機械製造業 |
265 基礎素材産業用機械製造業 |
266 金属加工機械製造業 |
267 半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置製造業 |
269 その他の生産用機械・同部分品製造業 |
273 計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業 |
274 医療用機械器具・医療用品製造業 |
282 電子部品製造業 |
284 電子回路製造業 |
285 ユニット部品製造業 |
291 発電用・送電用・配電用電気機械器具製造業 |
292 産業用電気機械器具製造業 |
293 民生用電気機械器具製造業 |
294 電球・電気照明器具製造業 |
295 電池製造業 |
297 電気計測器製造業 |
311 自動車・同附属品製造業 |
312 鉄道車両・同部分品製造業 |
314 航空機・同附属品製造業 |
315 産業用運搬車両・同部分品・附属品製造業 |
319 その他の輸送用機械器具製造業 |
326 ペン・鉛筆・絵画用品・その他の事務用品製造業 |
328 畳等生活雑貨製品製造業 |
329 他に分類されない製造業 |
上記の細かい内容については総務省の日本標準産業分類大分類 E 製造業 説明及び内容例示(PDF:529KB)の中で解説されています。
また、今後新たに業種・業態が追加される見込みとなっていますので、対象にならなかったという事業者は次回の対象業種・業態の公表を待ってみても良いかもしれません。
まとめ
今回は2023年度より新設される事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化の対象業種・業態について解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- サプライチェーン強靭化枠は海外に生産拠点を持つ製造業が国内回帰する際に利用できる
- 補助上限金額は5億円、補助率は1/2(中堅企業は1/3)
- 対象業種・業態が指定された業種・業態に限定されている
- 対象業種・業態は今後追加される見通し
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