事業再構築補助金の公募が3月28日に開始されました。
実際の申請は4月15日の予定となっていますので、それまでにビジネスモデルを確立させておかなければいけません。
とはいえ、新規事業や事業の再構築というのはなかなか難しいもの。
申請したいけど、事業構想が思い浮かばない・・という事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は事業再構築補助金のビジネスモデル例から見えてきた狙い目の新規事業について解説していきます。
事業再構築補助金の概要の中で紹介されているビジネスモデル例
まずは、政府の想定ビジネスモデル例を見ていきましょう。
経済産業省(中小企業庁)がリリースしているリーフレットによると、事業再構築補助金の活用イメージは下記の通りです。
まとめると「テイクアウト」「ECサイトなどのオンラインを活用した事業」「サブスクリプション」が多く掲載されています。
つまり、これらの事業は事業再構築補助金の申請にあたって狙い目の新規事業となるということです。
また、汎用性が高いため、あらゆる業種で活用しやすいという点もメリットです。
とはいえ、今まで取り組んでこなかった新規事業なので、どのように始めれば良いかわからないという方も少なくないかと思います。
そこで今回はこれらの新規事業の始め方について具体的に解説していきます。
狙い目の新規事業3つと具体的な始め方
上述のとおり、狙い目の新規事業は下記の3つです。
- テイクアウト、デリバリー
- ECサイトなどのオンラインを活用した事業
- サブスクリプション
本章では具体的な新規事業の始め方について解説していきます。
テイクアウト
飲食店の方がまず検討したいのがテイクアウトの導入です。
テイクアウトとは飲食店で提供しているメニューを持ち帰り可能な容器に入れて、料理を提供する形態のことをいいます。
具体的な始め方について解説していきます。
①保険センターに営業許可を確認する
テイクアウトを始める場合、まずは保険センターに問い合わせをして、営業許可を取る必要があります。
テイクアウトを導入する場合、提供する料理によっては、お店で料理を提供するのとは異なる許可が必要となる場合があります。
知らずにテイクアウト事業を始めると違法になる可能性がありますので、必ず事前に確認しましょう。
②メニューを考案する
保険センターに許可をとったら、次はテイクアウト用のメニューを考案しましょう。
ベースは通常店で提供しているメニューで問題ありませんが、テイクアウトにするためには特に衛生管理に気を付ける必要があります。
特に下記の点には注意してメニューを開発しましょう。
- 短時間で調理できるメニューにする
- 傷みやすい材料は使わない
- 調理後には適切な温度管理を行う
③顧客を集める
テイクアウトをきっかけに顧客を集めることも重要です。
顧客を集めるためにはテイクアウト専門サイトに情報を乗せるのが有効的な手段といえるでしょう。
代表的なテイクアウト専門サイトは「EPARKテイクアウト」「みんなのテイクアウト」などがあります。
「EPARKテイクアウト」は高い集客力を持ち、「みんなのテイクアウト」は掲載料は無料というのが特徴です。
④デリバリーへと事業拡大
テイクアウトで勝算があった場合、デリバリーへと事業を拡大させていくことをおすすめします。
デリバリーは近年需要が急激に拡大しています。
デリバリー大手の出前館のIRによると2021年第二四半期時点でのアクティブユーザー数は582万円(前年同期比82%増)となっていました。
新型コロナウィルスの影響でデリバリー需要が急激に増えていることがわかります。
テイクアウトのみの事業展開ではもったいないといえるでしょう。
デリバリー事業の始め方は下記のとおりです。
- 自前で配達するか、他社に配達を委託するかを決める
- 自前で配達する場合は「出前館に加盟」、「自社ホームページ」で集客する
- 他社に委託する場合は「ウーバーイーツや出前館」で集客する
事業再構築補助金では車両の補助は行っていません。ですので、自前で配達する場合は逆にコストが高くなる可能性があります。
特別なノウハウがない限り、配達は他社に任せた方が良いでしょう。
オンラインを活用した事業
コロナ禍ではオンラインを活用した事業が有力といえます。
その中でも特にEC事業は汎用性が高く、手軽に始めることができることから、最も活用したい事業の一つであるといえるでしょう。
EC事業を新たに始めたい!という場合は下記の3つの方法があります。
- 自社で通販サイトを構築する
- 他社のプラットフォームを利用する
- 他社のショッピングモールを活用する
具体的に解説していきます。
自社の通販サイトを構築する
事業再構築補助金ではシステムの構築、外部有識者への報酬、広告宣伝費は補助の対象となります。
ですので企業の体力がある場合、外部に委託し、一からECサイトを構築する方法も有効的です。
ただし、自社で通販サイトを構築する場合、集客が難しいという問題点があります。
効果的な集客ができなかった場合、せっかく作ったサイトが無駄になってしまう可能性があります。
インターネットの広告やサイト構築に対するノウハウがない場合、無理に自社のサイトを構築する必要性は低いでしょう。
他社のプラットフォームを利用する
手軽にECサイトを始めたい!という場合、他社のプラットフォームを利用するのもおすすめです。
代表的なECサイトを構築できるプラットフォームは「BASE」,「shopify」,「STORES」があります。
特徴は下記の通りです。
- BASE・・知名度は抜群。多彩なデザインが特徴。初期費用は無料だが、成立手数料が6.6%+40円と高め
- shopify・・高い機能性と海外への販路があることが強み。月額費用が最低月29ドルかかる。(約3,000円前後)
- STORES・・倉庫配送サービスがあるのが強み。コストも上記の2サイトよりも安い
自社でサイトを構築する必要性がないため、一日あれば新たにEC事業をスタートすることができます。
ただし、集客が難しいという点は自社でサイトを構築する場合と変わりません。
効果的な広告や宣伝が必要です。
ECショッピングモールを利用する
手っ取り早く成果をだしたいという方は大手のECショッピングモールを利用することをおすすめします。
大手ECショッピングモールとは「アマゾン」「楽天市場」「ヤフーショッピング」の3つです。
圧倒的な顧客集客力を持っているので、自社でECサイトを構築するよりも手早く成果に結びつきます。
大手ECショッピングモールの特徴は下記の通りです。
- アマゾン・・高い集客力を持ち、月額費用も4,900円と安い。ただし、商品メインのモールなので、店舗自体にファンがつきにくい
- 楽天市場・・高い集客力があり、デザイン性のあるサイトを構築できるため、店舗のファンが付きやすい。一方で固定費や決済手数料などの費用は高い
- ヤフーショッピング・・集客力はやや落ちるものの、費用の安さが魅力。ZOZOTOWNやPayPayを活用して、規模が急拡大中
まず試しにはじめてみたいという方は「ヤフーショッピング」、人気のある商品を取り扱っている場合は「アマゾン」、ECを事業の中心に据えていきたいという場合は「楽天市場」がおすすめです。
サブスクリプション
サブスクリプションとは月額のサービスのことをいいます。
安定的な売上を見込め、また顧客のフィードバックをサービスに活かしやすいビジネスモデルです。
店舗型のビジネスモデルをしている方なら、事前に予約をしてもらうことで、効率的な顧客管理ができます。
ソーシャルディスタンスを保ちながら、高い稼働率を維持することができるビジネスモデルといえるでしょう。
サブスクリプションモデルを始める上で重要なのは決済方法です。
毎月引き落としにする必要があるため、特殊な決済方法を利用する必要があります。
サブスクリプションでおすすめの決済方法は「ペイパル」「ソフトバンクペイメント」「Square」です。
簡単に特徴を説明していきます。
- ペイパル・・国際的な代表的な決済ブランド。海外への販路を視野に入れている場合におすすめ
- ソフトバンクペイメント・・ソフトバンクグループ。大手11万店舗以上の導入実績があり、信頼度が高い
- Square・・三井住友カードと提携。安価な料金設定とキャッシュバックが魅力。
サブスクリプションは効率性、安定性から見ても優れたビジネスモデルです。
既存のビジネスモデルを大きく変えず、事業再構築補助金を活用したい場合におすすめです。
まとめ
今回は事業再構築補助金における狙い目の新規事業3選をご紹介してきました。
ポイントは下記の通りです。
- 狙い目はテイクアウト(デリバリー)、EC、サブスクリプション
- テイクアウト(デリバリー)は衛生管理に注意
- ECは自社サイトだけではなく、ショッピングモールの活用もおすすめ
- サブスクリプションは決済方法をどうするかが課題
いずれにしても新規事業をはじめるとき、重要なのは事業計画書です。
客観的で合理性のある事業計画書でなければ事業再構築補助金の採択を受けるのは難しいでしょう。
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他にも事業再構築補助金についてまとめております。ご覧ください。
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