事業再構築補助金

事業再構築補助金成長枠で鍛工品製造業が追加に!

事業再構築補助金成長枠で鍛工品製造業が追加に!

事業再構築補助金の成長枠では通常枠とは異なり、新たな事業が市場規模が拡大しているまたは拡大する見込みの事業のみと限定されています。
事業再構築補助金のホームページの中で「成長枠の対象業種・業態の指定について」が公開されており、原則としてこの中から事業を選択する必要あります。
今回は成長枠の対象事業の一つである「鍛工品製造業」について解説していきます。

鍛工品製造業とは?事業再構築補助金成長枠の対象!

鍛工品製造業は事業再構築補助金の成長枠の対象事業です。
鍛工品製造業は主として他から受け入れた棒鋼などからハンマ,プレスなどで型鍛造などを行い鍛工品を製造する事業が対象となっています。
平成 20 年度鉄鋼業(鍛工品製造業)に係る総合的かつ体系的な職務分析の推進に関する調査研究において下記の通り、定義されています。

鍛工品製造業は、鉄や非鉄の金属材料を加圧及び打撃の繰り返しによって、強度を出
すとともに目的の形状に加工する業種である。
鍛工品の特徴としては、打撃加圧されることにより、金属の内部組織が緻密で均質に
なるため、引っ張り強さ、硬さなどの機械的性質が改善され、目的の形状に整形される
ことから、機械加工が省略又は最小限で済み、材料の節減につながる。
鍛造品は、強度・耐摩耗性などから自動車をはじめ産業機械器具、土木や建築機械、
航空機、船舶、工具など、各産業界の重要保安部品として、また、日常生活の様々な場
面で使用されている

日本の工業製品の様々な部品で使用されていますが、代表的なものは下記の通り。

  1. 自動車部品の製造:鍛工品製造業は、エンジン部品、トランスミッション部品、サスペンション部品など、自動車部品の製造に欠かせません。
  2. 工作機械部品の製造:大型の工作機械や産業機械の部品を製造することもあります。これにはギア、クランクシャフト、カムシャフトなどが含まれます。
  3. 鉄道車両部品の製造:鍛造技術は鉄道車両の部品製造にも使用されます。ホイールやアクスルなどの部品は鍛造により製造され、耐久性と強度が必要な鉄道産業に使用されます。
  4. 航空機部品の製造:航空機のエンジンやランディングギアなど、耐久性と軽量化が求められる部品には鍛造技術が用いられます。

このように日本の輸送機器を中心とする様々な工業製品を支えている鍛工品は2023年6月9日に事業再構築補助金の成長枠の対象となりました。

鍛工品製造業の代表的な事業テーマ

鍛工品製造業は国内の重要な産業の一つです。
特に国防関連の工業製品や電気自動車、再生可能エネルギー関連の工業製品が今後増えてくることが見込まれており、今後期待できる産業となるでしょう。

鍛工品製造業の今後注目されている事業テーマは下記の通り。

  1. 電気自動車(EV)部品の製造:電気自動車の市場は急速に拡大しており、モーター部品やバッテリー部品など、EV専用の鍛工品の需要が高まっています。
  2. 再生可能エネルギー設備部品の製造:風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー設備は、堅牢性と耐久性を備えた部品を必要とします。こうしたエネルギー設備向けの鍛工品の製造は、今後の市場拡大が見込まれます。
  3. 軍事・防衛関連部品の製造:国際的な緊張が高まる中で、軍事・防衛産業における鍛工品の需要は増加しています。特に航空機や戦車、艦船などの部品製造において鍛工品は欠かせません。

鍛工品製造業での採択事例

鍛工品製造業事業による具体的な採択事例は下記の通り。

事業計画名事業計画概要
鍛造工場が機械加工を内製化しロボット向けギアの一貫生産に進出建設機械部品及びエンジン部品向け鍛造加工から異なる分野であるロボット向けギア部品の生産ラインを立ち上げる。機械加工(旋盤、マシンニング加工)に新たにチャレンジし、鍛造加工から機械加工まで一貫生産を可能にする。これにより、新たにロボット向け部品事業に進出し、新たな収益の柱を得るとともに、既存事業の外注工程も内製化することでシナジー効果を発揮する。
インフラ向け製品で培った鍛造技術を活かして耐久消費財である自動二輪車分野への挑戦を行う弊社はインフラ向けの複雑形状の鍛造品の製造を強みとしている。この強みを複雑な形状且つ、品質基準が厳しい自動二輪車分野の鍛造品に挑戦をすることによってウィズコロナやサプライチェーン強靭化に貢献する。
自動車シートフレーム部品にかかるインサート成形事業への展開当社は自動車部品にかかる鍛造等の機械加工を行っているが、鍛造後の後工程であるインサート成形の加工依頼が取引先からあったことから、射出成形技術の確立を図りながら、鍛造品のインサート成形事業の開始により、付加価値の向上へと繋げる。
革新的プレス技術の確立によるEV車用部品の生産体制構築当社のコア技術である深絞り技術に背圧成形技術と切削鍛造技術を融合した金型システムにより、アルミダイカスト鋳造後に切削加工で生産されているHV用オイルポンプ部品を、プレス化することでEV車用に低コスト化、耐性化を実現する。

まとめ

今回は事業再構築補助金の成長枠の対象である鍛工品製造業について解説してきました。ポイントをまとめると下記の通り。

  • 鍛工品製造業は事業再構築補助金成長枠の対象事業
  • 今後需要が増えてきそうな有力な事業テーマ
  • 国防関連、ev、再生エネルギー、宇宙関連などが注目の事業

 

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