事業再構築補助金第10回公募の申請受付が令和5年6月9日に開始されました。
第10回公募は今までとは大きく内容が異なるので、注意が必要です。
そこで今回は事業再構築補助金の申請受付が開始された点と申請する上でのポイントと注意点を解説していきます。
事業再構築補助金の第10回公募の申請受付が開始!
事業再構築補助金の第10回公募の申請受付を開始されました。
申請期間は6/9(金)12:00~6/30(金)18:00です。
今までの公募同様にJグランツからの申請となります。
下記から申請可能となっていますので、準備ができた方は申請していきましょう。
事業再構築補助金の第10回公募は第9回公募とは大きく内容が異なりますので、改めてポイントを解説していきます。
事業再構築補助金の事業計画書に表紙が追加された
事業再構築補助金の事業計画書ではこれまでフリーフォーマットで記載していましたが、事業再構築指針で定める事業再構築の定義に合致する事業であることの確認を円滑に行うために、表紙に必ず記載いただく事項が定められました。
具体的には、事業計画書のタイトル、事業者名、事業計画名、申請枠、事業再構築の累計などがあります。
これにより、読み手がすぐにその事業計画書の内容を把握しやすくなります。
内容は下記の通り。
【事業計画書の表紙に記載いただく事項について】
事業計画書について、これまで完全にフリーフォーマットで記載いただいておりましたが、事業再構築指針で定める「事業再構築」の定義に合致する事業であることの確認を円滑に行うため、 表紙に必ず記載いただく事項を定めました。
詳細は、以下の参考様式及び公募要領をご確認ください。
「事業計画書表紙(参考様式)」
事業計画書表紙の内容は下記の通りです。
ですので、十分に文言に注意して記載していく必要があります。
第10回事業再構築補助金の主な変更点
第9回と第10回の事業再構築補助金は主に下記の点が変更となりました。
- 申請枠の大幅な変更
- 通常枠・回復・再生応援枠・緊急対策枠の補助額・補助率の改悪
- 売上高減少要件の撤廃
改悪される点もあれば、改善された点もあります。
具体的な内容について解説していきます。
申請枠の大幅な変更
2023年度(令和5年度の)の事業再構築補助金では申請枠が大幅な変更となりました。
詳しくは下記の通り。
2023年度(変更後) | 2022年度(変更前) |
|
|
既存の通常枠が変更となり、成長枠という名称になりました。名称変更に伴い、内容も変更となっています。
大規模賃金引上枠は撤廃される方向ですが、実質的には通常枠の中に組み込まれるという形になりそうです。
産業構造転換枠(新設)・サプライチェーン強靱化枠(新設)が新設されました。
グリーン成長枠は申請者数が少ないためか、要件が緩和されるエントリー枠が新たに追加される予定となっています。
各変更点について解説していきます。
成長枠(旧通常枠)の変更点
成長枠(旧通常枠)では下記の点が変更になりました。
2023年度(変更後) | 2022年度(変更前) |
【補助額】
【補助率】
売上高減少要件なし 指定された事業しかできない | 【補助額】
【補助率】
売上高減少要件あり 新規事業に指定なし |
改悪点として上限補助額の減額・補助率の減少があります。
上限補助額が8,000万円から7,000万円に減額となりました。
また大きな改悪となったのが補助率です。
以前までは中小企業が2/3、中堅企業が1/2だったのに対して、第10回公募では中小企業が1/2、中堅企業が1/3となりました。
このことから、第9回公募で申し込みできる事業者は第9回で申し込みするべきといえるでしょう。
一方で大きな改善となったのが売上高減少要件の撤廃です。
上限の補助枠がやや縮小し、補助率が減少したという大きな改悪がありますが、売上高減少要件の撤廃は非常に大きいメリットです。
以前までの事業再構築補助金は業績好調な増収増益企業は売上高減少要件があったため、申請することができませんでした。
しかしながら、今回の売上高減少要件の撤廃により、ほとんどの中小企業・中堅企業が申し込みできるようになりました。
しかしながら、第10回公募では新たに市場規模要件が追加されました。
今までは新規事業に制限はありませんでしたが、第10回公募からは事務局が指定した業種・業態の新規事業しかできなくなりました。
詳細は下記の通り。
対象者が広がった反面、対象となる事業は大幅に縮小したといえるでしょう。
回復・再生応援枠・緊急対策枠の変更点
2023年度(変更後) | 2022年度(変更前) |
【補助額】
【補助率】
| 【補助額】
【補助率】
|
補助率が中小企業が2/3(第9回まで3/4)、中堅企業が1/2(第9回まで2/3)と改悪されました。
また補助上限金額も緊急対策枠は上限が4,000万円だったところが3,000万円となっており、改悪される可能性が高いです。
産業構造転換枠(新設)
2023年度(令和5年度)は新たに産業構造転換枠が創設される見込みとなっています。
簡単な概要は下記の通り。
事業概要 | 国内市場の縮小等の産業構造の変化等により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者に対し、補助率を引き上げる等により、重点的に支援します |
補助額 |
※廃業を伴う場合は2,000万円増額 |
補助率 | 中小・・1/2 中堅・・1/3 |
ガソリン車・ハイブリッド車の部品製造のような縮小が余儀なくされている企業に対する枠のように思われます。
補助率・補助額が成長枠と変わらないので、採択率が優遇されるものと考えられます。
サプライチェーン強靱化枠(新設)
新設された枠として、サプライチェーン強靱化枠もあります。
簡単な概要は下記の通り。
事業概要 | 海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者を支援します。 |
補助額 | 5億円 |
補助率 | 中小・・1/2 中堅・・1/3 |
円安により日本で生産するコストが相対的に安くなっていることや中国でのカントリーリスクが高まっていることを背景にした申請枠と考えられます。
補助額は5億円と最大級となっていますが、対象となる企業はそこまで多くないかと思われます。
グリーン成長枠(要件緩和)
グリーン成長枠はエントリー枠が追加され、要件が緩和される予定となっています。
現段階での変更点は下記の通り。
2023年度(変更後) | 2022年度(変更前) |
【補助額】 エントリー枠
スタンダード枠
| 【補助額】
|
スタンダード枠は第9回までと同様になると考えられますが、エントリー枠は要件が大幅に緩和されることが想定されます。
グリーン成長枠は脱炭素という政府が取り組むべきテーマの事業である一方で、採択件数は数百件程度しかありませんでした。
第10回からは大幅に要件を緩和し、数千件程度の採択件数になるように調整していくものと考えられます。
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