事業再構築補助金の第10回公募結果が令和5年6月15日に公開されました。
第8回公募のときよりも傾向が変わってきているため、第10回公募以降での申請を考えている方は必ずチェックしておくべきといえます。
そこで今回は事業再構築補助金の第10回公募結果の分析と傾向について解説していきます。
事業再構築補助金の第10回公募結果
事業再構築補助金の第10回公募結果は下記の通りとなりました。
(事業再構築補助金 第10回公募の結果について 事業再構築補助金事務局)
- 成長枠
- 応募件数: 2,734件
- 採択件数: 1,242件
- 採択率: 約45.4%
- グリーン成長枠
- 応募件数: 631件
- 採択件数: 262件
- 採択率: 約41.5%
- 産業構造転換枠
- 応募件数: 275件
- 採択件数: 102件
- 採択率: 約37.1%
- 最低賃金枠
- 応募件数: 249件
- 採択件数: 133件
- 採択率: 約53.4%
- 物価高騰対策・回復再生応援枠
- 応募件数: 6,775件
- 採択件数: 3,387件
- 採択率: 約50.0%
- サプライチェーン強靭化枠
- 応募件数: 157件
- 採択件数: 79件
- 採択率: 約50.3%
これまでの公募とは明確に傾向が変わっていますので、解説していきます。
物価高騰対策・回復再生応援枠がメインに
今までは通常枠が事業再構築補助金のメインでしたが、今回から物価高騰対策・回復再生応援枠の方が応募件数が多くなりました。
成長枠は当初申請できる業種・業態が少なく過ぎたこともあり、非常に使いにくい枠でした。
そのため、物価高騰対策・回復再生応援枠の方が応募者数が増えたということかと思われます。
しかしながら、第11回公募では申請できる類型が大幅に増加しました。
第11回公募以降は成長枠に申請するする事業者が増えることが予想され、競争が激しくなってくると予想されます。
応募件数と採択件の減少
全体的に、第10回の公募では第8回と比較して申請数も採択数も減少しています。
具体的には、第8回公募の申請総数は12,591件、採択総数は6,456件で、緊急的に追加された第9回公募ではそれぞれ9,369件、4,259件となりました。
第10回公募ではそれぞ10,821件、5,205件となりました
売上高減少要件が撤廃されたので、応募者数はもっと増えることも予想されましたが、意外と少なかったといえます。
逆にこれから申請する方はチャンスが増えたと考えた方がよいかもしれません。
最低賃金枠が厳しい
最低賃金枠の採択率が特に減少しました。
最低賃金枠は70%以上の採択率で推移していましたが、今回は50%台の低水準での採択率となりました。
このことから事業再構築補助金は厳しい業況の事業者に対する支援という枠組みから、力強く成長しようとしている事業者への支援になったと考えたほうが良いかもしれません。
第10回公募結果の業種別分析結果
業種別の応募、採択結果は下記の通り。
「製造業」の優先度が減少しました。
第9回公募では応募件数ベースで19.7%、採択件数ベースで28.7%となっていましたが、第10回公募では応募件数ベースで20.3%、採択件数ベースで24.6%となっていました。
以前の公募よりも優先度は減少しているといえるでしょう。
一方で、「建設業」「卸売業・小売業」の採択率は高まっています。
これらの業種・業態の方はチャンスかもしれません。
第10回公募の傾向
第10回の公募結果及び第10回公募要領から、第11回公募の傾向は下記になるかと思われます。
- 成長枠の業種・業態が大幅に追加されたことから、応募者数が増えることが予想される
- 最低賃金枠、回復再生応援枠といった採択率は減少する可能性が高い
- 製造業の優先度は低下する可能性がある
以前までの事業再構築補助金はコロナ禍で厳しい状況にある企業を支援する目的の補助金でした。
しかしながら、コロナも収束に向かっていることもあり、第10回公募からは力強く成長している企業に対して支援するという色合いが強くなってくることが予想されます。
採択率の傾向も変化すると考えられますので、しっかりと対策をして審査に挑みましょう。
事業再構築補助金の申請を検討している方は一度ご相談ください。
弊社(CPA)では事業再構築補助金の申請サポートを実施しています。
全国各地からオンラインでの初回無料で打ち合わせが可能となっています。
弊社は事業再構築補助金のサポートを行っており、通常枠補助上限を含む、多数の採択実績があります。
「認定支援機関が決まらない」「事業計画書の添削をして欲しい」といった事業者の方はぜひお気軽にお問い合わせください。
詳細は下記のページから