2024年も様々な補助金が政府より打ち出されています。
その中でも特にDX化、省力化は特に注目されているテーマのため、関連した機器を導入したいと考えている事業者の方はチャンスといえるでしょう。
今回は特に「配膳ロボット」の導入を考えている事業者の方におすすめしたい補助金を解説していきます。
配膳ロボットとは?
配膳ロボットは、飲食店や病院、介護施設などで使用される自動化技術の一つで、各種センサにより人や障害物を回避しながら自律走行により料理や飲み物等(導入する業種によっては、物資・部品や梱包物等)を人に代わって配膳するロボットのことをいいます。
配膳ロボットの主な機能は、注文された料理をキッチンから指定のテーブルまで自動で運ぶことです。
高度なセンサーとナビゲーションシステムを備えているため、人や物にぶつからずにスムーズに動き回ることができます。
また、一部のモデルでは、音声やタッチスクリーンを通じて顧客との対話が可能です。
中小企業省力化投資補助金(最もおすすめ)
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に直面している中小企業がIoTやロボットなどの効果的な汎用製品を導入することで、企業の付加価値や生産性の向上を図ることを目的としています。
公募要領が公開されているため、詳しい内容は公募要領を確認しておくことをおすすめします。
製品カタログに掲載された製品を導入する企業に対して、下記の金額を補助します。
従業員数 | 補助率 | 補助上限額(通常) | 補助上限額(大幅な賃上げを行う場合) |
---|---|---|---|
5人以下 | 1/2 | 200万円 | 300万円以下 |
6~20人以下 | 1/2 | 500万円 | 750万円以下 |
21人以上 | 1/2 | 1,000万円 | 1,500万円以下 |
中小企業省力化投資補助金は省力化技術や自動化技術に対する投資が対象とされており、配膳ロボットの導入も含まれます。
中小企業省力化投資補助金は配膳ロボットの導入において最もおすすめできる補助金です。
理由は下記の4つ
- 採択率が高いことが予想されている
- 採択率が高い傾向にある補助金としては補助上限金額も高め
- 複数台の導入が可能
- 申請手続きがそこまで難しくないことが予想されている
難易度が高い補助金はそれだけ負担も大きい傾向にありますが、中小企業省力化投資補助金は採択社数は令和8年度9月末までで計12万件程度となっており、難易度が低めに設定されることが予想されています。
価格的にも難易度的にも配膳ロボットの導入に最も適した補助金であると言えるでしょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者が経営の安定化や強化を図るためのもので、配膳ロボットの導入でも活用することができます。
新製品の開発や新たな製造技術の導入だけでなく、既存の生産ラインの改善や効率化、人材育成など、経営の基盤を強化するためのさまざまな取り組みが補助対象となります。
補助率は2/3ですが、補助金の上限は50~200万円となっており、規模が小さな製造業者にとってはありがたい支援策といえるでしょう。
採択率も高い傾向にあり、用意すべき書類もそこまで多くはないため、事業者の負担も少ないです。
しかし、中小企業省力化投資補助金に比べると補助金額が小さいため、補助金の活用計画をしっかりと立てることが求められます。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は新たな製品やサービスの開発、試作品の作成、生産技術の革新を支援する補助金となっています。
製造業以外のサービス業でも利用できますが、特に製造業が優遇されています。
補助上限金額は通常枠で1,250万円(賃上げをする場合は2,250万円)、オーダーメイド枠であれば8,000万円(賃上げをする場合は1億円)となっています。
補助対象経費には機械装置費(新型製造機械の開発や既存機器の改良に関連する費用)、技術導入費(新素材の開発等に必要な知的財産権等の導入に関する費用)、専門家経費、運搬費、クラウド利用費などが含まれ、機械装置で配膳ロボットを導入することが可能となっています。
しかしながら、中小企業省力化投資補助金や小規模事業者持続化補助金と比較すると、補助金の難易度は高い傾向にあります。
用意すべき書類も多く、採択率は高くはありません。
さらに、ものづくり補助金は製造業が優遇される傾向があるため、配膳ロボットを導入した事業というのは優先度が下がる可能性があります。
そのため、ものづくり補助金を活用した配膳ロボットの導入はあまりおすすめできません。
まずは中小企業省力化投資補助金や小規模事業者持続化補助金が利用できないか検討してみることをおすすめします。
事業再構築補助金も魅力的ではあるが、難易度が非常に高い
以前までは事業再構築補助金を活用して、配膳ロボットを導入するという手法もありましたが、現在ではあまりおすすめできません。
第12回事業再構築補助金公募は第11回同様に採択率が大幅に悪化する可能性が高いためです。
確かに事業再構築補助金は補助金額の大きさや補助経費の幅広さなど依然として魅力があります。
しかしながら、用意しなければならない書類も多く、採択された後も事業化状況報告や実績報告、モニタリングなど負担が大きいです。
さらに今後の事業再構築補助金の予算が省力化投資補助金に移行される可能性があるため、次回公募の条件がより厳しくなることが予想されます。
このようなことを総合的に考慮し、事業再構築補助金で申請するのか、他の補助金を利用するのかは改めて考え直していく必要があるかと思います。
まとめ
今回は「配膳ロボット」の導入を考えている事業者の方におすすめしたい補助金というテーマで解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 中小企業省力化投資補助金 – 補助率1/2で、補助上限額が事業規模により最大1,500万円まで。採択率が高いことが予想されており、申請手続きが比較的容易です。
- 小規模事業者持続化補助金 – 補助率は2/3で、補助金の上限は50~200万円。特に小規模事業者向けで、手続きも簡単
- ものづくり補助金 – 最大補助金額は1,250万円(通常枠)。製造業に優遇されていますが、難易度は高め
- 事業再構築補助金 – 大規模な補助が可能ですが、採択率の悪化と手続きの複雑さから現在は推奨しません。
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