事業再構築補助金で最もハードルが高い類型が「事業再編」です。
組織再編行為+他の類型の要件の2つを満たす必要があるためです。
しかしながら、採択されれば大きな補助が期待できるため、事業再編を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これから事業再編で申請を考えている方は、どういった事例が事業再編に当てはまるのか、過去にどういった事例が採択されたのか気になるところですよね。
そこで今回は事業再編の採択事例6選を紹介していきます。
事業再編とは
事業再編は会社法上の組織再編行為等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うことを指します。
下記の要件を満たすことで申請できる事業再構築補助金の類型です。
- 事業再編に該当するためには、会社法上の組織再編行為等を行う必要があります。【組織再編要件】
- 事業再編に該当するためには、その他の事業再構築のいずれかの類型の要件を満たす必要があります。【その他の事業再構築要件】
(事業再構築指針の手引き(1.5版) )
組織再編要件とは下記の通りです。
組織再編とその他の事業再構築を行わなければなりません。
基本的にはM&Aを伴う事業再構築が必要となります。
事業再編の要件や定義については下記の記事で詳細を解説してますので、ぜひ確認してみてください。
事業再編の採択事例6選
事業再編で過去に採択事例された事例6選を紹介していきます。
これから事業再編に取り組もうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
ボウラーのフィットネス強化と太田市民の健康増進のためのトレーニングセンター設営
会社名 | 株式会社ユーテック |
事業計画名 | ボウラーのフィットネス強化と太田市民の健康増進のためのトレーニングセンター設営 |
事業計画概要 | 関係会社からボウリング場の営業権譲渡(事業再編・事業譲渡)を受け、ボウリングのフィットネス強化に繋がるトレーニングセンターを設営する。ボウリング業界の活性化と太田市民のシニアの健康増進に繋げて業界と地域に貢献する。 |
ボウリング場のM&Aによる事業再編です。
ボウリング場を吸収合併して、新たな取り組みを行う事業計画です。
4つの類型については明記されていませんでしたが、新分野展開の可能性が高いでしょう。
ワイドバンド可視カメラの商品化と関連IoTサービスの事業創出
会社名 | 株式会社タナカ技研 |
事業計画名 | ワイドバンド可視カメラの商品化と関連IoTサービスの事業創出 |
事業計画概要 | 従来にない「ワイドバンドカメラの市場投入(特許取得済)」による「完成品事業の構築」と「完成品をサポートするアプリケーション・ソフト・サービス事業」を2つのステップに分け、新規事業として立ち上げることで、当社の事業再編を行う。 |
会社分割(新設分割)に伴う事業計画です。
おそらく新規の会社設立による事業再編と考えられます。
「ワイドバンドカメラの市場投入(特許取得済)」による「完成品事業の構築」をA社、「完成品をサポートするアプリケーション・ソフト・サービス事業」をB社として会社を運営していくという事かと思われます。
食に関するノウハウも活かした体づくり「フィットネス事業」への挑戦
会社名 | 有限会社ケントレーディング |
事業計画名 | 食に関するノウハウも活かした体づくり「フィットネス事業」への挑戦 |
事業計画概要 | 現在の飲食事業に偏向している事業体制を、事業再編行為によりすべく、現行事業と親和性の高い「健康分野」で、フィットネスジムを開業する。ただのトレーニング施設ではなく、現行の飲食経験を活かし、食事面のサポートや、同一企業からの出張者の多い地域特性より法人向けサービスを展開し、独自の価値提供を行う。 |
会社分割(新設分割)に伴う事業計画の可能性が高いです。
新規の会社設立による事業再編と考えられます。
「飲食事業」をA社にし、新たに設立する会社が「フィットネスジム」事業を行う会社として、B社を運営していくという事かと思われます。
事業再編及び瀬戸内の幸をD2Cで届ける「潮彩市場直送便」の全国展開
会社名 | 有限会社ハート・アンド・ハート |
事業計画名 | 事業再編及び瀬戸内の幸をD2Cで届ける「潮彩市場直送便」の全国展開 |
事業計画概要 | 当社は寿司や創作料理の飲食店等4店舗を運営しているが、2店舗を従業員に譲渡する事業再編を実施。リソースを西京はもの加工事業に集中し、D2C・サブスクで「潮彩市場直送便」を全国展開する。 |
会社分割(吸収分割)を伴う売り手側の事業再編です。
Employee Buyout(エンプロイー・バイアウト)を行い、従業員に事業を譲渡させ、既存のリソースを加工事業に集中させる事業です。
事業再編による「なっぷ事業」新分野展開に関する事業再構築
会社名 | 株式会社R.project |
事業計画名 | 事業再編による「なっぷ事業」新分野展開に関する事業再構築 |
事業計画概要 | 当社は今後事業の「選択と集中」を進めキャンプ場事業へリソースを集中する方針であり、その一環でキャンプ場予約サイト「なっぷ」を運営する事業を事業再編(吸収分割)により引き受け、新分野展開を行います。 |
会社分割(吸収分割)を伴う買い手側の事業再編です。
会社分割では売り手側、買い手側両方で事業再構築補助金を活用できます。
ただし、買い手側の会社分割(吸収合併)は多額な費用を要するケースが多いです。
実際に、この事業計画は卒業枠で採択されており、組織拡大が一定以上の規模になっていることが分かります。
事前に十分な資金調達を行ってからチャレンジすることをおすすめします。
事業再編!新市場「ボールねじ」の加工事業に挑戦
会社名 | 株式会社丸眞テック |
事業計画名 | 事業再編!新市場「ボールねじ」の加工事業に挑戦 |
事業計画概要 | 「新型コロナ」の影響受け主力のバルブ製品は縮小基調に拍車、事業再編により切削加工事業を譲受の上、新たに成長見込まれる「ボールねじ」市場に挑む。 |
会社分割(吸収分割)を伴う売り手側の事業再編です。
他者に事業を譲渡し、既存のリソースを新たな事業「ポールねじ」に集中させる事業です。
まとめ
今回は事業再編の採択事例6選について解説してきました。
事業再編はハードルが高い類型のため、活用している企業はあまり多くはありません。
しかしながら、大規模に事業を拡大させたり、大胆な選択と集中に取り組むためには最適な類型と言えるでしょう。
M&Aによる事業再構築補助金の活用を検討している事業者の方は、ぜひ事業再編に取り組んでみてください。
「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業再構築補助金の申請サポート・申請代行を実施しています
詳細は下記のページから