事業再構築補助金で取得した資産を何らかの事情で使わなくなった場合、売却や貸し出しは勝手にできるのか気になる方もいらっしゃいますよね。
しかしながら、事業再構築補助金で取得した資産の勝手な処分は禁止されています。
事業再構築補助金に限らず、一般的な補助金では一定の要件を満たした後に資産を処分することができ、これを「財産処分」といいます。
今回は事業再構築補助金における財産処分について解説していきます。
財産処分とは?
財産処分とは「補助金等の交付を受けて購入・整備した施設・設備などを補助金等の目的に反して使用・譲渡・交換・販売・貸付・担保などに供し,又は取り壊すこと」をいいます。
取得した資産の内、単価50万円(税抜)以上の機械、器具及びその他の財産は財産処分制限の対象となり、一定期間は勝手に処分することは認められていません。
財産処分については中小企業等事業再構築促進補助金交付規程にて、下記の通り明記されています。
(財産の処分の制限)
第24条 取得財産等のうち、処分(補助金の交付の目的に反する使用、譲渡、交換、貸付、担保に供する処分、廃棄等をいう。)を制限する財産(以下「処分制限財産」という。)は、取得価格又は効用の増加価格が単価50万円(税抜)以上の機械、器具及びその他の財産とする。
2 処分制限財産の処分を制限する期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)を準用する。なお、中小機構が別に定める場合には、その期間とする。
3 補助事業者は、前項の規定により定められた期間内において、処分制限財産を処分しようとするときは、あらかじめ様式第12-1による承認申請書を中小機構に提出し、その承認を受けなければならない。
4 補助事業者は、前項の承認を受け、処分制限財産を処分した場合、様式第12―2による承認通知書に記載がある書類を様式第12-3による財産処分報告書に添付して中小機構に提出するものとする。
5 補助事業者は、処分制限財産が災害により使用できなくなった場合若しくは立地上又は構造上危険な状態にある場合の取壊し又は廃棄を行った場合は、第3項の規定にかかわらず、様式第12-4による財産処分報告書を中小機構に提出することにより、財産処分の承認を受けたものとみなすことができるものとする。
6 中小機構は、補助事業者が処分制限財産を処分することにより収入があり、又はあると見込まれるときは、様式第12-5による納付通知書により、当該処分制限財産に係る補助金額を限度として、その収入の全部又は一部を納付させることができるものとし、補助事業者は当該納付命令にしたがって納付しなければならない。
具体的なポイントを次の章で解説していきます。
事業再構築補助金における財産処分のポイント
事業再構築補助金における財産処分のポイントは下記の通り。
- 財産処分の対象は単価50万円(税抜)以上の機械、器具及びその他の財産
- 処分を制限する期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令を準用
- 期間内に処分する場合、中小機構の承認が必要
- 財産が災害により使用できなくなった場合や危険な状態のときは例外的に処分可能
- 財産処分で利益を得た場合は全部または一部を納付しなければならない
具体的に解説していきます。
財産処分の対象は単価50万円(税抜)以上の機械、器具及びその他の財産
財産処分の対象は単価50万円(税抜)以上の機械、器具及びその他の財産となっています。
単価50万円(税抜)以下については財産処分の対象とはなりません。
またどこからどこまでを資産とするのか。という問題もあります。
例えば、WEBサイトの構築費などはあいまいになりやすい代表例です。
事業者の状況や事業実態などにより異なってきますので、必ず顧問税理士と相談しておくことをおすすめします。
処分を制限する期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令を準用
処分を制限する期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令を準用とされています。
期間内の処分は原則としてできません。
しかしながら、中小機構の承認を得ることで財産処分が可能となります。
財産が災害により使用できなくなった場合や危険な状態のときは例外的に処分可能
財産が災害により使用できなくなった場合や危険な状態のときは例外的に処分可能は様式第12-4による財産処分報告書に下記の事項を記入の上、提出することで承認されたものとみなされます。
- 処分の内容
(1)処分する財産名等(別紙) ※取得財産管理台帳の該当財産部分抜粋等
(2)処分の内容(有償・無償の別も記載のこと。)及び処分予定日 - 処分の相手方(住所、氏名又は名称、使用の目的等)
- 2.処分理由
- 3.処分価格
- 4.財産処分に係る書類(添付のとおり)
(1)財産処分に伴う収入額が記載された通帳(写)等
(2)撤去前の写真
(3)撤去後の写真
財産処分で利益を得た場合は全部または一部を納付しなければならない
財産処分で利益を得た場合は収益を国庫に納付しなければなりません。
財産処分で利益がでるという事は考えないようにしておきましょう。
リースも財産処分の対象に
事業再構築補助金ではリースも補助対象経費として認められていますが、自社で購入した場合と同様に財産処分制限の対象となります。
事業再構築補助金の公募要領では下記の通り記載があります。
(3)リース会社との共同申請について
⑤取得する資産については、通常の補助事業により取得する資産と同様に、財産処分制限が課されますので、リース期間については、特段の事情がない場合には、財産処分制限期間を含む期間となるよう設定してください。また、財産処分制限期間内にリース契約の内容の変更を行う場合には、改めて(公社)リース事業協会が確認した「リース料軽減計算書」を事務局に提出する必要があります。
⑥ 万一財産処分を行う場合には、その他の本補助金を用いて取得した資産と同様に、残存簿価相当額又は時価(譲渡額)により、処分に係る補助金額を限度に返納する必要があります。
まとめ
今回は事業再構築補助金における財産処分について解説してきました。
事業再構築補助金では他の補助金と同様に、資産の勝手な処分は禁止されています。
リースも同様に財産処分制限の対象となるので、注意しましょう。
「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
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https://jigyou-saikouchiku.jp/
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