事業再構築補助金

事業再構築補助金でoemは対象となる?採択されにくい理由とは?

事業再構築補助金でoemは対象となる?採択されにくい理由とは?

自社で工場を持たない製造業の方にとって、oemは事業再構築補助金の対象となるのかという点は気になるところかと思います。
今回はoemが事業補助金の対象となるのかを解説していきます。
「oemで外部に委託するケース」と「oemで受託するケース」に分けて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

oemは事業再構築補助金の対象!

結論から申し上げますとoemは「外部に委託するケース」、「oemで受託するケース」いずれも事業再構築補助金の補助の対象となります。
「外部に委託するケース」の場合は外注費、「oemで受託するケース」の場合は設備投資費、建設費などが主な補助の対象となるかと思います。
ただし、oemで受託するケースの場合は問題ありませんが、oemで外部に委託するケースは採択されにくい可能性があります。
具体的に解説していきます。

oemで外部に委託するケースが採択されにくい理由

oemで外部に委託するケースが事業再構築補助金で採択されにくい理由は下記の2つです。

  • 事業再構築補助金は原則として設備投資を支援する補助金
  • 企画のみを行う事業はNG

具体的に解説していきます。

事業再構築補助金は原則として設備投資を支援する補助金

事業再構築補助金は基本的に設備投資を支援する補助金です。
現在は文言が削除されていますが、以前経済産業省が公開した事業再構築補助金の概要では「事業再構築補助金は基本的に設備投資を支援するもの」と記載されていました。
oemを外部に委託するケースの場合、主力の経費は外注費となり、設備投資費ではありません。
ですので、事業再構築補助金本来の目的とは離れた補助金の使い方となるため、審査にマイナスになる可能性が高いです。

企画のみを行う事業はNG

事業再構築補助金は企画のみを行う事業はNGとされています。
事業再構築補助金の公募要領の中で下記の通り記載があるためです。

・以下に該当する事業計画である場合には、不採択又は交付取消となります。

② 具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業

事業再構築補助金 第三回公募要領 P19

oemは事業内容によっては企画がメインとなってしまうケースがあります。
上記の通り、事業再構築補助金は設備投資をして、自ら事業を実施していくことを推進しています。
他社に外注するoemというのはあまり好まれていないかもしれません。

事業の一部分としてoemを利用する場合、問題ない

oemで他社に商品を製造してもらうのがメインの事業となるケースは採択されにくい可能性が高いです。
しかしながら、事業再構築の一部分としてoemを利用する場合は問題ないかと思います。
例えば、「今までは食品の販売をメインとした製造業だったが、事業再構築で化粧品もECなどで販売することにした。化粧品の一部をoemで製造する」といったケースです。
この場合はメインとなる経費はシステム費用(EC構築費用やクラウド費用)や建設費(倉庫や自社工場など)となります。
設備投資がメインとなっており、企画がメインの事業ではないため、問題なく事業再構築補助金が利用できる可能性が高いでしょう。

oemで採択された事業再構築補助金事例

oem関連事業で採択された事業再構築例を確認してみましょう。

OEM受託会社が別のOEM受託を開始する

OEMですでに受託している会社が別のOEMを開始する事業計画です。
詳細は下記の通りです。

事業計画名業務用冷凍総菜の売上減少に伴い、OEM企業として強みを活かし一般個人向けのアイスクリームOEM事業を開始
事業計画の概要当社は業務用・物産展用の総菜OEM受託がコロナ禍で大幅に減少している一方、おせちなどの一般個人向け商品のOEMは受注を伸ばしている。一般個人向けの新事業としてアイスクリームのOEMを開始するものである。

 

OEM受託会社の事業再構築例ですね。
OEMを製造する工場は既にあるので、既存の施設を活用し、別の商品を製造するビジネスモデルです。
今回のビジネスモデルはコロナで不調な総菜関係を縮小し、コロナでも好調なアイスクリーム事業を始めるという事業再構築
一般社団法人日本アイスクリーム協会の「アイスクリーム白書2020」によるとコロナ後にアイスクリームを食べる回数が減ったという人の割合は8.5%だったのに対して、増えたと答えた人の割合は28.0%にも上りました。
こういったコロナで不調な生産物→コロナで好調な生産物に転換するのもおすすめできる事業再構築です。

他社にOEMを依頼し、自社でEC販売

こちらの事業計画は他社にOEMを依頼し、自社で販売する事業再構築となっています。

詳細は下記の通りです。

事業計画名自社で新たな商品開発を行い、オンライン販売(新市場)を行う新分野展開を図る
事業計画の概要ナショナルメーカーの雑貨を取り扱う卸事業者として、小売店や貿易企業との取引を拡大してきた。しかし、コロナにより「直接的な営業開拓」「商品輸出入(発掘含む)」に制限がかかり、売上は減少。そこで、自社で化粧品を企画開発し、OEMメーカーにて製造し、オンライン販売する新分野の取組を行う。

 

コロナの影響が大きかったことや設備投資のメインがオンライン販売のシステムなどになるので、採択された事例です。
自社で販売するシステムやルーツを構築するので、採択されましたが、ここの部分を他者に委託するとおそらく採択はされなかったかと思います。
他社にOEMを委託する場合は必ず営業や販売などの部分は委託せず、自社で行うようにしましょう。

直接販売からOEM生産へ

他の事業をやっている企業がOEM生産の新規事業を実施するというケースもありました。

事業計画名栗餡および栗パウダーを焼菓子に転用、焼菓子製造プロセスの自動化による通販卸、OEM供給体制の構築
事業計画の概要季節性の高い生菓子製造直売から、栗餡、栗のパウダーを焼菓子に転用、手作業で行っていた焼菓子の製造プロセスを自動化。社員のコロナ罹患リスク回避と高度量産化を実現し、対面販売から通販卸、OEM委託生産へ業態転換を図り、新規分野で多様な商品展開を行う。

 

既存の事業は消費者に直接販売する方向でした。
コロナで対面販売が厳しくなったため、通信販売事業とOEM生産を新たに開始するという事業再構築になります。
自社で商品が製造できる環境があったり、ブランドに自信があったりする場合はOEM生産を始めてみても良いかもしれません。

まとめ

今回はOEMは事業再構築補助金の対象となるのかというテーマで解説させていただきました。
ポイントは下記の通りです。

  • OEMは受託、委託ともに事業再構築補助金の対象
  • 委託の場合は製造のみを委託し、営業、販売などは自社で行う
  • OEM受託会社の場合、他のOEM商品の製造するケースが多い
  • 他社にOEMを委託し、自社のECで販売する事業計画もある
  • 新たにOEM製造を始めるケースも 

事業再構築補助金では様々なパターンでOEM関係の採択がされています。
OEMで事業再構築補助金の採択を狙っている方は過去の採択事例も確認しながら、事業計画を作成していくことをおすすめします。

 

「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。

事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。

https://mono-support.com/saikouchiku/

また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。

https://jigyou-saikouchiku.jp/

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