事業再構築補助金が令和4年度も継続することが決定しました。
しかしながら、複数の変更点があるため、変更点を事前に理解しておかなければなりません。
そこで今回は、令和4年度の事業再構築補助金の大きな変更点の一つである回復・再生応援枠について解説していきます。
令和4年度以降に申し込みを検討している事業者の方はぜひ参考にしてみてください。
回復・再生応援枠とは?
回復・再生応援枠とは令和4年度の第6回事業再構築補助金で新設される枠組みのことをいいます。

補助率や補助上限金額は下記の通り。
従業員数 | 補助金額 | 補助率 |
5人以下 | 100万円~500万円 | 中小企業3/4 中堅企業2/3 |
6人~20人 | 100万円~1,000万円 | |
21人以上 | 100万円~1,500万円 |
補助率や補助上限金額は緊急事態宣言枠と変わりません。
引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を対象としている枠組みとなります。
対象要件は下記の2点のいずれかを満たすこととされています。
- 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年または2019年同月比で30%以上減少していること
- 再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は検討中)
本要件について具体的に解説していきます。
2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年または2019年同月比で30%以上減少していること
ほとんどの方はこちらの要件に当てはまるかと思います。
事業復活支援金と似たような要件になっていますね。
いずれかの月だけで良いというのが特徴です。
例えば、2021年11月の売上高が1000万円、2020年11月の売上高が800万円、2019年11月の売上高が1800万円というケースでも、前年度よりも売上高は増えていますが、2019年よりも売上高が30%以上減少しているので、要件に当てはまります。
また、2021年の総売上高が1億円、2020年の総売上高が5,000万円というケースでも、2021年12月の売上高が700万円、2020年12月の売上高が1100万円だった場合、単月で30%以上売上高が下落しているので、要件を満たすこととなります。
このように要件だけを見ると、多くの事業者が対象になりうるといえるでしょう。
緊急事態宣言枠のように緊急事態宣言の影響を受けたという要件がないため、使いやすい特別枠になる可能性が高いです。
ただし、回復・再生応援枠という名前だけあって、無理やり売上高を操作するようなケース、コロナの影響をほとんど受けていないケース、通年では売上高が伸びている・現状維持しているようなケースというのは減点対象になる可能性が高いといえます。
そのため、無理な売上操作はしない方が良いかと思われます。
あくまで自然に売上高が減少した場合に利用することをおすすめします。
再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は検討中)
「再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること」というやや難しい要件もあります。
再生支援協議会スキームは中小企業再生支援スキームをベースとした再生計画になるかと思います。
つまり、下記の4つの要件を満たすような企業が対象になるかと思います。
(1)過剰債務を主因として経営困難な状況に陥っており、自力による再生が困難である
こと。
(2)再生の対象となる事業に収益性や将来性があるなど事業価値があり、関係者の支援
により再生の可能性があること。
(3)法的整理を申し立てることにより債務者の信用力が低下し、事業価値が著しく毀損
するなど、再生に支障が生じるおそれがあること。
(4)法的整理の手続きによるよりも多い回収を得られる見込みがあるなど、債権者にと
っても経済合理性があること。
民事再生の直前ですが、一定の企業価値があると認められた企業が対象になるかと思います。
これだと要件が厳しすぎるので、ある程度は緩和されることが予想されます。
しかしながら、上記の売上高30%要件の方がはるかに簡単な要件となる可能性が高いので、よほど経営が厳しい企業以外はあまり気にしなくても良いかもしれません。
要件は緊急事態宣言枠よりも緩和される可能性が高い
要件は緊急事態宣言枠よりも緩和される可能性が高いといえます。
資料の中でも記載がある通り、
- 緊急事態宣言枠の影響は関係ない
- 主要な設備の変更を求めない
という要件緩和はすでに既定路線となっています。
また岸田政権の全体的な方針として高所得者の事業者を優遇するというよりも、厳しい環境にある人に分配するという流れになっています。
そのため、他にも要件が緩和される可能性は十分にあり、業況が厳しい中小企業にとっては心強い新設枠になるかもしれません。
回復・再生応援枠の採択率は?
回復・再生応援枠の採択率は高めになる可能性が高いといえるでしょう。
緊急事態宣言枠の採択率は55%~66%であることを考慮すると、50~60%前後になることが予想されます。
緊急事態宣言枠同様、採択率が高くなると予想される理由は緊急事態宣言の代わりの新設枠のためです。
補助率や補助額、要件などは緊急事態宣言枠とほとんど変わらないため、採択率も同様に高くなることが予想されます。
ただし、緊急事態宣言枠よりも緊急性が少ないことや要件が緊急事態宣言枠よりもやや緩和されていることを考慮すると、採択率は若干厳し目になる可能性もあります。
まとめ
今回は第6回公募から新設される回復・再生応援枠について解説してきました。
ポイントは下記の通り
- 全体的に緊急事態宣言枠を踏襲している
- 要件は緩和される可能性が高い
- 採択率は緊急事態宣言枠と同様に高くなる可能性が高い
- 緊急事態宣言の影響関係なしに、業況が悪化した事業者はチャンス
「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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