事業再構築補助金の第6回の公募結果が発表となりました。
今回は第6回の公募結果から分かる採択の方向性と第6回の申請に向けてのポイントについて解説していきます。
第6回での申請を考えている方は第6回の公募結果を見ることで、採択されるポイントを分かることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
事業再構築補助金の第6回の申込件数、採択率
2022年9月15日に第6回事業再構築補助金の公募結果が発表されました。
(第6回公募結果の概要について 事業再構築補助金HP)
事業再構築補助金の第6回の採択結果は申込件数が15,340件、採択件数7,669件、採択率が49%と過去最も採択率が高かったです。
過去の採択率と比較すると下記の通りとなります。
回数 | 申込件数 | 採択率 |
第1回 | 22,231 | 36% |
第2回 | 20,800 | 44% |
第3回 | 20,307 | 44% |
第4回 | 19,673 | 45% |
第5回 | 21,035 | 46% |
第6回 | 15,340 | 49% |
採択率が高かった理由は申込件数が昨年度よりも低かったのが大きな要因かと思われます。
今年度の事業再構築補助金の予算は6,000億円確保されていますが、採択件数は7,669件しかありませんでした。
採択率を低くすると予算を消化できなくなる可能性が高いため、採択率を高めたのではないかと思われます。
また、厳しい市場環境も後押しした可能性が高いです。
ウクライナ情勢の悪化を受けて、急激に進む円安やインフレ、原材料費の高騰等、2022年に入ってから、経済情勢が非常に悪化してきました。
こういった情勢も受けて、基準を低めに設定し、中小企業への支援を進めていこうと考えた可能性が高いでしょう。
第6回の応募件数が少なかったこと、厳しい市場環境が続いていることを踏まえると第7回、第8回の公募も審査が甘めになる可能性が高いです。
過去に不採択だった方も採択される可能性が上がると考えられますので、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。
枠ごとの応募件数と採択件数
枠ごとの応募件数と採択件数は下記の通りでした。
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 合計 | |
応募 件数 | 11,653 | 9 | 2,933 | 252 | 493 | 15,340 |
採択 件数 | 5,297 | 5 | 1,954 | 216 | 197 | 7,669 |
特に採択率が高かったのが最低賃金枠です。
約85%の採択率となっており、ほとんどの事業者が採択されています。
「成長と分配」という政策を打ち出している岸田首相の色が強く出ていると言えるでしょう。
回復・再生応援枠の採択率は66%です。
緊急事態宣言枠の代わりとなった回復・再生応援枠ですが、予想通り緊急事態宣言枠と同等の高い採択率となりました。
通常枠の採択率は45%でした。
第5回の通常枠の採択率は39.8%だったため、大幅に上昇したと言えるでしょう。
第5回の公募までは採択率30~40%だったので、特別枠の方が有利といえました。
しかしながら、今回のように高い採択率となるのと、通常枠の申請でも十分に期待ができます。
通常枠は特別枠よりも補助額が高い傾向にあるので、第7回からは積極的に狙ってみても良いかもしれません。
意外だったのが、グリーン成長枠の採択率の低さです。
採択率が40%と、最も採択率が低い枠となりました。
他の枠よりも書類の作成が難しく、また公募要領自体も具体性に欠けることから、苦戦した事業者が多かったのではないでしょうか。
グリーン成長枠で申請する方は事業計画書をより質の高いものにしていく必要があります。
第6回の採択結果で多かったビジネスモデル
第6回の公募では下記のビジネスモデルでの採択結果が多い印象でした。
- 半導体に関する事業再構築
- オンライン関係が減少傾向
- 製造業は堅調に採択
具体的に解説していきます。
半導体に関する事業再構築
半導体に関する事業再構築を行う企業が増えました。
グリーン成長枠が創設された影響もあり、パワー半導体やEV向けの半導体などの製造を行う企業が第6回では増えました。
依然として半導体不足が叫ばれており、今後も堅調な需要が期待できるでしょう。
また、グリーン成長枠の採択率は全体としては低かったものの、半導体製造に関わる事業再構築で採択された事例は数多くありました。
過去に採択された事業者でも半導体製造を狙って事業再構築に取り組んでみるというのも良いかもしれません。
オンライン関係が減少
オンラインショップやオンラインサービスを基軸とした事業計画が少なくなってきた印象をうけました。
コロナの影響が徐々に限定的になっていく中で、オフライン方式を意識した企業が増えた影響かと思われます。
第7回以降で申請する方はオンラインだけではなくオフラインでの事業展開に目を向けても良いかもしれません。
製造業が堅調に採択される
製造業は以前から堅調に採択されていましたが、第6回の採択でも順調に採択された印象です。
特に半導体、電気自動車など国として取り組んでいる事業での採択率が高い印象でした。
まとめ
今回は第6回の事業再構築補助金の採択結果について解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 応募件数は減少、一方で採択率は過去最高に
- 最低賃金枠の採択率が高く、第6回でも狙い目
- グリーン成長枠の採択率は低め。質の高い事業計画が求められる
- 半導体、オフライン展開、製造業は第6回でも狙い目に
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事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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