事業再構築補助金の競合他社分析の方法を解説

事業再構築補助金の事業計画を策定する際、競合他社は重要なポイントの一つです。
とはいえ、「競合他社分析や競合他社分析をやったことがない」・「どうやってやれば良いか分からない」という方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は事業再構築補助金の競合他社分析の方法について解説していきます。

競合他社分析とは

競合他社分析とはこれから行う事業と同じような事業を行っている他社を分析し、成功確率を高めることをいいます。
事業再構築補助金では競合他社分析も重要視される要素の一つです。
公募要領の審査項目の中にも下記の通り記載されています。

「事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか」
（事業再構築補助金　第7回公募要領　Ｐ38）

競合他社分析は事業再構築補助金の審査において重要度が高い要素の一つと言えるでしょう。

もちろん、競合他社分析は事業再構築補助金の審査においてのみではなく、事業の成功にもつながる重要な要素の一つです。
競合他社よりもどのような点において、差別化していくかという点において明確に説明できなければ成功する可能性は低くなるでしょう。
とはいえ、「競合他社分析をやったことがない」「やり方がわからない」という事業者の方も多いでしょう。
そこで、具体的な競合他社分析の方法について次の章で解説していきます。

競合他社分析の方法

事業再構築補助金における競合他社分析の方法は事業再構築補助金のホームページ内に掲載されている「事業再構築　虎の巻」を参考にすることをおすすめします。
競合他社分析の方法についてはＰ12およびP13に明記されています。

方法について具体的に解説していきます。

調査方法

競合他社の調査方法については下記の2つの方法を利用します。

HPや口コミサイト
商品の試用

調査方法の一つ目として「HPを確認する」という手法があります。
最も確認したいポイントは集客方法です。
どのような方法で集客しているのかは必ず確認しなければなりません。
主な集客方法としては下記が考えられます。

楽天市場やAmazonなどのプラットフォームでの集客
自社のコンテンツを充実させて、SEO対策
インフルエンサーを活用したSNSマーケティング
アドセンスでのWEB広告

どのような手法がメインで集客しているのかをHP上でしっかりと調査しましょう。
ホームページの分析においては「SimilarWeb」が非常に有効的です。
およそのアクセス数や流入経路を把握できますので、ホームページ分析においては活用したいところです。

調査方法の二つ目として「口コミサイトの評判を調べる」という手法があります。
飲食店であれば「食べログ」、サロン系であれば「ヘアログ」など。
他にもAmazonや楽天市場、ホットペッパーなどのプラットフォームの口コミを参考にするのも良いでしょう。
特に悪い評価は重要で、自社の商品の差別化のヒントにもなります。

最後に「商品の試用」による調査方法があります。
特に口コミサイトの分析の後に行うと効果的で、商品の良し悪しを自ら体験することができます。
実際の商品だけではなく、見た目やパッケージなども確認しておくと良いでしょう。

調査項目

実際に調査すべき項目は下記の通り。

商材の性能、価格
技術/知財
販売網、提携先
SNS、広告出稿
業界知見・ノウハウ

代表的な競合他社分析は下記の通り。

(株式会社中心屋事業再構築補助金採択事例　事業計画書)

価格的には同業他社と同程度のレベルであるものの、食品ロスを控えられる点や配達エリアが限定されていない点、法人営業を積極的に行っている点などを差別化要因として挙げています。
このように自社は他社と比べて、何が優れているのかを説明していきましょう。

よくある注意点として「低価格帯で勝負する」という差別化要因がありますが、低価格帯での勝負はあまり好ましくありません。
同業他社も対抗して、低価格帯での商品をリリースしてきて、価格競争になる可能性が高いためです。
特別な仕入れルートがあるなら別ですが、なるべく価格以外の点で勝負していきましょう。

良い調査のポイント

良い調査のポイントは周辺領域を含めて競合の強さ・数を把握し、差別化余地の検討材料を収集することです。
店舗ビジネスの場合は実際に店舗を構えようとしている周辺地域の競合他社の分析を上記を踏まえて、行います。
実際に足を運んでみないと分からないことも多いので、必ず現地を確認するようにしてください。
競合他社は一次商圏と呼ばれる半径1.2kmを基準とするのが良いでしょう。
実際の競合他社の動向調査例は下記の通り。

競合他社分析は事業成功のカギを握る重要なポイント

競合他社分析は事業成功のカギを握る重要なポイントです。
競合他社分析をしっかり行っていなければ、他社との競争に負ける可能性が高くなるためです。
特に重要なのが「実際に足を運ぶこと・漏れなく調査すること」の2点です。
余裕があれば、実際に利用した顧客のアンケート調査を行ってみても良いかもしれません。
顧客がなぜあなたのお店を選ぶのか・他社と異なる点はどこなのか。
徹底的に分析することで、事業成功の確率も格段に上がります。
競合他社分析は入念にするようにしましょう。