事業再構築補助金第7回公募結果が発表され、様々な採択事例が公開されました。
ウクライナ情勢の悪化や急速に進んだ円高など市場環境が異なってきたため、依然とは異なる事業テーマが増えてきました。
そこで今回は事業再構築補助金の第7回公募結果から分かる狙い目の事業テーマを解説していきます。
事業再構築補助金の第7回公募結果
事業再構築補助金の第7回公募結果は下記の通りです。
【第7回公募】
通常枠 | 大規模賃金引上枠 | 回復・再生応援枠 | 最低 賃金枠 | グリーン成長枠 | 緊急対策枠 | 合計 | |
応募 件数 | 9,292 | 11 | 2,144 | 162 | 543 | 2,980 | 15,132 |
採択 件数 | 4,402 | 5 | 1,338 | 131 | 217 | 1,652 | 7,745 |
第7回公募から新たに緊急対策枠が追加されました。
回復・再生応援枠よりも補助金額上限が大きく、通常枠よりも採択率が高いことから利用しやすい類型といえるでしょう。
第7回公募の採択結果でも緊急対策枠を利用した採択事例というのも多く見受けられました。
第7回の公募結果については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
第8回公募の狙い目の事業テーマ
第7回の公募で採択率が高い事業は第8回公募、第9回公募でも狙い目となります。
そこで、事業再構築補助金第7回公募 採択結果をもとに狙い目の事業テーマについて解説していきます。
電気自動車関連サービス
以前の公募までは電気自動車といえば、ガソリン車の部品製造する企業が電気自動車向けの部品製造に事業再構築するという事例が多い傾向にありました。
しかしながら、第7回では電気自動車のインフラでの事業再構築補助金の採択事例が増えてきた傾向にあります。
例えば、
- 電気自動車の車検
- 自動車整備
- 塗装
- 電気自動車のオーナー向けのWEBメディア
- 充電設備の導入
- ショールーム
などが代表例です。
第6回公募からグリーン成長枠が創設されたことや、電気自動車が徐々に普及し始めたことなどから製造業以外でも電気自動車に取り組む事例が増えてきました。
観光関連事業
観光関連事業に取り組む事業者が増加してきました。
水際対策の緩和や急速な円安傾向によるインバウンド需要への期待感、全国旅行支援などの官公庁による支援など観光業に対して追い風が吹いています。
昨今厳しい状況が続いていた観光関連事業ですが、ようやく底を抜け出した感があります。
そのため、事業再構築補助金でも新たな事業として観光関連事業に取り組む事業者が増加傾向にありました。
代表的な採択事例は下記の通り。
- 観光客等が芸妓の演舞・接遇を体験する「柳都サロン」の開設
- 国内初のヘリコプター整備認定会社が地元自治体とタッグを組み観光事業に挑戦
- 観光バス活用によるペットツーリズム
- ドローンを大自然で満喫!地域観光資源とコラボした体験型ラボの新設
- 所有の古民家を利用して、貸別荘&レンタルスペースとして整備し、観光事業に新規参入。
- 若者層(観光客・地元客)をターゲットにした、金箔と食品を通じた金沢らしさを感じる新コンセプトの店舗への改装計画。
- 観光資源に恵まれた郡上市内でのくるま旅サポート事業への進出
- 観光市場を活性化 屋内体験型市場の展開
- 高まる国内観光需要に対応した完全非接触型の戸建て宿泊施設
- 屋外複合宿泊施設を完備した宿泊観光サービス事業
- 飲食店とドローンを活かした観光分野への進出
越境向けEC
歴史的な円安を背景とした越境向けECに取り組む事業者も数多くいました。
事業再構築補助金ではシステム構築費や専門家経費、外注費など幅広い範囲で補助金がでます。
越境ECは国内向けECよりも費用が掛かりますが、多くの経費を事業再構築補助金で賄うことができます。
イニシャルコストは高いものの、ランニングコストは低いため、おすすめできる事業モデルの一つといえるでしょう。
代表的な採択事例は下記の通り。
- 会員制日本製品限定越境EC
- 観光支援ノウハウを活かした越境EC事業による新分野展開
- グリーン建材専用の越境ECサイトシステム開発による物流DX
- 自社オリジナル製品+美容・健康商品の中国向け越境EC事業
- 未来へつなぐものづくり男性向け化粧品開発と越境EC事業への挑戦
- 地元材木店と連携して和風建材を製作、越境ECサイトで海外に販売
- 日本文化「書道」作品を越境ECサイトで海外へ販売する新分野展開事業計画
- 中国越境ECのBtoCからBtoBへの参入による事業再構築
半導体関連
半導体関連事業はグリーン成長枠の創設もあり、採択件数も増加傾向にありました。
景気減速により一時期よりも需要は減速したものの、依然として半導体には高い需要があります。
グリーン成長枠では、過去に採択された事業者でもチャレンジできますので、積極的に申請しても良いかもしれません。
代表的な採択事例は下記の通り。
- 半導体製造装置向け部品軽量化による輸送プロセス脱炭素化貢献事業
- 半導体製造プロセスなどに用いられる加熱装置内の熱解析受託事業
- 熟練の技術力を活かし、半導体工場等で使用されるサニタリー管の自社加工を実現
- 路線バス向け部品製造から、半導体製造装置向け部品製造への事業再構築
- グリーン成長戦略に貢献する半導体・情報通信産業への本格参入
- 板金加工からグリーン成長分野である半導体関連装置の部品製造へ新分野展開
まとめ
今回は事業再構築補助金第7回公募の採択事例から第8回公募以降で狙い目になる事業テーマについて解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 第7回の採択率は過去最高。今後も高い水準になる見込み
- 電気自動車関連サービス、インフラ関連は増加傾向
- 円安や水際対策緩和もあり、観光業に取り組む事業者が増加
- 円安を背景に越境ECが増加
- グリーン成長枠の創設も影響し、半導体関連事業への採択が増加
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