初期費用を抑える！飲食店で新規出店するときの補助金の選び方

飲食店の出店には「設備投資・内装工事・人件費」など、大きな資金が必要になります。
しかし自己資金や借入だけで賄おうとすると、開業後の運転資金に余裕がなくなり、経営リスクが高まってしまいます。そこで活用したいのが補助金制度です。

ただし補助金には種類が多く、それぞれ対象や要件が異なるため、「どの補助金が飲食店の出店に最も適しているのか」が分かりづらいのも事実です。

本記事では「飲食店 出店 補助金」をテーマに、特に活用しやすい 新事業進出補助金 と 省力化投資補助金 を中心に解説していきます。

監修: 駒田 裕次郎（こまだ ゆうじろう）

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上（2025年1月末現在）

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

飲食店の出店に活用できる補助金とは？

飲食店の新規出店では、内装・設備投資・人材確保・集客まで初期コストが大きくなりがちです。
ここでは、出店時に検討すべき代表的な支援制度を、目的別にわかりやすく整理します。

新事業進出補助金

• 制度の狙い：既存と異なる市場・高付加価値領域への新規参入や業態転換を後押し。
• 飲食店での使いどころ：新コンセプトの店舗（例：健康志向・観光連携・体験型）、既存業態からの転換など。
• 対象経費：店舗改装や設備、プロモーション、IT活用等（詳細は公募要領の区分・要件で要確認）。建物費が補助対象となるのがポイント
• ポイント：「高付加価値性」「市場性」「収益性」「賃上げ方針」など、計画の一貫性と数字の裏付けが鍵。

省力化投資補助金（一般型）

• 制度の狙い：人手不足への対応や生産性向上のための省人化・自動化機器の導入支援。
• 飲食店での使いどころ：新規出店時に合わせて 配膳ロボット・セルフオーダー／券売機・POS・キッチン自動化・食洗機・空調換気などを導入。
• 効果の方向性：ピークの人手不足緩和、回転率の改善、人的ミス・教育コストの低減、標準化。
• ポイント：導入設備が省力化の因果を生むことを示す（人件費・工数の削減根拠、オペレーションの変化、回収計画）。カタログ型と一般型があるが、特に一般型が使いやすくおすすめ

小規模事業者持続化補助金（開業資金用途が中心）

• 制度の狙い：小規模事業者の販路開拓・業務効率化を支援。商工会議所／商工会が窓口。
• 飲食店での使いどころ：開店初期の販促・Webサイト制作・チラシ・小規模な内装など、出店初期の集客施策に相性◎。
• ポイント：大規模な設備投資には向きにくいが、初期の集客とブランドづくりを補う用途で有効。上限や加点要件は公募回で変動するため要確認。

制度比較（ざっくり早見表）

※最新の公募要領はホームページ等でご確認ください。

新事業進出補助金で飲食店出店をサポート

新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金は、中小企業や個人事業主が既存の事業とは異なる新市場への参入や、高付加価値を伴う業態転換に取り組む際に支援される制度です。
飲食店の新規出店においても、単なる店舗数の拡大ではなく、「新しいコンセプト」「地域課題の解決」「顧客層の拡大」に資する事業であれば補助対象になります。

補助金額や補助対象経費が幅広い反面、難易度が高めの補助金となっています。

飲食店で対象となるケースの例

• 健康志向や食育をテーマとした新コンセプト店舗
• 観光資源や地域産品と連携した新業態の飲食店
• 既存業態からカフェ・テイクアウト・デリバリーなどへの業態転換
• デジタル技術を活用した体験型飲食サービスの導入

飲食店での活用事例

実際に飲食店が新事業進出補助金を活用する場合、以下のような取り組みが考えられます。

• 地域特化型の新業態飲食店の開業
  例：地元の特産品をメインにした郷土料理専門店や、観光地でのご当地グルメ発信店舗。
  地域経済への波及効果が高く評価されやすい分野です。
• フィットネス併設カフェ・健康志向レストラン
  健康・運動・食の融合によって新しい付加価値を提供する形態。
  「高付加価値性」が重視される補助金制度の趣旨に合致します。
• 観光需要に応える体験型飲食サービス
  例：料理教室や地域体験と一体化した店舗、インバウンド需要を取り込む新業態など。

申請時の注意点

新事業進出補助金の申請では、単に「新しいお店を出したい」という計画では採択されにくく、
数値の裏付けと計画性が求められます。

• 付加価値額の要件
  補助事業終了後の3～5年間にわたり「付加価値額」や「賃上げ」に関する目標値を示す必要があります。
  これらを達成できなかった場合、補助金の返還を求められるリスクもあるため注意が必要です。
• 賃上げ要件
  一定の賃上げ計画を表明することが採択の必須条件となっています。
  人材確保が難しい飲食業界では、事業計画の中に働きやすさ改善や人材投資の方針を織り込むことが重要です。
• 計画性（収益計画・市場分析）の重要性
  事業計画書には、ターゲット顧客層・競合との差別化・収益モデル・投資回収計画などを具体的に記載する必要があります。
  特に飲食店の場合は来店数や客単価の根拠を示すことが採択の大きなポイントです。

以上のように、新事業進出補助金は「飲食店の新しい挑戦」に大きな支援をしてくれる一方で、
要件を満たすためには緻密な計画と書類作成が欠かせません。
経験豊富な専門家のサポートを得ることで、採択率を高めつつリスクを抑えることができます。

関連記事：新事業進出補助金で飲食店は補助対象？解説します

省力化投資補助金で人手不足を解消しながら出店準備

省力化投資補助金の概要

省力化投資補助金は、中小企業が人手不足や生産性の課題を解決するためのDX・省人化機器の導入を支援する制度です。
飲食店の新規出店においては、開業時にあわせて最新の自動化設備を導入することで、従業員の負担軽減と効率化を同時に実現できます。
単なる設備購入補助にとどまらず、長期的な人件費削減・売上拡大につながる仕組みづくりを支えるのが特徴です。

飲食店で導入できる対象設備

省力化投資補助金で対象となる設備は、飲食店のオペレーション効率を大きく改善するものが中心です。

• 配膳ロボット
  ホールスタッフの配膳業務を代替し、少人数での店舗運営を可能に。ピークタイムの人手不足解消に効果的です。
• セルフオーダー・券売機
  タブレットや券売機による注文・会計を自動化し、注文ミス削減・回転率向上につながります。
• 厨房自動化機器（食洗機・自動フライヤー等）
  洗浄・揚げ物・仕込みなど時間のかかる作業を効率化。スタッフ教育コストや作業時間の削減に寄与します。
• 空調・換気設備
  快適な店内環境の維持と感染症対策に直結。コロナ禍以降、非接触・衛生配慮を重視する顧客ニーズに対応可能です。

成功事例

実際に省力化投資補助金を活用した飲食店の出店事例では、次のような成果が報告されています。

• 人件費削減＋効率化を両立した出店パターン
  配膳ロボットとセルフオーダーを組み合わせて導入。
  開業当初から従業員数を抑えながらピーク需要に対応し、人件費率を大幅に削減。
  オペレーションの標準化によって、アルバイト教育コストも低下しました。
• コロナ禍以降の非接触ニーズに対応
  券売機やタブレットオーダーを導入し、接触回数を最小化。
  感染症対策に敏感な顧客層を取り込み、安心して利用できる店舗として評価を獲得。
  衛生配慮をアピールすることでリピーター獲得や新規客増加にもつながりました。

省力化投資補助金は、単に「機械を導入する」だけではなく、人材不足・衛生対策・顧客体験の改善を同時に実現できる点が大きな魅力です。
飲食店の新規出店時に戦略的に組み込むことで、初期投資の負担を軽減しつつ、持続的な経営基盤を築くことができます。

小規模事業者持続化補助金（開業・販路拡大向け）

小規模事業者持続化補助金は、全国の商工会議所・商工会が窓口となる、中小企業・個人事業主向けの定番補助金です。
特に新規開業や小規模な飲食店の出店においては、内装費の一部や広告宣伝費、ホームページ制作費など、販路開拓に関する幅広い費用をサポートしてくれます。

• 主な対象経費： 内装費の一部、チラシ作成費、ホームページ制作費、看板設置費、広告宣伝費、Web広告 など
• 補助率： 2/3
• 補助上限： 50万円（インボイス対応や賃上げ特例で100万円以上となるケースもあり）

大規模な厨房機器やロボット導入といった大きな設備投資には不向きですが、
出店初期の「集客」や「販促活動」を強化する目的での活用には非常に有効です。

「まずは小規模で出店して様子を見たい」「低コストで地域密着型の飲食店を立ち上げたい」という個人事業主や小規模飲食店にとって、
小規模事業者持続化補助金は心強い資金調達手段となります。

補助金申請は専門家サポートで成功率が高まる

飲食店の出店に補助金を活用する際、事業計画書や申請書類の作成には専門的な知識が求められます。
制度ごとに要件や対象経費が異なり、自社に最適な補助金を選ぶのは簡単ではありません。
さらに補助金ごとに要件があり、細かな要件でも満たさない場合、せっかく時間をかけて準備しても不採択になることもあります。

こうしたリスクを避け、採択率を高めるためには、補助金申請の経験豊富な専門家のサポートを受けることが有効です。

駒田会計事務所による支援の特徴

• 採択実績： これまで数多くの補助金申請を支援し、飲食店を含む幅広い業種で採択を獲得してきた実績があります。
• 全国対応： 地方を含め、オンライン面談を活用して全国の事業者様をサポート可能。
  「近くに相談できる専門家がいない」という方でも安心です。
• 総合的な支援： 補助金申請サポートに加え、出店に伴う資金計画・資金調達・税務相談まで一貫して対応します。
  出店後の経営改善や財務戦略まで見据えた支援が可能です。

駒田会計事務所では、補助金の「採択される事業計画づくり」に重点を置き、
事業者様の強みや地域特性を踏まえたオーダーメイドの計画策定をサポートします。
補助金を有効に活用し、安心して飲食店出店を実現したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

今回は飲食店の新規出店に使えるh除菌をテーマにに解説してきました。
出店計画に合わせて補助金を上手に活用することで、初期投資の負担を軽減し、安定した経営基盤を築くことが可能です。
ただし、補助金には細かな要件があり、自社に合った制度を選ばないとせっかく準備しても無駄になるリスクがあります。
そのため、専門家と一緒に計画を立てることが成功への近道です。

ポイントは下記の通りです。

• 飲食店の出店には複数の補助金が活用できる
• 新事業進出補助金は新市場・高付加価値型の出店に有効
• 省力化投資補助金は人手不足解消や効率化設備導入に適している
• 小規模事業者持続化補助金は販促費や開業初期の資金に活用可能
• 補助金申請は要件が複雑なため、専門家に相談することで成功率が高まる

駒田会計事務所では、飲食店の出店に伴う補助金申請サポート・資金計画・税務相談まで一貫して対応しています。
補助金を有効活用して、リスクを抑えながら新たな店舗展開を目指したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

まずは無料相談から始めてみませんか？

「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
駒田会計事務所では、初回無料相談を通じて、事業内容やビジョンに合った補助金の活用方法をご提案しています。