事業再構築補助金

物価高騰対策・回復再生応援枠と最低賃金枠は人件費助成制度の利用をおすすめ!

物価高騰対策・回復再生応援枠と最低賃金枠は人件費助成制度の利用をおすすめ!

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に対し、経済環境の変化を乗り越え、新たな事業構築を進めるための支援として「事業再構築補助金」が導入されました。
従来の事業再構築補助金は人件費が補助されないというのがネックでしたが、2023年度の第10回公募から新たに人件費助成制度である「産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)」が創設されました。
物価高騰対策・回復再生応援枠と最低賃金枠が利用することができ、企業の人件費負担を軽減することが可能となります。
本記事では制度の詳細と利用方法、そして注意点について詳しく解説します。

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)とは

新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動が縮小された事業主が、事業再構築を行うための新たな人材を雇用することを支援するための制度です。
具体的には、物価高騰対策・回復再生応援枠や最低賃金枠における「事業再構築補助金」の利用を通じ、新たな人材の受け入れを円滑に行うことが期待されます。
詳細については「産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)支給要領」の中にて解説されています。
具体的な要件や金額について解説していきます。

助成対象となる要件

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の対象となる事業主と労働者の要件は以下の通りです。

【事業主】

  • 令和5年4月1日以降に中小企業庁の「事業再構築補助金」の応募を行い、交付決定を受けていること(物価高騰対策・回復再生応援枠や最低賃金枠のみ)
  • 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として労働者を雇用すること
  • 期間の定めのない労働契約を締結する労働者を雇用すること
  • 「事業再構築補助金」の補助事業実施期間内に労働者を雇用すること
  • 労働者を雇入れる6か月前から申請までの期間に、解雇等を行っていないこと

【労働者】

  • 交付決定を受けた事業に関する業務に就く者で、専門的な知識や技術が必要となる企画・立案、指導(教育訓練等)の業務に従事する者
  • または、部下を指揮および監督する業務に従事する者で、係長相当職以上の者
  • 1年間に350万円以上の賃金(時間外手当及び休日手当を除いた、毎月決まって支払われる基本給および諸手当)が支払われる者

助成額と対象期間

助成額は中小企業が280万円/人(140万円×2期)、中小企業以外が200万円/人(100万円×2期)となっています。
助成対象期間は1年間で、一事業主あたり5人までの支給に限られます。
支給は雇入れから6か月を第1期、次の6か月を第2期として、6か月ごとに2回に分けて行われます。

よくある質問について

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)FAQ)にてよくある質問がまとめてあります。
この中から重要な点を抜粋して紹介します。

01-02

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)は労働者を雇い入れた事業所の事業主に対して支給されます。

01-03

令和6年度以降の取り扱いについては未定です。この制度の利用を考えている事業者は、最新の情報を確認することをおすすめします。

02-01
「事業再構築補助金」の採択を受けたすべての事業主が本助成金の対象ではありません。対象は、第10回公募要領に基づく「物価高騰対策・回復再生応援枠」および「最低賃金枠」の採択を受けた事業主であり、事業計画に人材確保に関する記述が必要です。

02-02
令和5年4月1日より前に事業再構築補助金の交付決定を受けた場合は、労働者を雇い入れても支給対象とはなりません。

02-03
事業再構築に必要な者が、役員等の雇用保険被保険者でない場合は、支給対象となりません。

02-04
事業再構築補助金の交付決定を受けても、事業計画の「実施体制」中に人材確保に関する記述がない場合は、労働者を雇い入れても支給対象となりません。

02-05
有期雇用契約労働者は対象とならず、期間の定めのない労働契約を締結する労働者が対象です。パートタイム労働者も対象外です。

02-06
労働者は、事業再構築補助金の補助事業実施期間内に雇い入れる必要があります。

02-07
雇用保険適用事業所でなければ支給対象となりませんが、新たに雇用保険適用事業所となる場合は支給対象となります。

02-08
労働者を雇用している事業所で、労働者を事業主都合で解雇した場合は、助成対象となりません。

02-09
雇用保険と労災保険の両方に加入していなければなりません。

02-10
労働保険料を滞納している事業主は支給対象となりません。

03-01
助成金の対象労働者: 事業再構築補助金を受け取った新たな事業で働く者で、以下の条件を満たす者が対象です。 a) 専門的な知識や技術が必要な企画・立案や指導の業務に従事する者 b) 部下を指揮・監督する係長相当以上の者 また、1年間に350万円以上の基本給と諸手当が支払われる者も対象となります。ただし、各支給対象期の賃金が175万円以上でない場合は、その期間についての支給は受けられません。

03-02
証明方法: 対象労働者雇用状況等申立書に従事する業務内容を記載し、業務内容、部署が明らかになる事業主の組織図等を提出します。

03-03
自営業者等: 自営業者、個人事業主、フリーランスへの業務委託は対象外で、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇う必要があります。

03-04
既に雇用した経験のある者: 雇用日の前日から過去3年間に既に雇用、請負、委任、出向、派遣の関係にあった労働者を再雇用する場合は対象外です。

03-05
グループ会社からの雇用: 雇用日の前日から過去1年間に、労働者と雇用、請負、委任、出向、派遣の関係にあった資本的・経済的・組織的に独立性が認められない事業主からの雇用は対象外です。独立性の判断は出資状況や取締役会の構成等に基づきます。

03-06
事業主の親族への雇用: 事業主または取締役の3親等以内の親族を雇う場合は対象外です。

04-01
助成対象期間とは、対象労働者の雇入れ日(賃金締切日が定められている場合はそれに関わる日)から起算して1年間です。この期間を前半6か月が第1期支給対象期、後半6か月が第2期支給対象期とします。

04-02
助成金の支給要件における「350万円以上の賃金を支払うこと」には、残業手当、休日手当、賞与(ボーナス)は含まれません。基本給と諸手当(労働協約、就業規則又は労働契約で明示されているもの)だけが対象です。ただし、手当が含まれるかどうかはその名称ではなく、実態により判断します。

04-03
対象労働者の賃金が途中で下がり、助成対象期間の賃金が350万円に満たない場合、既に受けている第1期支給対象期の助成金を返還する必要があります。これは、助成金の支給が支給対象期間全体で支給要件を満たすことを前提としているためです。

04-04
支給決定までに対象労働者が自己の都合で離職した場合、助成金の支給を受けることはできません。また、第1期支給対象期に対象労働者が離職した場合、既に受けている助成金を返還する必要があります。ただし、対象労働者の解雇や死亡、天災などやむを得ない理由で事業が継続不可能となった場合は例外となります。

04-05
それぞれの支給対象期の賃金が175万円以上でないと、その期間の助成金の支給を受けることはできません。助成対象期間全体での賃金が350万円以上でも、この規定は適用されます。つまり、第1期と第2期それぞれの賃金が175万円以上である必要があります。

05-01
支給申請書は雇用保険適用事業所ごとに提出します。

05-02
支給対象期ごとに、各支給対象期の末日の翌日から起算して2か月以内に提出が必要です。ただし、天災等により期日までに提出できない理由がある場合は、理由がなくなった後1か月以内に提出します。

05-03
産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の申請には、支給申請書、対象労働者雇用状況等申立書、事業再構築実施結果報告書、事業再構築補助金の交付決定書類、雇用契約書や雇入れ通知書、賃金台帳、出勤簿、事業主の組織図等の写し、支給要件確認申立書、支払方法・受取人住所届等が必要です。

05-04
これらの様式は管轄する都道府県労働局、ハローワーク、または厚生労働省のホームページから取得できます。

05-05
社会保険労務士が代理申請する場合や、支給申請事業主の事業所の従業員が申請書等の提出のみを行う場合は委任状は不要です。しかし、従業員が内容の修正を行う場合は、事業主の委任状が必要です。

05-06
助成金についての詳しい問い合わせや支給申請は、事業所所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークへ行います。

05-07
助成金の支払いは、支給申請を行った後、適切な審査を経て可能な限り速やかに決定されます。ただし、申請書類に不備等がある場合は、申請内容の確認に時間がかかる可能性があります。

05-08
支給申請書は、労働局やハローワークの窓口で提出する他、郵送やオンラインでも受け付けています。オンラインでの申請は特定のURLから行うことができます。

05-09
支給申請書を提出した後、労働局やハローワークから確認の連絡や事業所への立入検査が行われる場合があります。

05-10
支給申請の結果は、支給決定または不支給決定の通知書を届け出た住所に郵送します。

05-11
助成金は、支給決定通知書に記載された額が、支給申請時に届け出た口座に振り込まれます。

05-12
申請期限の末日が行政機関の休日(土曜日、日曜日、国民の祝日や12月29日から翌年の1月3日までの日)に当たる場合は、その翌開庁日が申請期限となります。

05-13
相談や申請手続きは、都道府県労働局またはハローワークが窓口となります。

05-14
支給申請書の申請に必要な添付書類は全て原本を提出する必要はありません。写しでも差し支えありません。

05-15
事業再構築補助金の事業計画に記載する「実施体制」の他に、「人材確保計画」を事前に労働局またはハローワークへ提出する必要はありません。

06-01
事業再構築補助金は、中小企業庁が実施する制度で、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促す目的があります。

06-02
事業再構築補助金の手続きは中小企業庁が実施しています。詳細は事業再構築補助金のHPをご確認ください。

06-03
産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の支給に関して、厚生労働本省、都道府県労働局、ハローワーク以外から直接お電話や訪問があることはありません。金融機関の暗証番号を求めるような電話があった場合、それは不審な通信と考えて良いでしょう。

06-04
産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)は、同一の賃金の支出について他の雇用関係助成金を受給している場合、支給対象とならないことがあります。

06-05
産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)は、法人事業主の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となります。

06-06
補助事業実施期間の途中で事業再構築を止めた場合でも、採択された事業計画に基づいていた場合は産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の支給対象となる可能性があります。

まとめ

コロナウイルスの影響により事業再構築を迫られている事業者の方々にとって、産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)は大きな力となることは間違いありません。
事業再構築補助金の物価高騰対策・回復再生応援枠と最低賃金枠を利用する方は適切な申請手続きを進めていきましょう。

 

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