事業再構築補助金

第7回公募の事業再構築補助金グリーン成長枠の採択事例・採択結果を紹介

第7回公募の事業再構築補助金グリーン成長枠の採択事例・採択結果を紹介

グリーン成長枠は過去に採択された事業者でも申請可能な柔軟な枠組みである一方で、採択率が低い傾向にあります。
要件も曖昧な部分もあるため、苦戦している事業者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は事業再構築補助金のグリーン成長枠での採択事例・採択結果を紹介していきます。
過去の採択事例を参考に、どのような事業が採択されるのかを確認し、自社の事業計画のヒントにしていきましょう。

グリーン成長枠の採択結果

第7回の公募要領でのグリーン成長枠の応募件数と採択率は下記の通りでした。

  • 応募件数・・543件
  • 採択件数・・217件
  • 採択率・・39.97%

なお、第6回の公募要領でのグリーン成長枠の応募件数と採択率は下記の通りでした。

  • 応募件数・・493件
  • 採択件数・・197件
  • 採択率・・39.96%

前回同様、特別枠の割には低い採択率となりました
過去の採択された事業者も申し込めることや要件は抽象的で分かりにくいことなどが採択率が低くなった要因かと思われます。
グリーン成長枠は審査に落ちても、通常枠で再審査されますので、通常枠の書類の準備もしておくことをおすすめします。

グリーン成長枠の採択事例

グリーン成長枠は下記の14分野に取り組む事業者に対して支援するという性格の枠組みです。

グリーン成長戦略(概要) 経済産業省
過去の採択事例の中ではどの事業計画がグリーン成長枠で採択されたかという点は明記されていません。
しかしながら、事業計画の内容を見ることで、およそグリーン成長枠での採択事例を予想することができます。
第7回のグリーン成長枠で採択されたと考えられる採択事例は下記の通り。

半導体・情報通信

最も採択件数が多いと考えられるのが半導体・情報通信の分野です。
特に半導体分野の事業再構築に取り組む製造業が多い印象でした。
とはいえ、半導体は景気減速の影響からか厳しい状況となると予測されています。
勝算があるかどうか事前に十分な検証が必要と言えるでしょう。
代表的な採択事例は下記の通り

事業計画名グリーン成長戦略に貢献する半導体・情報通信産業への本格参入
事業計画概要当社は、新型コロナウイルスの感染拡大により売上高が減少した。今般のような経済危機に対応できる安定した経営に繋げるため、本事業にて、グリーン成長戦略に貢献する半導体・情報通信産業への本格参入による事業再構築に取り組み、5年後に総売上高の30%を占める事業に育成していく。
事業計画名板金加工からグリーン成長分野である半導体関連装置の部品製造へ新分野展開
事業計画概要精密な板金加工技術を確立して、新たにグリーン成長分野である半導体関連装置の部品製造に進出し再構築を図り、同時に省エネ・グリーン化、省Co2化にも貢献する新規事業。
事業計画名半導体・情報通信産業におけるグリーン成長分野への新分野展開
事業計画概要半導体のグリーン成長戦略の課題は、製造装置の大型化への対応である。本事業では、大型複合加工機を導入し、属人的な作業を排除する工程集約とデジタル活用の仕組みへと革新させ、「新分野展開換」を図り事業再構築を目指す。

自動車・蓄電池

自動車・蓄電池は主にEV関連の採択事例が多いです。
電気自動車関連の部品製造やガソリン車のエンジン代わりになる蓄電池の製造、EVのインフラ整備などが主な対象となると考えられます。
半導体の次に採択事例としては多い印象でした。
代表的な採択事例は下記の通り

事業計画名EV向け自動機部品への新進出によるグリーン成長事業
事業計画概要コロナの影響(中国のロックダウン、国際物流の停滞など)で、当社の納入体制が崩れた。一方で、主要取引先が国内調達へ切替える動きがあり、当社へ増産要請がある。本事業では、EV向けの自動機部品の製造を行い、グリーン成長事業を推進する。
事業計画名航空機からグリーンエネルギーへ 蓄電池部品への参入
事業計画概要コロナ前に航空機部品の量産加工のため工場、大型設備を導入したが期限なしの延期となっている。今後成長が見込め、また同じ工場で加工できる大物蓄電池部品の製造を計画した。高効率設備の導入と、大物部品につき既存工場が手狭になるため倉庫を新設する。
事業計画名グリーン成長戦略を背景に拡大するEV充電インフラ市場への進出
事業計画概要グリーン成長戦略を背景にEV充電インフラ市場が拡大している。当社はシート洗浄機及び高精度カシメ加工専用機を導入し、脱脂工程及びカシメ工程の品質向上を図ることで新たな市場へ進出し収益機会を捉える。

洋上風力発電・太陽光・地熱

洋上風力発電などのクリーンエネルギー関連もグリーン成長枠の補助対象となります。
しかしながら、クリーンエネルギーの発電設備や付帯設備は補助対象外となりますので、発電事業以外の事業に取り組む必要があります。
風力発電や太陽光発電機器の部品製造が主な補助対象事業となります。
代表的な採択事例は下記の通り

事業計画名生産体制及び検査体制刷新による、グリーン成長戦略への参画
事業計画概要新型コロナウイルスの影響により既存事業の需要は減少しているが、事業を再構築し、当社の強みである大型金属加工技術を活かすことで、グリーン成長戦略における洋上風力発電分野・半導体分野の課題解決に取り組む。

原子力発電

クリーンエネルギーの一つとして再度注目を浴びている原子力発電事業もグリーン成長枠の補助対象です。
代表的な採択事例は下記の通り

事業計画名新たな鋳造技術による原子力発電設備部品の製造を通じたグリーン成長戦略への取り組み
事業計画概要グリーン成長戦略「実行計画」の原子力産業分野に対して、最新の鋳造設備を活用した生産ラインの再構築及び、人材育成を通じた新たな鋳造技術の確立により、原子力発電所循環水ポンプの大型羽根車の製造を可能にし、原子力産業分野の課題解決に貢献する。

資源循環関連産業

「リユース・リデュース・リカバリー」といった資源循環関連産業もグリーン成長枠の対象です。
資源循環関連産業の代表的な採択事例は下記の通り

事業計画名ペットボトルの脱プラに貢献!紙製ペットボトル製造事業参入によるグリーン成長戦略推進事業
事業計画概要コロナにより太陽光発電システム販売が低調となり大幅な減収に転じた。本補助事業ではグリーン成長戦略⑬資源循環関連産業の課題である「プラスチックの再生可能なバイオマスプラスチック・紙等への代替」の解決に貢献する、紙製ペットボトル製造事業参入し、持続可能な経営を行うことで売上のV字回復を図る。
事業計画名「木×エコハウス」という既存コア技術を活かした地域循環型グリーン成長事業
事業計画概要木を使ったパッシブハウス基準の規格型エコハウス、パッケージ型の木質化・省エネ化リノベーション商品を体感型ショールームとECサイトを利用して販売する。また、地域や企業と連携をして地域循環型のグリーン成長を目指す。

その他の採択事例

その他のグリーン成長枠としては下記が対象となっていると考えられます。

事業計画名事業計画の概要
工程自動化と加工能力拡大による高断熱建具製造への進出ホテル需要の低下により、従来主力であったユニットバス部品の受注が減少している。そこで製造設備とプロセスを改革し、新規に高断熱の建具を製造開始することで、売上の拡大とグリーン成長戦略への貢献を目指す。
「半導体・情報通信産業」及び「水素・燃料アンモニア産業」参入によるグリーン成長戦略の実現当社は、新型コロナウイルスの影響を受け、売上高が減少した。この状況を打破するため、グリーン成長戦略の14分野の「半導体・情報通信産業」及び「水素・燃料アンモニア産業」に参入し、5年後にはこの分野の売上比率をトータル15%まで拡大することで国の示すグリーン成長戦略の実現に貢献する。
再生プラスチックの成形材料製造による資源循環型関連産業への進出プラスチック製品製造業者として求められる環境対策や再生プラスチックの需要の高まり等を踏まえ、当社のグリーン成長戦略の取り組みとして、再生プラスチックの成形材料の製造・販売により事業再構築を図る。
「半導体・情報通信産業」及び「食品・農林水産業」参入によるグリーン成長戦略への貢献国による2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の展開の中、今後成長が期待されるセクターとして取り上げられた「半導体・情報通信産業」及び「食品・農林水産業」に絡む精密板金加工に参入し、5年後に総売上の20%を占める事業に育成し、グリーン成長戦略に貢献する。
航空機産業のカーボンニュートラル実現に貢献する革新的航空機軽量化技術の開発アフターコロナの新たな社会において、グリーン成長戦略実行計画⑩航空機産業の課題とされている航空機の軽量化に資する超軽量ギアボックス生産事業への進出を試みる事業である。これによりする官民挙げて取り組む2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。
板金加工技術を活かした電動建機用ASSY部品への新分野展開強みの板金加工技術をさらに高度化し、グリーン成長の一翼を担う顧客要望の低コスト、高付加価値の電動建設機械用ASSY部品を開発することで、コロナや脱炭素化で先行き不透明なエンジン機械向け板金部品事業の再構築を図る
難削材の精密加工と短納期を実現。車載用蓄電池製造装置への挑戦。コロナ禍の影響により主力事業の火力発電向け部品加工の売上が減少。難削材の加工技術の強みを活かして複雑かつ高精度の切削を実現。グリーン成長枠要件である車載用蓄電池の製造装置の分野にチャレンジする。
無人集配デポ金庫製造への進出新設備導入により無人集配デポ金庫製造に進出します。加工精度向上の課題を新設備導入により解決し、効果としてグリーン成長分野に進出して物流効率化のイノベーションと自社の成長を図ります。
クリエイター等の個人・個人事業主向けウェアラブルサービス提供事業クリエイターエコノミーの市場伸長や、新経済圏をDXで支えるグリーン成長を機会と捉え、音声認識コア技術・研究開発体制・BtoBで培ったソリューション提供ノウハウをベースに、BtoC向けにウェアラブルサービスを提供します
特許技術を活かしたサスティナブルシューズ製造でグリーン成長を実現コロナ禍の直撃を受けたイベントグッズ製造事業から、海外の生産ネットワークを活かしてサスティナブルシューズ製造事業に進出。特許技術により環境負荷の低い素材を開発・製造し、靴メーカーのグリーン成長に貢献。
新たな洗浄装置部品の受注に向けた切断及び検査工程の刷新計画新型コロナ感染拡大をうけ、様々な業界で設備投資控えが起こったことから、当社の工業製品の売上は大幅に減少した。本事業では、国がグリーン成長戦略に掲げている半導体分野において、高度化している製造装置の新たな部品製造に取り組むことで、その課題の解決に貢献するとともに、当社もV字回復を図っていく。
脱炭素社会に向けた、EV関連市場向け部品製造への新分野展開当社は得意な金属加工技術を複数持ち、それを活かした幅広い製品ラインアップを安価かつ高精度で実現してきたが、コロナ禍により売上減少と併せて付加価値額が大きく減少。長年培った金属加工技術を活かし、新たにEV関連部品の製造に進出し、当社成長の実現とグリーン成長戦略の課題解決に寄与する。
循環型社会の実現へ向けた廃棄物再生機械部品の製造と新分野展開当社はインフラ設備向けの金属加工事業者である。グリーン成長分野であるバイオプラスチックの生産に取り組む(株)巴工業様より、バイオプラスチック生産設備の部品加工及び製造に関する打診を受けており、グリーン分野に寄与する本事業に取り組むべくバイオプラスチック製造機械部品の加工用設備を導入し新分野展開をはかることとした。
アクアポニックス高効率生産システムの開発新しい農水産業工法である「アクアポニックス」が普及することで、グリーン成長戦略で示された食料・農林水産業分野の課題解決に繋がる。当社はより高効率のアクアポニックス生産システムを開発し、事業再構築を図る。
「次世代自動車の整備認証を得てガソリンスタンドから事業転換」我が国が掲げる「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に則り、整備工場の刷新及び必要な設備を新たに導入し、次世代自動車の特定整備工場の認証を受け、燃料販売事業からの事業転換を目指すものです。
大型ステンレス製品加工技術開発による蓄電池産業への新分野展開工作機械で培ってきた技術力と門型マシニングセンタの能力を融合し、大型ステンレス製品加工技術を開発します。これにより蓄電池産業への新分野展開を実現すると共に、グリーン成長戦略における課題解決に貢献します。
グリーン成長分野での加工鋼材(ハイテン(高張力)材)供給事業現在展開中の筐体部品加工の新たな市場分野として、グリーン成長分野である燃料電池バス等大型自動車や建機分野の軽量化ニーズに対応して、ハイテン(高張力)材加工による新たな鋼材加工事業で再構築を加速します。
金属精密板金加工技術高度化による半導体露光装置向け部品変種変量生産への対応当社の強みである精密板金加工技術をデジタルにより高度化することで、半導体用露光装置部品製造の特徴である変種変量生産への対応と増産・大型化に向けた短納期化と高精度化を計る。それによりグリーン成長戦略で求められているパワー半導体分野の強化という課題にたいし、部品サプライヤーとして解決に寄与する。
強度と軽量性を両立する工程革新で次世代型農機開発事業に参画コロナ禍により設備投資需要が減退した一方、グリーン成長戦略に該当するスマート農業市場は高いポテンシャルを有する。そこで抜き工程の技術革新により弱点を克服することで、次世代型農業機械開発事業に参画しメーカーの設備投資依存から脱却する。
EV生産用コモンプレート新ライン構築・洋上風力発電部品事業コロナにより失った売上回復と当社のさらなる発展のため、グリーン成長戦略に寄与する新製品である電動車(EV)生産用コモンプレート及び洋上風力発電の部品製造に取り組む事業である。
既存事業で培った精密板金加工技術を強みに、半導体製造設備向けの筐体・部品製造へ参入し事業再構築に挑戦グリーン成長やデジタル戦略の観点で、今後マーケットのさらなる拡大が期待される「半導体製造設備」向けの筐体・部品製造設備を導入し、「クリーンルームの省エネ化」につながる部品製造へ本格的な参入を試みる。
洋上風力発電機用大型軸受部品加工への挑戦による新分野展開コロナで既存事業が落ち込むなか、主要顧客から新たに洋上風力発電機用軸受部品の引合がある。そこで当社の金属加工ノウハウを基に、過去に無い大型軸受部品の加工工程を確立し、グリーン成長が期待できる新分野での売上拡大を実現する
電気自動車産業を支えるセパレータフィルム生産用スリットダイの製造リチウムイオンバッテリー向けセパレータフィルムを生産するための高精度スリットダイを新たな製品とし、グリーン成長戦略の蓄電池サプライチェーン安定化課題解決に寄与する、社会的ニーズ、社会的意義の大きな事業である。
工程内チタン廃材の革新的再生焼結技術の実用化事業『製造工程内で発生するチタン廃材の高度再資源化に向けた革新的な焼結加工技術の開発と廉価な高強度チタン合金の再生』により、グリーン成長「実行計画」14分野における『カーボンリサイクル・マテリアル産業』および『資源循環関連産業』への参入を図る。
EC小売業と連携しアパレル卸業のDtoC倉庫建設での新事業モデル構築計画伸長しているEC小売業と協力し、DtoC倉庫建設する。システム連携の構築や商品の輸送ルートを根本的に見直し、生産性の向上とCO2削減でのグリーン成長に資する新たな新事業モデルを構築し、業態転換を図る計画
新分野のグリーン成長分野で利用するコジェネ向け配管加工事業極小R曲げ加工対応のパイプベンダーを導入して、これまでにない加工を可能にし、既存の製品より格段に軽量化・高性能化した製品を製造することで、グリーン成長分野の新規案件を獲得する。また、最新式マシニングセンタの導入により、生産性の向上・労働環境の改善とともに競争力の強化を行う。
高性能バイナリー発電設備の製造技術確立による事業再構築新たな機械装置等(5軸加工機、3次元座標測定機)を導入することで、高性能バイナリー発電設備の製造技術を確立し、グリーン成長戦略に掲げられる地熱産業、資源循環関連産業へ進出することにより事業再構築を行う。
電気自動車向け大型製品へ新分野展開し、経営多角化実現と脱炭素化貢献新型コロナの影響等により、既存のエンジン自動車向け金型の売上が減少した。新たな市場である電気自動車向け製品の新規受注拡大のため生産体制を革新する。電気自動車向けに売上を拡大し、経営多角化を実現するとともにグリーン成長戦略など脱炭素化にも貢献する。

 

 

まとめ

今回は今回は事業再構築補助金のグリーン成長枠での採択事例・採択結果を紹介してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。

  • グリーン成長枠の採択率は約40%
  • 採択率としては最も低く、難易度が高い類型
  • 特に採択事例が多いのは「半導体」「電気自動車」「資源循環関連産業」

 

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