大規模成長投資補助金

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金を解説!

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金を解説!

「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の概要が令和6年2月20日に中堅・中小成長投資補助金事務局から公表されました。

2024年度最も注目されている補助金の一つである中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)」が、主に中小企業・零細企業をターゲットとしたものであるのに対して、「大規模成長投資補助金」「中堅・中小企業」をターゲットとしています。

ただし、「投資額10億円以上」という条件があるため、実際には「中堅企業及び大型の中小企業」がターゲットになると思われます。

※令和6年3月6日(水)より、大規模成長投資補助金の1次公募が開始しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。

大規模成長投資補助金の表紙
大規模成長投資補助金(中堅・中小成長投資補助金)の公募が始まりました!「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」(中堅・中小成長投資補助金)の公募が令和6年3月6日(水)より始まりまし...

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金とは

大規模成長投資補助金は、中⼩企業が「持続的な賃上げ」を⽬的として、⾜元の⼈⼿不⾜に対応した省⼒化等による労働⽣産性の抜本的な向上事業規模の拡⼤を図るために⾏う⼯場等の拠点新設や⼤規模な設備投資に対して補助を⾏います。

大規模成長投資補助金の概要は下記の通りとなります。

項目内  容
1  補助対象者中堅・中⼩企業(常時使⽤する従業員数が2,000⼈以下の会社等)
2  補助対象要件投資額10億円以上(専⾨家経費・外注費を除く補助対象経費分)
②補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員1⼈当たり給与⽀給総額の伸び率(年平均成⻑率)が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃⾦の年平均成⻑率以上
3  補助対象経費建物費(拠点新設・増築等)、機械装置費(器具・備品費含む)、ソフトウェア費、外注費、専⾨家経費
※建物費は⽣産設備等の導⼊に必要なものに限ります。なお、⼟地代は対象外です。
4  補助上限額50億円(補助率1/3以内)
5  事業期間交付決定⽇から3年以内(補助事業終了後の賃上げのフォローアップは3事業年度分)
※事業期間は、最⻑で2026年12⽉までとする予定です。
6  予算額総額3,000億円(令和8年度までの国庫債務負担含む) ※令和5年度補正予算1,000億円

中堅・中⼩成⻑投資補助⾦事務局 「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」 )

次に補助事業のポイントを見ていきましょう。

大規模成長投資補助金のポイント

令和6年2月20日に公表された「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の概要によると、大規模成長投資補助金のポイントは3つあります。

投資額

10億円以上(外注費・専⾨家経費を除く補助対象経費分)
※  投資場所が複数地域になる場合も対象となりますが、補助事業の⽬的・内容が⼀体的であることが必要となります。

<共同申請(コンソーシアム形式)の場合>
① コンソーシアム参加者の中投資額5億円以上(外注費・専⾨家経費を除く補助対象経費分)の中堅・中⼩企業を少なくとも1者以上含むこと
連携による⼀体的な⼤規模投資を⾏い、単独より⾼い労働⽣産性向上・規模拡⼤を通じた賃上げを実現する連携計画の策定
※コンソーシアムに⼤企業が参加している場合、⼤企業の投資額を投資規模(10億円以上)の判定に含めることはできますが、⼤企業は補助⾦の対象外となります。

賃上げ

補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員1⼈当たり給与⽀給総額の伸び率(年平均成⻑率)が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃⾦の年平均成⻑率以上

※ 補助事業の終了⽇を含む事業年度における数値と⽐較します。なお、新事業の場合など、基準となる対象事業に関わる従業員1⼈当たり給与⽀給総額を特定することが困難な場合、会社全体の数値と⽐較します。
※ 持続的な賃上げを実現するため、補助⾦の申請時に掲げた賃上げ伸び率の⽬標を達成できなかった場合、未達成率に応じて補助⾦の   返還を求めます(天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除く。事業者名は公表しない)。なお、補助事業の実施に当たっては、雇⽤の安定等に⼗分な配慮を⾏うことを求めます。
※ コンソーシアム形式では、全ての参加者がそれぞれ賃上げの要件を満たすことが必要です。
※ 補助事業に関わる取引先(設備会社等)への適切な労務費の価格転嫁を図るため、本事業の実施においては、公正取引委員会の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」*の遵守を求めます。補助⾦の採択後から賃上げのフォローアップ期間中に指針に遵守していな いことが明らかとなった場合、交付決定の取り消し・補助⾦の返還を求める場合があります。

経営力

企業全体における成⻑ビジョン(⻑期経営計画)を含めた事業計画の策定

※持続的な賃上げの実現には、補助⾦を活⽤した事業セグメントの成⻑のみならず、補助事業を通じて企業⾃⾝(経営全体)の持続的な成⻑につながっていくことが重要であることに鑑み、成⻑ビジョンの中での補助事業の位置付けや補助事業が企業⾃⾝の成⻑にどのようにつながるかについて、投資判断に必要な「経営⼒」の観点から、策定された事業計画や外部有識者へのプレゼン審査を通じて確認します。

補助対象経費

「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」に関する補助対象経費は以下の通りとなります。

項目詳細備考
1 建物費専ら補助事業のために使⽤される⽣産施設、加⼯施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可⽋と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費建物の単なる購⼊や賃貸は対象外。また、⽣産設備等の導⼊に必要なものに限り、「⼟地」は補助対象外。
建物と切り離すことのできない付帯設備は原則として建物費に含めるが、「構築物」は補助対象外。
2 機械装置費① 専ら補助事業のために使⽤される機械装置、⼯具・器具(測定⼯具・検査⼯具等)の購⼊、製作、借⽤に要する経費
② ①と⼀体で⾏う、改良・修繕、据付け⼜は運搬に要する経費
減価償却資産の耐⽤年数等に関する省令(昭和40年⼤蔵省令第15号)における「機械及び装置」、「器具及び備品」、「⼯具」に係る経費が対象であり、「構築物」、「船舶」、「航空機」、「⾞両及び運搬具」に係る経費は補助対象外。機械装置と切り離すことのできない付帯⼯事は原則として機械装置費に含める。
3 ソフトウェア費① 専ら補助事業のために使⽤される専⽤ソフトウェア・情報システム等の購⼊・構築、借⽤、クラウドサービス利⽤に要する経費
② ①と⼀体で⾏う、改良・修繕に要する経費
4 外注費補助事業遂⾏のために必要な加⼯や設計、検査等の⼀部を外注(請負・委託)する場合の経費
※上限は、1〜3の合計経費未満
5 専門家経費補助事業遂⾏のために依頼した専⾨家に⽀払われる経費
※上限は、1〜3の合計経費未満
本事業の遂⾏に専⾨家の技術指導や助⾔が必要である場合の専⾨家に依頼したコンサルティング業務や旅費等の経費が対象。応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。

※導⼊しようとする建物、機械装置、器具備品、ソフトウェア等について、他の国の補助⾦、地域未来投資促進税制、中⼩企業経営強化税制、中⼩企業投資促進税制の併⽤は不可とします。併⽤していることを確認した場合、当該対象の経費に関する補助⾦の交付決定の取消・補助⾦の返還を求めます。
※上記以外にも補助⾦の対象外となる場合があります。詳細は公募開始時に公表する公募要領をご参照ください。

事業スキームについて

「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」に事業スキームは以下の通りとなります。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長補助金の事業スキーム

【注意】事務局への申請等は全て電子申請となり、申請にはGビズIDプライムアカウント」が必要です。GビズIDプライムアカウントは、専用ホームページで必要事項を記載し、必要書類を郵送して作成することができます。アカウントの発行に時間を要する場合がありますので、申請をご検討の方は早めにIDを取得することをおすすめいたします。

事業計画・審査のポイントについて

「大規模成長投資補助金」では事業計画書の作成が必須であり、それについて審査が行われて採択・不採択が決まりますが、その際の審査のポイントについて以下の通り、まとめられております。

事業計画・審査のポイント(大規模成長投資補助金)

よくある質問について

「大規模成長投資補助金」のよくある質問について、以下のようなQ&Aの記載があります。

  • Q1. 2次公募の予定はありますか。
  • A1. 1次公募の終了後に2次公募を⾏う予定です。採択数や予算の配分は、執⾏状況に応じて検討します。
  • Q2. 当社は、製造業で、資本⾦1億円・常時使⽤する従業員数3,000⼈であり、中⼩企業基本法における中⼩企業者の定義に該当しますが、補助対象者の要件に該当しますか。
  • A2. 本事業では、資本⾦の⾦額によらず、常時使⽤する従業員数が2,000⼈以下の会社等を補助対象者としているため対象外です。
  • Q3. 同じ事業者が複数回応募することは可能でしょうか。
  • A3. 同じ公募期間内において、同⼀の事業者が申請できる事業計画は1件までです。なお、1次公募で不採択となった場合、2次公募に申請することは可能です。ただし、1次公募で採択され、交付決定を受けた事業者については、2次公募でさらに採択を受けることは できません。
  • Q4. 補助事業の内容に制限はありますか。
  • A4. 補助対象とする事業の内容が、農作物の⽣産⾃体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は対象外となります。ただ し、1次産業を営む事業者であっても、補助対象とする事業の内容が2次・3次産業に関する事業である場合は対象となり得ます。そのほか、例えば、公序良俗に反する事業や法令に違反する(恐れがあるものを含む)事業などについては、補助対象外となります。詳細は公募開始時に公表する公募要領に規定します。
  • Q5. 採択される前に着⼿している事業でも、補助対象になりますか。
  • A5. 交付決定より前に契約(発注含む)を⾏った経費については、補助対象外となります。そのため、採択された後であっても、交付決定前までに契約(発注含む)している経費については、補助対象外となりますのでご注意ください。
  • Q6. 複数の地域で投資を⾏う場合も対象になりますか。また、対象になる場合、賃上げの要件に適⽤される基準値はどのように設定されるのでしょうか。
  • A6. 補助事業の⽬的・内容が⼀体的であれば、投資場所が複数地域になる場合も対象となります。その場合、賃上げ要件については、事業実施場所ごとの基準値を適⽤しますので、事業実施場所ごとに賃上げ率を設定していただきます。127.よくあるご質問(2/2)
  • Q7. 設備投資に当たって、リースを活⽤することは可能でしょうか。
  • A7. 機械装置やソフトウェアに限り、リースやレンタルについて、交付決定後に契約したことが確認できるもので、事業期間中に要する経費については対象とすることが可能です。契約期間が事業実施期間を超える場合、按分等により算出された事業実施期間分の経費が対象となります。また、ファイナンス・リース取引に限り、補助事業者がリース会社に⽀払うリース料から補助⾦相当分が減額されることなどを条件として、リース会社と共同申請をする場合には、機械装置やソフトウェアの購⼊費⽤について、リース会社を対象に補助⾦を交付することが可能です。この場合、リース会社に対しては投資額・賃上げ要件等の適⽤は求めません。
  • Q8. 補助⾦の概算払いは可能ですか。
  • A8. 原則、補助⾦は精算払い(補助事業終了後に確定検査を経て⽀払い)としますが、補助事業終了前でも、個別の⽀出状況に応じて補助⾦を交付するといった柔軟な対応をいたします。
  • Q9. 審査はどのように⾏われるのでしょうか。
  • A9. 申請のあった事業計画に基づく1次審査を⾏い、通過した申請者は、2次審査として経営⽀援等を⾏う外部有識者に対するプレゼン審査(対話形式)を⾏います。当該審査を通じて、政策⽬的に沿った優れた提案を⾏った事業者を採択します。事業計画・審査のポイントについては、10ページ⽬をご参照ください。
  • Q10. 賃上げ要件について、補助事業の終了後3年間は、毎事業年度、申請時に掲げた⽬標以上の賃上げ率を満たしていなければ、補助⾦を返還しなければならないのでしょうか。
  • A10.補助⾦の返還対象の有無は、補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員1⼈当たり給与⽀給総額の伸び率(年平均成⻑率)が、申請時に掲げた賃上げ伸び率の⽬標以上であるかどうかで確認します。年平均成⻑率で確認するため、例えば、賃上げ状況を確認する1・2事業年度⽬は⽬標以上の伸び率となっていなくても、3事業年度⽬(確認対象となる最終事業年度)の1⼈当たり給与⽀給総額と基準年度(補助事業の終了⽇を含む事業年度)を⽐較した年平均成⻑率が⽬標以上となっていた場合は返還の対象になりません。ただし、補助事業終了後の賃上げ状況や事業実施状況(3事業年度分)の確認については、毎事業年度⾏います

弊社のサポートについて

弊社は「大規模成長投資補助金」の申請サポートを提供しております。

この補助金の補助率は「1/3」とそこまで高くありませんが、金額が非常に大きいため、相当に審査の難易度の高いことが予想されます。

また、補助金の申請から受給までかなりの長期間に及び、その間も多くの悩み事・課題や事務局とのやり取りも出てくるでしょう。そのため、長期間に渡って伴走してくれる、信頼できるコンサルタント・パートナーを見つけることが早道とも言えます。

弊社では、公認会計士が中心となり、事業再構築補助金ものづくり補助金などの経済産業省や中小企業庁の補助金の支援、サポートの実績が数多くあります。

「大規模成長投資補助金」のお申込みをご検討の中堅・中小企業様は、お気軽にお問い合わせをいただければと思います。

大規模成長投資補助金のスケジュール

「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の2024年のスケジュールは以下を予定しています。

  • 2⽉20⽇︓概要資料の公表(本資料)本事業に関する質問の募集開始
  • 3⽉6日(水)︓1次公募開始 事務局コールセンター開設
  •  4月30日(火)︓1次公募 締切
  •  5月中旬〜6⽉中旬︓審査
  •  6月中下旬頃︓ 採択発表(以降順次、交付決定)
  • 補助事業期間: 最長令和8年(2026年)12月末まで
  • 補助事業終了後3年間: 賃上げのフォローアップ

最新の情報は、補助⾦事務局のホームページをご確認ください。

まとめ

今回は「大規模成長投資補助金」の概要についてて解説してきました。ポイントは下記の通り。

  • 補助対象の事業者: 中堅・中小企業
  • 補助対象要件: 投資額10億円以上、一定の賃上げ要件あり
  • 補助対象の対象経費: 建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
  • 補助率と上限額: 補助率は1/3以内、補助上限額は50億円
  • スケジュール:3⽉上旬に1次公募が開始、4〜5⽉頃に締切

弊社では、事業再構築補助金やものづくり補助金などの補助金サポートの実績が豊富にあります。
「大規模成長投資補助金」についてもサポートしておりますので、気になることがありましたら、まずお気軽にご相談いただければと思います。

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