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システム開発で使える補助金まとめ|中小企業が失敗しない活用方法と申請サポート

システム開発で使える補助金まとめ|中小企業が失敗しない活用方法と申請サポート

近年、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のためにシステム開発を検討する企業が増えています。
特に、中小企業や個人事業主にとって、独自の予約管理システムやECサイト、業務自動化ツールなどの導入は競争力を高める重要な手段です。

しかし、システム開発は外注費や人件費が高額になりやすく、数百万円から数千万円単位の投資が必要になることも珍しくありません。そこで現実的な選択肢となるのが「補助金」の活用です。

一方で、補助金は「要件が複雑で申請が難しい」「採択率が低い」という不安を感じる経営者も多く、情報不足のままチャンスを逃しているケースも見られます。

本記事では、システム開発で利用できる主要な補助金の種類や補助対象となる経費、採択率を高めるためのポイントを、実例も交えてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

✅ システム開発で利用できる代表的な補助金の種類
✅ 補助対象となる開発内容や経費(ソフト・ハード・人件費など)
✅ 採択された企業の事例や成功のポイント
✅ 不採択になりやすいケースや注意点
✅ 駒田会計事務所の補助金申請サポートの特徴と相談方法

駒田裕次郎

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

Contents

システム開発で使える補助金とは?

システム開発関連で特におすすめしたい補助金は「新事業進出補助金」です。
新規システムを開発して新市場への販売を行う場合に適した補助金と言えるでしょう。
中には新事業進出補助金の要件に適しない場合がありますが、その場合はものづくり補助金を使うことをおすすめします。
それぞれの内容について詳しく解説していきます。

DXや業務効率化を後押しする補助金制度の概要

新事業進出補助金

新市場や新分野への事業展開を目指す中小企業を対象に、新サービスやシステム開発を含む事業計画の設備・開発費用を最大1/2補助する制度です。
システム開発自体も対象経費になりやすく、AIやIoTを活用した新ビジネスの立ち上げなどが採択例として目立ちます。
開発費用のほか、ハードウェアやソフトウェア、プロトタイプ開発も補助の対象です。

関連記事:新事業進出補助金でシステム開発は補助対象?解説します。

公募要領・公式情報はこちら

ものづくり補助金

製造業向けの補助金というイメージが強いですが、近年はDXやAI・IoTを用いたシステム開発案件も多数採択されています。
例えば、AIを活用した業務管理システムや、VRを活用した研修システム、オンライン教育や受発注システムなど、業務効率化や新ビジネスモデルの創出につながるソフトウェア開発も幅広く支援対象です。
補助率は2/3(小規模事業者の場合)で、開発費やクラウド利用料も補助対象になります。

公募要領・公式情報はこちら

実はあまりシステム開発に使えない

IT導入補助金(導入補助が中心)

名前からシステム開発に使えそうですが、既製ソフトウェアやクラウドサービスの導入が中心で、ゼロからの開発費用は基本的に対象外です。
中小企業が自社の業務効率化やキャッシュレス対応を進めるための導入サポートとしての色合いが強く、開発案件には不向きです。

小規模事業者持続化補助金(販路開拓がメイン)

主にチラシやホームページ制作、販路拡大の取り組みが中心で、システムやアプリの開発事例は極めて少数です。
システム開発を主目的とした事業計画では採択されにくく、あくまで販売促進の一環としての軽微なWeb機能追加や予約システム程度での活用が現実的です。

システム開発関連の採択事例一覧

中小企業新事業進出補助金(旧・事業再構築補助金)

採択テーマ一覧(システム開発系)

  • ICT施工システム構築による港湾工事の技術革新

  • 自動野菜栽培システム建設販売事業 (農業×ICT)

  • 産業用ロボットシステムインテグレーター展開

  • 次世代物流倉庫のオートメーションシステム構築

  • 手術支援用ARシステムの開発(医療分野)

  • SES企業向け勤怠管理ツール開発(クラウド型)

ものづくり補助金(特にデジタル枠やシステム開発)

採択テーマ一覧(システム/アプリ開発系)

  • 画像認識+自動診断アプリ開発

  • セルフ給油システムのキャッシュレス化対応

  • 業務委託料前払いサービス「PAYS」システム開発

  • 販売管理ITシステムで物流・工事業効率化

  • 情報システム・ポイントカード/NFT/ライブコマース等アプリ開発

  • 地域密着型ポイントカード試作開発

補助金別テーマ整理まとめ

補助金名採択テーマ(システム開発系)
新事業進出補助金港湾ICT施工・農業ICT・ロボットSI・物流自動化・AR手術支援・勤怠管理クラウド
ものづくり補助金画像診断AI・キャッシュレス給油・前払いサービス・販売管理システム・NFT/Eコマース・ポイントカード

これらは「システム開発」や「DX推進」を主目的とした採択事例です。ポイントとしては下記の通り。

  • 新事業開拓:特に新事業進出補助金では、新市場へ挑む“飛び地”型システムが評価されやすく、既存業務の単なる改修は不利。

  • デジタル枠の活用:ものづくり補助金のデジタル枠なら、AI・IoT・クラウドなど先進技術を取り込んだシステム開発が対象に。

IT導入補助金

IT導入補助金の採択事例には「システム開発」的な要素が含まれているケースはあるものの、あくまで「既存ITツールやクラウドサービスの導入」や「ベンダー提供システムのカスタマイズ」が中心です。

具体的に見られるパターンは以下の通りです:

  • 既存のRPAやIoTシステムの導入

    • 定型業務の自動化(RPA)で残業削減

    • 水管理IoTシステムで農業の省力化

  • 積算や原価計算を自動化するシステム導入

    • CADデータをもとに自動で積算する建設向けツール

    • 日報データと原価管理システムのデータ連携で利益管理を効率化

  • 予約・顧客管理システムの導入

    • 宿泊・飲食・保育業向けの業種特化型ツール

    • スマホアプリを活用した顧客対応・事務作業の削減

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金もIT導入補助金同様に、「システム開発」そのものを補助対象としている事業はほぼ見当たりません

ただし、間接的にシステムやソフトウェアの導入が関係していそうな事例はいくつかありましたので、紹介していきます。

  1. BIM対応設備CADソフト導入

    • 建築設計や工務店向けに、業務効率化を目的とした既製ソフト導入。

  2. ECサイト構築やウェブサイト制作関連

    • 販路拡大のためのウェブ活用だが、ゼロからのシステム開発ではなく既存サービスを使った構築が中心と推測。

  3. 猫リノベ不動産のサイト構築

    • ブランド用Webサイトの立ち上げ(カスタム開発の可能性はあるが、一般的には既成CMSが多い)。

システム開発で補助対象となる経費の具体例

新事業進出補助金では、システム開発に関わる幅広い費用が補助対象となります。
ただし、建物費と「機械装置・システム構築費」のどちらかを必ず含める必要があるのがポイントです。

1. 機械装置・システム構築費(システム開発の中心となる経費)

  • 業務システムや専用ソフトウェアの開発費・購入費・リース料
    例:販売管理システム、物流オートメーションシステム、AI解析ツール、予約・決済アプリなど

  • クラウドプラットフォームの利用料(サーバー領域のレンタル等)
    ※サーバー購入やPC端末費用は対象外

  • 開発に伴う必要な機器・端末・検査装置の購入・設置費
    (単価10万円以上。中古設備も条件付きで可)

  • システム導入時の据付・改良や運搬費

注意点

  • 既存システムの単純な置き換えや、汎用PCの購入は対象外

  • 100万円以上の開発費を計上する場合は、要件定義書や開発工程の証憑提出が必須

2. 建物費(システム開発に付随する施設整備)

  • システム開発や稼働に必要な開発室や検査施設、作業場の新築・改修費
    例:新規に開発ラボを設ける場合や、サーバールーム改修など

  • 補助事業で使う建物に付随する構築物(ネットワーク配線設備など)の整備費

  • 必要に応じた建物の撤去費(ただし建物費を計上する場合のみ)

建物の購入や賃貸料は補助対象外。不動産賃貸に転用することも禁止されています。

3. 開発を支える周辺経費

  • 技術導入費
    他社が持つ特許やノウハウを導入する費用(ライセンス契約料など)

  • 知的財産権関連経費
    特許出願や国際規格認証の取得、翻訳料など

  • 外注費(上限:補助金全体の10%)
    システムの一部設計や試作開発を外注する費用(契約書必須)

  • 専門家経費(上限100万円)
    ITコンサルタントや診断士などの技術支援料・旅費
    (大学教授:日額5万円、中小企業診断士:4万円などの上限あり)

  • クラウドサービス利用料
    サーバーやプラットフォーム使用料、通信料(補助事業に必要な範囲のみ)

4. 広告宣伝・販売促進費(条件付き)

  • 補助事業で提供するシステム・サービスのPR用パンフレットやWebサイト制作費

  • 展示会出展や動画制作など、ブランディング施策
    (事業計画期間1年あたりの売上高見込み額の5%が上限)

システム開発での補助金活用ポイント
これらの経費は、補助金交付決定後に契約・発注し、補助事業期間内に支出する必要があります
要件を満たさないと補助対象外になったり、実績報告時に差し戻されるリスクがあるため、事前に専門家と計画を立てることが重要です

システム開発で補助金を使うメリット・デメリット

システム開発に補助金を活用することは、中小企業や個人事業主にとって大きなチャンスになります。しかし、補助金は「資金がもらえる」だけではなく、注意点やデメリットもあるため、事前に正しく理解しておくことが重要です。

補助金を活用するメリット

1. 開発コストの削減で負担を軽減
システム開発は数百万円〜数千万円規模の投資になることが多く、資金繰りの面で大きなハードルになります。
補助金を活用すれば、開発費用の最大1/2(ものづくり補助金なら最大2/3)が補助され、自己資金の負担を大幅に抑えられます。

2. 最新技術を取り入れた開発が可能に
AIやIoT、クラウドサービスを使ったシステム開発は、コストが高くて手を出しにくいという声も多いですが、補助金を使うことで、これまで諦めていた最新技術の導入や、競争優位性の高いシステム開発に挑戦できます。

3. 採択実績が信用力向上につながる
国の補助金に採択されることは、事業計画の信頼性や将来性が評価された証明にもなります。銀行や投資家との交渉でもプラスに働きやすく、資金調達やビジネスパートナーの獲得にも役立ちます

補助金活用のデメリット・注意点

1. 申請準備の手間がかかる
補助金申請は、事業計画書の作成や見積書の準備、収益計画の立案など、多くの書類作業が必要です。
慣れていないと数週間〜1か月以上かかることもあり、専門家のサポートを受けないと時間が足りなくなるケースが多いです。

2. 交付決定までに時間がかかる
補助金は申請から採択結果が出るまで2〜3か月かかることが一般的で、交付決定前に契約や支出を行った経費は補助対象になりません
スケジュールの見通しを誤ると、計画そのものが破綻しかねません。

3. 補助事業期間中の制約や報告義務
補助金を受けると、支出の証憑管理や実績報告書の提出が義務付けられます。
また、補助事業で取得したシステムや建物は一定期間、転用や売却が禁止されるため、自由な運用が制限される点にも注意が必要です。

補助金を検討する際の判断基準

補助金は「資金調達の手段」であると同時に、「事業計画の品質を高めるツール」でもあります。

  • 補助金なしでも実現可能か?

  • 補助金を使うことで新しい市場や顧客獲得が期待できるか?

  • 申請・実績報告を社内だけで管理できる体制があるか?

これらを検討した上で、必要に応じて専門家のサポートを受けながら申請することが、失敗しない補助金活用の第一歩です。

採択されるためのポイントと注意点

補助金の採択率を高めるためには、単に「システムを導入したい」という希望を伝えるだけでは不十分です。審査で評価される視点を押さえた事業計画を作ることが不可欠です。

採択事例から見る成功パターン

  1. DX推進・売上拡大が明確な事業計画
    採択された多くの事例では、単なる業務効率化ではなく、新しい市場開拓や売上拡大につながるシステム活用が明確に示されています。
    例:予約管理システムを開発して新サービスを展開し、ターゲット市場を広げる計画など。

  2. 数字で裏付けられた収益計画
    売上高や付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の増加見込みを具体的に示し、5年先までの計画を数値で裏付けることが求められます。
    単なる概算や根拠のない目標では審査で不利になります。

  3. 審査ポイント(新規性・成長性・持続性)を押さえる
    補助金事務局が重視するのは、

    • 新規性:これまでにないサービスや事業領域への挑戦

    • 成長性:将来の売上・雇用・付加価値の伸びしろ

    • 持続性:補助事業終了後も継続的に利益を出せる仕組み
      これらを事業計画書でしっかり説明することが重要です。

不採択になりやすいケース

  1. 単なる社内業務の効率化のみ(新規性が弱い)
    社内でのコスト削減や単純な業務効率化だけを目的としたシステム導入は、補助金の趣旨に合わず不採択になりやすい傾向があります。

  2. 計画が具体性に欠ける
    「売上が上がる予定」「効率が良くなる見込み」といった抽象的な表現ばかりで、数値的な根拠や市場分析が不足している計画は評価されにくいです。

  3. 必要書類や添付の不備
    補助金申請は書類の正確性が非常に重視されます。提出書類の不足や誤記、添付データの欠落は、どんなに内容が良くても即不採択となるケースが多く見られます。

補助金申請は専門家に任せた方が安心

補助金の公募要領は複雑で、要件や必要書類も制度によって大きく異なります。申請を自社だけで進めることも可能ですが、実務上はリスクが大きいため、専門家の支援を受ける企業が増えています。

自社で申請するリスク

  • 書類不備や要件の誤解による不採択
    公募要領の読み違い、記入漏れ、添付不足などがあると、それだけで審査対象外となることがあります。

  • スケジュール遅延による申請機会の損失
    補助金は申請期限が短いことが多く、準備不足で申請自体を断念するケースも珍しくありません。

駒田会計事務所のサポート内容

駒田会計事務所では、中小企業新事業進出補助金を中心とした補助金申請支援を提供しています。

  • 申請代行・事業計画書作成のトータルサポート

  • 採択率を高めるための収益計画の作り込みや賃上げ要件の設計支援

  • 全国対応、オンライン相談可能で、地方企業でも安心して依頼できます

補助金の採択を目指す企業にとって、計画の質を高めることは不可欠。専門家と連携することで、採択の可能性を大幅に高めることができます

まとめ

今回は、システム開発に活用できる補助金と採択されるためのポイントについて解説してきました。ポイントは以下の通りです。

  • システム開発に最も活用しやすいのは「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」。

  • IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金は、導入や販路拡大が中心で、ゼロからの開発には不向き。

  • 補助対象経費には、開発費やクラウド利用料のほか、施設整備や知財取得、専門家経費なども含まれる。

  • 採択率を高めるには、新規性・成長性・持続性を明確にした数値計画の作り込みが必須。

  • 補助金の申請・実績報告は複雑なため、駒田会計事務所のような専門家サポートの活用が安心。

システム開発を検討している企業や個人事業主の方は、補助金を賢く活用しつつ、採択の可能性を高めるために専門家との連携を検討してみてください。

まずは無料相談から始めてみませんか?

「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
駒田会計事務所では、初回無料相談を通じて、事業内容やビジョンに合った補助金の活用方法をご提案しています。

✅ 駒田会計事務所では、補助金申請のご相談を全国対応で承っております (監修:公認会計士 駒田裕次郎|プロフィールを見る
  • 採択実績300件以上:ものづくり補助金・事業再構築補助金等
  • 「新事業進出補助金」にもいち早く対応し、各業種で申請支援中
  • 公認会計士が直接対応:制度に詳しい専門家が丁寧にサポート
  • オンライン完結・地方対応OK:全国どこからでも相談可能です

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