補助金は事業拡大や新しい取り組みを支える心強い制度ですが、「採択されたらすぐに入金される」とは限りません。実際には、補助金の支給までに数か月を要するケースが多く、その間に設備投資や仕入れを行わなければならない経営者にとっては大きな資金繰りの不安要因となります。
こうした状況をカバーする手段が「つなぎ融資」です。補助金が実際に振り込まれる前に、金融機関から必要資金を調達できる仕組みであり、特に信用保証協会のサポートを受けることで融資の実行がスムーズになるケースも少なくありません。
本記事では、補助金活用時の資金繰りに欠かせない「つなぎ融資」の仕組みと、信用保証協会の役割についてわかりやすく解説します。補助金を安心して活用し、事業成長につなげるためのポイントを整理しましたので、ぜひ参考にしてください。
✅ 補助金入金までの資金繰りの課題
✅ 新事業進出補助金の実際のスケジュール
✅ つなぎ融資の仕組みと利用できるケース
✅ 信用保証協会を通じた資金調達の流れ
✅ 採択後に注意すべき資金繰りのポイント
Contents
補助金が入金されるまでの流れと課題
補助金の採択から入金まで1年以上かかることが多い理由
補助金は「採択=すぐに入金」とはなりません。
多くの制度では、採択通知のあとに交付申請や事業実施、完了報告といった複数の手続きを経て、はじめて補助金が支払われます。
そのため、実際に資金が口座に振り込まれるのは採択から1年以上かかるケースも珍しくありません。
特に、建物改修や設備投資など大規模な事業では審査や実績報告に時間を要するため、さらに入金が遅れる可能性もあります。
「立て替え払い」が前提になる補助金制度の特徴
補助金制度の大きな特徴は、「後払い(立て替え払い)」が基本となっている点です。
つまり、事業者がまず自己資金や借入金で設備導入や支出を行い、その実績を証明したうえで補助金が支給される仕組みです。
事業開始直後から大きな資金流出が発生するため、手元資金に余裕がない経営者ほど資金繰りの負担が大きくなるのが実情です。
資金ショートのリスク
この「後払い方式」により、補助金を活用しようとしたにもかかわらず、資金ショートに陥ってしまうリスクがあります。
支払期日までに資金を用意できなければ、事業計画自体が頓挫してしまう可能性もあります。
特に中小企業や個人事業主にとっては、運転資金の余裕が限られている場合が多いため、補助金活用には事前の資金計画とつなぎ融資の検討が不可欠と言えるでしょう
新事業進出補助金:採択から入金までのスケジュール(具体例)
例えば、近年注目されている新事業進出補助金では下記のスケジュールとなっています。
| フェーズ | 目安時期(例) | 内容 | 実務ポイント |
|---|---|---|---|
| 公募締め切り | 2025年7月15 | 申請書一式の提出締切。 | 提出直前は差し戻し対応が難しいため、1〜2週間前に完成を目安に。 |
| 採択者発表 | 2025年10月ごろ | 採択結果が公表される。 | 採択直後から交付申請の準備(見積・契約方針・資金計画)を開始。 |
| 交付申請 | 採択発表から約2か月以内(2025年12月ごろ) | 交付申請書、見積書、仕様書、資金計画などを提出。 | 不備があると交付決定が遅延。スケジュール全体に影響。 |
| 交付決定 | 交付申請後の審査完了次第(2026年1月ごろ) | 補助事業開始の基準日(この日以降の支出が原則対象)。 | この日から14か月以内に全手続完了、かつ採択発表から16か月以内という上限も同時に厳守。 |
| 補助事業実施期間 (厳守) | 交付決定日〜14か月以内 かつ 採択発表日+16か月以内 (2027年2月ごろ) | 契約(発注)・納入・検収・支払・実績報告書提出まですべて完了が必要。 | 建物改修・大型設備は工程が長期化。発注・納入・検収日程を逆算し、遅延時の代替案を用意。 |
| 精算払い請求 | 補助事業終了後 | 補助事業でかかった経費のうち補助金部分を請求 | 請求書類の不備防止チェックリストを運用。 |
| 入金(概算払い) | 請求から約2週間〜2か月 (2027年4月ごろ) | 概算払いの入金。 | 入金予定日は金融機関・事務局に事前確認。 |
このように最初に新事業進出補助金に申請したのが2025年7月でも実際に入金があるのが、2027年4月前後となり、長い期間がかかります。
また、先に事業費を支払う必要があるため、資金繰りが苦しくなりがち。
こういったときに役に立つのがつなぎ融資です。
関連記事:新事業進出補助金ではつなぎ融資が必要!おすすめの金融機関を紹介
つなぎ融資とは?補助金活用における役割
つなぎ融資の基本的な仕組み
つなぎ融資とは、補助金や助成金が実際に入金されるまでの間に発生する資金ギャップを埋めるための短期的な融資を指します。
補助金は「後払い方式」が基本のため、事業者が一度すべての経費を立て替える必要があります。その立替資金を確保する手段として、金融機関が一定の条件のもとに融資を実行するのが「つなぎ融資」です。
対象となるケース(設備投資、運転資金)
つなぎ融資は、補助金の性質上、特に以下のような支出に活用されます。
設備投資:新しい機械やシステム導入、建物改修など高額投資
運転資金:仕入代金、外注費、人件費など日常的に必要な支払い
中小企業にとっては、補助金活用による成長機会を逃さないための“橋渡し資金”として重要な役割を果たします。
金利や返済期間の一般的な条件
つなぎ融資の条件は金融機関によって異なりますが、一般的には以下のような設定です。
金利:通常融資と同等か、やや高め(年1〜3%程度が多い)
返済期間:補助金入金までの短期(6か月〜2年程度)
担保・保証:信用保証協会の保証を付けるケースが一般的
補助金が入金され次第、融資を返済する流れが基本となります。
下記のように融資制度として提供している金融機関もあります。
補助金とつなぎ融資の相性
補助金確定通知をもとに融資が可能になるケース
つなぎ融資は、補助金が採択されただけではなく、交付決定通知や補助金額の確定通知をもとに実行される場合が多いです。
これは金融機関が「返済原資が確実に見込める」と判断できる材料になるためです。
つまり、補助金制度の仕組みそのものが、つなぎ融資の融資判断を後押ししているといえます。
採択企業の信用力向上効果
補助金に採択された企業は、国や自治体から「一定の事業計画が妥当と認められた」と評価されたことを意味します。
これは金融機関や保証協会にとってもプラスの信用材料となり、融資審査において有利に働く場合があります。
結果として、補助金の採択=金融機関からの信頼度アップとなり、つなぎ融資を受けやすくなるのです。
信用保証協会を活用したつなぎ融資
信用保証協会の仕組み
信用保証協会とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に「公的な保証人」となる機関です。
事業者が返済できなくなった場合、保証協会が金融機関に代わって返済を行い、その後に事業者へ求償する仕組みです。
中小企業は自己資金や担保が十分でなくても、保証協会の保証を利用することで金融機関から融資を受けやすくなります。
つなぎ融資に保証協会が関与するケース
補助金を活用する場合、採択から入金までの間はどうしても資金不足が生じやすくなります。
そのため、金融機関が単独で融資を行うのではなく、信用保証協会の保証を付けるケースが一般的です。
特に「補助金確定通知」をもとに融資判断する場合、保証協会が保証を付けることで金融機関のリスクが軽減され、融資実行がスムーズになります。
保証協会付き融資のメリット(信用力補完・融資スピード)
保証協会付きのつなぎ融資には、以下のようなメリットがあります。
信用力の補完:担保や保証人が不足していても、保証協会の保証により金融機関が安心して融資できる
融資スピードの向上:保証協会の関与により、採択企業であれば比較的短期間で実行される傾向がある
資金調達の安定性:補助金入金までの間の資金繰りに見通しが立ち、安心して事業を進められる
まとめ
今回は「補助金活用時の資金繰りとつなぎ融資・信用保証協会の役割」について解説しました。ポイントは下記の通りです。
補助金は採択から入金まで数か月〜1年以上かかるケースが多い
後払い方式のため、立て替え資金の準備が必要
つなぎ融資を活用すれば資金ショートを防げる
信用保証協会付き融資は信用力補完やスピード面でメリットが大きい
専門家に相談することで、補助金と資金繰りの両立が可能になる
まずは無料相談から始めてみませんか?
「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
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