2025年(令和7年)度の補正予算が成立し、中小企業・小規模事業者向けの支援策にも大きな拡充が行われました。
コロナ後の景気回復や物価高・人手不足への対応として、従来からある「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」などは継続される一方、近年新たに追加された「省力化投資補助金」や「新事業進出補助金」といった制度も継続見込みとなっています。
全体的に、賃上げやDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しする予算が計上されています。
さらに中小企業成長加速化補助金や大規模成長投資補助金といった大型の補助金も用意され、補助金以外にも信用保証料の補助や資金繰り支援など多面的な施策が盛り込まれています。
中小企業経営者の方に向けて、2025年度補正予算で利用可能な主要補助金・支援策を前年との比較を交えながらわかりやすく解説します。
- 2025年度補正予算で拡充・新設された中小企業向け補助金の一覧と概要
- ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金など主要制度の継続状況と予算規模
- 中小企業省力化投資補助金・新事業進出補助金など注目の新制度のポイント
- 中小企業成長加速化補助金・中堅等大規模成長投資補助金といった大型支援策の内容
- 補助金以外の伴走支援策(相談体制強化)や信用保証・資金繰り支援の概要
Contents
省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や生産性向上のために省人化・自動化設備の導入を支援する新しい補助金です。
令和6年度補正予算(2024年)で創設され、約3,000億円規模の大型予算でスタートしました。2025年度も既存の基金を活用して1,800億円規模で継続実施される見込みです。
本補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2つの申請類型があります。それぞれ支援内容が異なり、
- カタログ注文型:清掃ロボット、無人搬送車、自動券売機など人手不足解消に効果のある汎用機器をカタログから選んで導入できるよう支援。簡易な申請で即効性のある設備導入が可能。
- 一般型:各企業の業務内容や現場ニーズに合わせて、プロセス自動化機器やDXシステム構築等の多様な省力化投資を支援。より柔軟な設備投資計画に対応。
人気があるのは圧倒的に一般型であり、幅広い設備投資が補助される点が使いやすい補助金です。
一般型の採択率は60%を超えており、採択されやすいという点も人気のポイントの一つです。
補助率は中小企業の場合おおむね1/2(要件を満たせば2/3)で、補助上限額は企業規模に応じて見直しが図られています。
新事業進出補助金
新事業進出補助金は、中小企業や個人事業主が新たな事業分野に挑戦する際の設備投資等を支援する制度です。これまでの「事業再構築補助金」の後継として2024年に新設され、従来とは異なる業種・市場への思い切ったチャレンジを後押しします。
補助率は原則1/2、補助上限額は最大7,000~9,000万円程度と大きく、最低でも1,500万円以上の投資計画が必要になる本格的な支援です。
令和7年度(2025年度)補正予算でもこの新事業進出補助金は継続される見込みで、予算は既存の中小企業等支援基金から約1,200億円規模が充てられています。
これは後述する「ものづくり補助金」と合わせた枠組みで、技術的革新性のある製品開発や海外展開、新市場開拓を含む事業拡大への投資を支援する予算です。
前年度からの主な変更点は現時点ではありませんが、引き続き大胆な新規事業への進出案件が重点的に支援されるでしょう。
ものづくり補助金(革新的製品・サービス開発支援
ものづくり補助金(正式名称:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)は、中小企業による革新的な製品開発やサービス創出、設備投資を支援する代表的な補助金制度です。
2014年頃から毎年実施されており、中小企業にとって最も利用実績の多い補助金の一つと言えます。
2025年度補正予算でもものづくり補助金は継続します。ただし本年度は予算上、前述の新事業進出補助金と統合する形で既存基金から約1,200億円(事業規模ベース)で賄われる計画です。
補助上限額は従来どおり一般枠で最大1,250万円~3,000万円程度(企業規模や類型による)で、補助率1/2~2/3となる見通しです。
なお、昨年度まで存在した「グリーン枠」「デジタル枠」など特別枠の取扱いについては、令和7年度補正予算に基づく公募要領の発表を待って確認する必要があります。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所が支援する小規模事業者(概ね従業員20人以下)が経営計画に基づく販路開拓等に取り組む費用を補助する制度です。
販促用チラシ作成やホームページ制作、店舗改装、商品開発など幅広い取り組みが対象となり、上限50万円(※条件により最大200万円)の補助が受けられます。
この持続化補助金も2025年度補正予算で継続されます。
予算は中小企業生産性革命推進事業の中で計上されており、その総額3,400億円の一部として前年並みかそれ以上の規模が確保される見込みです。
小規模事業者にとって使い勝手の良い定番の補助金であり、引き続き地域の事業者の販路開拓や生産性向上を下支えする制度となっています。
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)
IT導入補助金は、中小企業が業務効率化やDX推進のためのITツール(ソフトウェアやサービス、クラウド利用料等)を導入する費用を支援する制度です。
2025年現在は「IT導入補助金2025」として通常枠やセキュリティ対策枠など複数の枠組みで公募が行われており、1社あたり最大450万円、補助率1/2(条件によっては2/3や3/4)という内容になっています。
令和7年度補正予算で継続実施が予定されており、名称がIT導入補助金からデジタル化・AI導入補助金と変更となる見込みです。
AI技術やサイバーセキュリティ対策まで含めた支援へと発展する見込みです。
実際、2025年度の制度改編では生成AIやチャットボット等の導入も補助対象に加わり、名称も2026年度から正式に「デジタル化・AI導入補助金」へ変更される予定です。
昨年度よりインボイス制度対応や賃上げ状況に応じた補助率2/3枠の新設、セキュリティ対策枠の拡充など、中小企業のデジタル化を後押しする内容が強化されています。
IT導入補助金は今後も中小企業のDX推進の基盤施策として継続される見通しです。

中小企業成長加速化補助金
中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円超を目指すような飛躍的成長志向の中小企業を対象に、大胆な設備投資や事業拡大を支援する新たな補助金です。
2025年度補正予算にて新設された支援策で、生産性革命推進事業(3,400億円)に位置づけられています。
具体的には、大きな成長目標を掲げる中小企業が、生産設備の新増設や拠点拡大、人材投資等を行う際の費用を補助するもので、補助率は1/2(中小企業)・1/3(中堅企業)程度、補助上限額は個別案件によりますが数億円規模に及ぶ可能性があります。
名称どおり成長スピードを加速させることを目的としており、従来のものづくり補助金等では支援しきれなかったような大型の設備投資案件にも対応する点が特徴です。
自社を中堅企業クラスへ飛躍させたいと考える経営者にとって、有力な選択肢となるでしょう。
中堅・中小大規模成長投資補助金
中堅・中小企業の大規模成長投資補助金は、地域経済を支える中堅企業や有望な中小企業が工場新設などの大規模投資を通じて生産性向上・賃上げを実現することを目的とした補助金です。
2024年度の補正予算で「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」として創設され、当初3,000億円規模の予算が組まれましたが、2025年度補正では約4,121億円とさらに規模が拡大しています。これは前年度比で1,100億円以上の増額となり、政府が地域の中堅企業による思い切った設備投資を一層後押ししていることがうかがえます。
この補助金の特徴は、単一案件で数十億円規模の補助金交付が可能な点です。応募要件として投資額が最低20億円以上(「100億円企業」を目指す場合は15億円以上)という高いハードルが設定され、補助上限額は最大50億円にも達します。
大企業からの経営人材受け入れを伴う場合には別途最大450万円の給付金支給(地域企業経営人材確保支援事業)といった関連支援策も用意されています。
対象企業は限られますが、地域の中核企業が設備投資を通じて生産性革命を起こし、そこで働く人々の賃金引上げにつなげることを狙った制度です。昨年度に続き公募が行われる予定で、前述の成長加速化補助金と併せて「攻めの投資」を支援する柱となっています。
2020年度から2025年度までの補正予算の動向
財務省が公表している補正予算資料をもとに、2020年度(令和2年度)から2025年度(令和7年度)にかけての補正予算額を整理しました。
補正予算とは、災害や経済対策など緊急性の高い施策に対応するために編成される追加的な予算であり、年ごとにその目的や規模が大きく異なります。
以下に、年度別の補正予算規模を簡潔にまとめます。
年度別補正予算の内訳(単位:億円)
| 年度 | 補正予算の種別 | 一般会計歳出 |
|---|---|---|
| 2020年度 | 第一次補正予算 | 256,914 |
| 2020年度 | 第二次補正予算 | 319,114 |
| 2020年度 | 第三次補正予算 | 154,271 |
| 2021年度 | 補正予算 | 359,895 |
| 2022年度 | 第一次補正予算 | 27,009 |
| 2022年度 | 第二次補正予算 | 289,222 |
| 2023年度 | 補正予算 | 131,992 |
| 2024年度 | 補正予算 | 139,433 |
| 2025年度 | 補正予算 | 183,034 |
特に2020~2021年度は新型コロナウイルス感染症への対応として大規模な国債発行による財政支出が行われ、補正予算の規模も突出して大きくなっています。
2022年度以降は物価・エネルギー高騰対策や所得支援、賃上げ支援などに重点が置かれつつ、補正予算の編成規模はやや縮小傾向にありました。
しかしながら、今回の高市政権は積極財政を推進しているため、過去2年よりも大規模な予算が組まれました。
補正予算の主な特徴(要点まとめ)
- 2018年度:西日本豪雨や北海道地震等の災害復旧を目的に約3.6兆円の補正予算を編成。
- 2019年度:災害対策と景気下支えのため3.2兆円規模。小規模事業者支援等が中心。
- 2020年度:新型コロナ対策として2回の大型補正(計57兆円超)を実施。医療・雇用・企業支援に重点。
- 2021年度:社会・経済活動の再開と成長投資支援として19兆円。GoTo再開やグリーン・デジタル投資促進。
- 2022年度:物価高騰への緊急対応。電気・ガス・燃料等の負担軽減や省力化補助金の創設を含む。
- 2023年度:減税と給付金による所得支援、最低賃金引上げへの支援、中小企業の省力化対策を強化。
- 2024年度:賃上げと成長投資を両立。子育て、防災、省エネ対応も支援。総額13.9兆円。
- 2025年度:賃上げを軸に、省力化投資や中小企業支援を強化。制度再編により、IT導入補助金→AI導入補助金へ改称、新事業進出補助金に統合。
全体として、補正予算は経済の危機対応・物価対策・成長促進という三位一体の目的に沿って拡充されており、特に2020年度のコロナ対応は戦後最大級の財政出動となりました。2025年度にかけては、中小企業の設備投資と賃上げの両立を促す施策が中心となっています。
まとめ
2025年度補正予算における中小企業向け支援策について、主要な補助金と新設施策を中心に解説しました。賃上げやDX促進をキーワードに、従来からの補助金は継続・拡充され、新たな大型補助金も投入されています。自社の状況に合った制度を把握し、今後公表される公募要領や募集スケジュールをチェックすることで、経営力強化にぜひ活用してみてください。
- 2025年度補正予算では、総額約18兆円の大幅予算が組まれた。中小企業の補助金においては特に省力化投資や賃上げ促進など「攻めの投資」支援が強化された。
- ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金など中小企業に馴染み深い主要補助金は継続。予算規模3,400億円の生産性革命推進事業の下で引き続き実施され、賃上げ要件に応じた補助率優遇などの措置も維持される見込み。
- 「省力化投資補助金」「新事業進出補助金」といったコロナ後に新設された補助金も継続し、既存の事業再構築促進基金を活用して大型の予算が投入される。人手不足対応の省人化投資や、新市場への挑戦といったテーマに対し、前年同様手厚い支援が受けられる。
- 「中小企業成長加速化補助金」も継続、売上高100億円規模を目指す企業の設備投資を支援。さらに「中堅等大規模成長投資補助金」は予算4,121億円に拡充され、単一案件で最大50億円の補助が可能となるなど、大型投資への支援枠が拡大。
- 補助金以外にも、専門家による伴走型の経営相談体制強化(よろず支援拠点の増員等)や、信用保証料の補助、政府系金融機関による低利融資枠の拡大など、資金繰り支援策も総合的に講じられている。
2025年度は中小企業にとって多様な支援策が用意されています。各補助金の正式な公募開始時期や要件の詳細は今後発表されるため、中小企業庁や各事務局からの最新情報を確認し、自社のニーズに合った制度の活用を検討しましょう。
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