近年、本業としてサラリーマンを続けながら、副業として事業を始める人が増えています。副業を行う理由はさまざまですが、収入の多角化や新しいチャレンジをしたいという動機から始める人が多いでしょう。
しかし、事業を始める上で、資金調達は大きな課題です。
特に、副業で事業を展開する際には、資金面でのサポートが必要になることが少なくありません。
そこで今回は、副業を行う会社員の方々に向けて、利用可能な補助金を3つご紹介します。これらの補助金は、副業として事業を運営する際に活用できるものであり、事業の成長や効率化を図るための強力なサポートとなります。
監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)
駒田会計事務所 【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。
1. 中小企業省力化投資補助金
まずご紹介するのは「中小企業省力化投資補助金」です。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や生産性向上を目的とした省力化技術や自動化技術の導入を支援するものです。
製品カタログの中にある機器を導入することが条件となります。
例えば、清掃ロボットや配膳ロボット、自動倉庫システムなど、従来の手作業を自動化することで、効率を高めることができるツールの導入に対して補助が受けられます。
中小企業省力化投資補助金の申請要件には、副業であることを理由に申請を拒否されるような文言は含まれていません。これにより、副業者でも採択される可能性が十分にあります。
中小企業省力化投資補助金は、従業員数によって補助金額と補助率が異なります。
- 従業員5人以下:補助率は1/2、補助上限額は通常200万円ですが、大幅な賃上げを行う場合は300万円に引き上げられます。
- 従業員6~20人以下:補助率は同じく1/2で、補助上限額は通常500万円、大幅な賃上げを行う場合は750万円です。
- 従業員21人以上:補助率は1/2で、補助上限額は通常1,000万円ですが、大幅な賃上げを行う場合は1,500万円となります。
2024年12月6日、事業概要に「一般型」が追加され、カスタマイズ機器やソフトウェア+ハードウェアなど、事業内容に応じた設備導入やシステム構築が補助対象に加わりました。一般型の補助率や補助上限額などの詳しい詳細はこちらの記事で紹介していますので合わせてご確認ください。
中小企業省力化投資補助金の補助金額・要件・補助率などの概要を解説【一般型が追加されました】今、大注目の補助金である中小企業省力化投資補助金は、中小企業の生産性向上や人手不足の対応の一環として、2024年度から提供される補助金の...
さらに、中小企業省力化投資補助金は、計12万社もの採択を予定しており、多くの中小企業や個人事業主が対象となります。
これにより、採択の可能性が高くなるため、まずはチャレンジしてみることが重要です。
2. IT導入補助金
次にご紹介するのは「IT導入補助金」です。
事業のIT化を推進するための補助金であり、例えば顧客管理システムやオンライン販売システムなどの導入費用を支援します。
特に、副業でオンラインビジネスを展開する方には非常に有効な補助金と言えるでしょう。
IT導入補助金の特徴は、事業のデジタル化や効率化を図るためのツール導入を支援する点にあります。
例えば、副業でECサイトを運営している場合、在庫管理システムや決済システムの導入費用をIT導入補助金を利用して賄うことが可能です。
また、クラウドサービスの導入や、リモートワーク環境の整備などにも利用できます。
IT導入補助金では、企業の規模や導入するITツールの種類に応じて補助金額と補助率が異なります。
- 通常枠:補助率は1/2以内で、補助金額は30万円から450万円までとなります。
- デジタル化基盤導入類型:補助率は3/4以内で、クラウドサービスの利用に関する補助上限額は450万円です。また、ハードウェアの導入に関しては、補助率1/2以内で、上限は300万円となっています。
IT導入補助金を申請する際のポイントは、事業のIT化をどのように進めるかを具体的に示すことです。
審査では、ITツールやシステムの導入が事業の成長や効率化にどのように貢献するかが重要視されます。
したがって、導入するITツールがどのようにして事業にプラスの影響を与えるかを明確に説明することが、採択を受けるための重要なポイントです。
また、この補助金は中小企業や個人事業主だけでなく、サラリーマンとして本業を持ちながら副業を行う方にも利用可能です。
例えば、副業での業務効率化を目的としてCRMシステムを導入する場合、IT導入補助金を活用してその費用を補助してもらうことができます。
3. 小規模事業者持続化補助金
最後にご紹介するのは「小規模事業者持続化補助金」です。この補助金は、販路拡大や事業の持続的な発展を目的とした費用を支援するもので、特に、副業として事業を始めたばかりの方に適しています。
小規模事業者持続化補助金は、例えば宣伝広告費やホームページ作成費、店舗改装費用など、事業の運営や拡大に直接関わる費用をカバーします。
副業での事業運営を安定させるために、特にマーケティングや販売促進活動に力を入れたいと考えている方には、この補助金が非常に役立ちます。
小規模事業者持続化補助金の補助金額は以下の通りです。
- 補助率:2/3以内
- 補助金額:最大50万円。ただし、特定の要件を満たす場合、補助金額が引き上げられることがあります(例えば、感染症対策や賃上げを行う場合などは、100万円まで補助金額が増加する場合があります)。
小規模事業者持続化補助金を申請する際には、事業計画書の作成が必須です。
事業計画書では、今後の事業展開や目標、具体的な戦略について詳しく説明する必要があります。
副業として事業を運営する場合でも、明確なビジョンと戦略を示すことで、採択される可能性が高まります。
また、この補助金は副業としての事業を持続的に発展させるために、さまざまな用途で利用できるのが特徴です。
例えば、オンラインマーケティングの強化や、リピーターを増やすための顧客サービス改善など、副業の規模を徐々に拡大するための施策に対して利用できます。
特に、小規模事業者持続化補助金は、小規模なビジネスを行っている事業者向けに設計されているため、副業として始めた事業をさらに発展させるための強力な支援となるでしょう。