創業して間もないベンチャー企業やスタートアップ企業の場合、「事業再構築補助金は対象になるのだろうか」と疑問に抱かれる方も多いかと思います。
過去の事業再構築補助金を活用する際には、売上高減少要件が設定されており、申請が難しかったというのが実情でした。
しかし、第10回公募から一部の類型で売上高減少要件が撤廃されるため、ベンチャーやスタートアップでも事業再構築補助金が利用しやすくなりました。
今回は、創業間もないベンチャーやスタートアップでも事業再構築補助金が利用可能になった点とおすすめの「成長枠」について深掘りし、利用できる事業再構築補助金の詳細を解説していきます。
創業間もないベンチャーやスタートアップでも事業再構築補助金が利用可能に!
2022年度までの事業再構築補助金では売上高減少要件が設定されていたため、創業間もないベンチャーやスタートアップが利用しにくい環境にありました。
売上高減少要件とは、申請者の前年度比で売上が減少していることを要求する要件です。
詳細は下記の通り。
④ 2022 年 1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対2019~2021 年の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%減少していること(当該要件を満たさない場合は、2022年 1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3か月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可。)【売上高等減少要件】
売上高減少要件が設定されているため、創業間もないベンチャーやスタートアップは前年度の売上がないため申請が難しくなっていました。
第9回公募まではほとんどの類型(グリーン成長枠を除く)で売上高減少要件が設定されており、新設法人が事業再構築補助金に申請するのが厳しい状況でした。
しかしながら、第10回公募からはメインである成長枠も含め、3つの類型で売上高減少要件が撤廃されたため、ベンチャーやスタートアップでも申請しやすくなりました。
新設法人が利用できる3つの事業再構築補助金
第10回公募からは「成長枠」「グリーン成長枠(エントリー枠)」「グリーン成長枠(スタンダード枠)」の3つの類型で売上高減少要件が撤廃されました。
これにより新設法人でも事業再構築補助金の申請が可能となり、事業の拡大・成長を目指す新たなチャンスが生まれました。
新設法人に特におすすめなのが「成長枠」です。
成長枠は、その名の通り事業の成長を目指す企業を対象とした補助金で、市場拡大要件が設定されています。
この市場拡大要件とは、「取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること」を指します。
市場拡大要件に該当する事業は事務局が指定しており、勝手に判断することはできません。
該当する事業は成長枠対象リストに記載があります。適時追加されているので、何回も確認することをおすすめします。
市場拡大要件を満たす事業を行う予定の新設法人であれば、事業再構築補助金の成長枠を利用することが可能です。
注意すべき点は、市場拡大要件により取り組むことができる事業が限定されているということです。しかし、その一方で市場が拡大している事業に対する資金援助が可能となるため、新設法人でも高い成長ポテンシャルを持つ事業に取り組むことが可能となります。
グリーン成長枠はややハードルが高い
グリーン成長枠(エントリー枠)やグリーン成長枠(スタンダード枠)も新設法人が利用できる補助金類型ではありますが、ハードルが高いと考えられます。
これらの枠は環境に配慮した事業を展開する企業を対象としていますが、補助金額が大きく、規模の大きな企業を対象としているため、新設法人が利用するには一定の規模や準備が必要となります。
また、取り組むことができる事業もより限られます。
そのため、新設法人の方はまずは成長枠で利用できないか検討してみる必要があります。
2022年や2023年に開業した場合も補助対象!
「成長枠」「グリーン成長枠(エントリー枠)」「グリーン成長枠(スタンダード枠)」の3つの類型は2022年開業、2023年開業も補助対象です。
売上高減少要件が設定されていないため、要件さえ満たせばいつ開業しても問題ありません。
ただし、既存事業がある中で、他事業を新規事業として実施する場合が補助対象となります。
既存事業に対して、事業再構築補助金は利用できませんので、注意しましょう。
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まとめ
今回は創業間もないベンチャーやスタートアップでも事業再構築補助金が利用可能になった点について解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 第10回公募よりベンチャーやスタートアップでも事業再構築補助金が利用しやすくなった
- 特におすすめなのは成長枠
- 事業再構築補助金のベースのとなる類型で使いやすい
- グリーン成長枠は対象事業範囲がせまく、規模が大きめの企業を対象としているためおすすめできない
- 既存事業がある中で、新規事業を行う場合のみ対象となる
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