補助金を活用して設備投資や新事業に踏み出したい一方で、実務では「資金繰り」が最大の壁になりがちです。
多くの補助金は採択=すぐ入金ではなく、発注・支払いが先行するため、自己資金だけで回すのが難しいケースが多くあります。
そこで検討したいのが、日本政策金融公庫の企業活力強化資金(企業活力強化貸付)です。
本記事では、公式ページの内容をもとに、どのような人が使えるのか/融資上限/返済条件(据置含む)を中心に、補助金の資金調達での使いどころを整理します。
Contents
企業活力強化資金とは?(結論:合理化・省力化・取引環境改善などを支援する政策融資)
企業活力強化資金は、合理化・共同化・新分野進出・省力化などを通じて、事業の生産性向上や体質強化を図る事業者を支援する政策融資です。
(日本政策金融公庫ホームページ 企業活力強化資金)
重要なのは、補助金ではなく融資(=返済が必要)だという点。
ただし、補助金の実行に必要な自己負担分や、先行支払い(立替)をカバーする目的で組み合わせやすく、補助金の資金調達手段として現場で検討されることが多い制度です。
ポイント
・企業活力強化資金=「補助金の前後」を埋める資金調達候補になりやすい
・対象は“設備投資だけ”ではなく、条件次第で運転資金も含まれる
・国民生活事業(小規模・個人事業主向け)と、中小企業事業(規模大きめ)で条件が異なる
どのような人が使える?
企業活力強化資金は、ざっくり言うと「商業・サービス・流通などの分野で、合理化や取引環境改善、キャッシュレス対応、省力化などに取り組む事業者」が中心です。
特に省力化関連として、中小企業省力化投資補助金の交付決定を受けている方が対象に明記されている点は、補助金の資金調達として検討しやすい理由の一つです。
(中小企業省力化投資補助金 ホームページ)
【国民生活事業】対象になりやすい人(小規模事業者・個人事業主向けの枠)
- 商業振興関連:卸売業/小売業/飲食サービス業/サービス業/不動産賃貸業(※一定の条件あり)
- 支払条件改善関連:取引先への支払条件の改善に取り組む方
- キャッシュレス決済関連:対象業種でキャッシュレス導入により生産性向上を図る方
- 取引環境改善関連:委託元の拠点縮小・発注見直し・脱炭素要請等に伴い取引環境改善に取り組む方
- パートナーシップ構築宣言関連:宣言を公表している方
- 流通関連:輸送・保管・荷さばき・流通加工等を行う方(または協同組合等)
- 省力化関連:中小企業省力化投資補助金の交付決定を受けている方
【中小企業事業】対象になりやすい人(より大きい投資・資金需要向け)
- 卸売業/小売業/飲食サービス業/サービス業を営む方(または協同組合等)
- 中心市街地関連地域での事業、認定計画に基づく事業、空き店舗活用など一定の要件に該当する方
- 支払条件改善、取引環境改善、パートナーシップ構築宣言、キャッシュレス対応、流通効率化などに取り組む方
資金の使いみち
国民生活事業(小規模・個人事業主向け)の使いみち
- 設備資金:合理化・共同化のための設備取得、セルフサービス店取得、SC入居、新分野進出(条件あり)など
- 運転資金:上記に付随する運転資金、販売促進・人材確保(※運転資金のみ)など
- 省力化関連:省力化に取り組むために必要な設備資金・運転資金
中小企業事業(規模大きめ)の使いみち
- 設備資金:運搬・保管・前処理・販売・事務処理設備、店舗や共同施設、駐車場など幅広い
- 長期運転資金:販売促進・人材確保に必要な費用(一定期間の費用)など
- 補足として、建物等の更新に伴い一時的に施設等を賃借するために必要な資金が長期運転資金に含まれる旨も記載あり
融資上限はいくら?(融資限度額)
企業活力強化資金は、国民生活事業と中小企業事業で融資上限が大きく異なります。
自社の規模や投資金額に合わせて、どちらの枠で検討するかが重要です。
| 区分 | 融資限度額 | 補足 |
|---|---|---|
| 国民生活事業 | 7,200万円 | うち運転資金 4,800万円まで |
| 中小企業事業(直接貸付) | 7億2,000万円 | 規模の大きい投資で検討されやすい |
| 中小企業事業(代理貸付) | 1億2,000万円 | 代理店経由の枠 |
返済条件は?(返済期間・据置期間)
返済条件は、国民生活事業・中小企業事業ともに、目安として以下が示されています。
設備投資に合わせた長期返済が可能なため、補助金を活用する投資計画とも組み合わせやすい設計です。
| 資金区分 | 返済期間 | 据置期間 |
|---|---|---|
| 設備資金 | 20年以内 | 2年以内 |
| 運転資金 | 7年以内 | 2年以内 |
金利(利率)はどう決まる?
企業活力強化資金の利率は、公式ページ上では「基準利率」および「特別利率(A/B/C等)」の区分で案内されています。
実際の適用利率は、利用区分(対象者の区分)・資金使途・融資期間・信用リスクなどに応じて決まるため、最終判断は窓口相談で確認するのが確実です。
実務ポイント
「特別利率で借りられる前提」で資金計画を作ると、想定より条件が厳しくなることがあります。
まずは基準利率でも返済可能な計画を作り、特別利率は“下振れ防止”の位置づけにするのがおすすめです。
担保・保証人は必要?
担保・保証人については、公式ページ上で「相談のうえ決定」とされています。
また中小企業事業(直接貸付)では、一定要件に該当する場合に経営責任者の個人保証が必要となる場合がある旨が記載されています。
併用できる特例制度(例)
- 経営者保証免除特例制度
- 創業支援貸付利率特例制度
- 設備資金貸付利率特例制度(東日本版)
- 賃上げ貸付利率特例制度
補助金の資金調達で企業活力強化資金が効くケース
ケース1:省力化投資補助金(一般型など)の「交付決定後」に実行資金が必要
企業活力強化資金には、省力化関連として「中小企業省力化投資補助金の交付決定を受けている方」が対象として明記されています。
補助金は立替が発生するため、交付決定後〜実行までの資金ギャップを埋める選択肢になり得ます。
ケース2:補助金の自己負担(1/2など)を厚くしたい
補助金は「満額を自己負担→後日一部が補助」という構造になりやすいので、自己負担分の資金調達として融資を組むと、投資判断が前に進みます。
ケース3:補助金入金が遅れても資金ショートしない設計にしたい
補助金は事務処理や検査等の都合で入金が後ろにずれることがあります。
据置期間を含めた返済設計ができれば、資金繰りの安全度が上がります。
メリット・デメリット(補助金と絡めて冷静に整理)
メリット
- 設備資金20年以内など長期返済が可能で、投資計画と合わせやすい
- 対象者の区分によって特別利率の可能性がある(要件次第)
- 省力化投資補助金の交付決定者が対象区分に含まれ、補助金の実行資金として検討しやすい
デメリット(注意点)
- 融資なので返済義務がある(補助金のように“もらって終わり”ではない)
- 特別利率は要件があるため、必ず適用されるわけではない
- 担保・保証の扱いはケースによるため、事前に窓口で確認が必要
申込みの流れ(ざっくり)
- 自社が国民生活事業と中小企業事業のどちらで相談すべきかを整理する
- 対象者区分(商業振興/支払条件改善/省力化など)に該当するか確認
- 資金使途(設備・運転・長期運転)と投資計画(見積・発注予定)を準備
- 返済可能性(利益計画・資金繰り表)を作り、窓口に相談
補助金とセットでやるなら
補助金は「採択される計画」、融資は「返済できる計画」が軸です。
同じ事業でも、見せ方(数値の組み方)が変わるので、補助金と融資を同時に設計すると失敗が減ります。
まとめ|補助金の資金調達に悩むなら、企業活力強化資金は“先に”検討する価値がある
企業活力強化資金は、合理化・共同化・取引環境改善・キャッシュレス対応・流通効率化、そして省力化投資補助金の交付決定者など、明確な対象者区分を持つ政策融資です。
- 国民生活事業:融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 中小企業事業:直接貸付7億2,000万円、代理貸付1億2,000万円
- 返済期間:設備資金20年以内/運転資金7年以内(いずれも据置2年以内の目安)
補助金を“通す”だけでなく、“実行して成果を出す”ところまで考えるなら、資金調達は後回しにしない方がいいです。
補助金のスケジュール(発注・検査・入金)と資金繰りを並べて、企業活力強化資金を含めた資金計画を早めに組んでいきましょう。
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