2025年も中小企業向けの補助金が充実しており、経営の成長や新規事業の展開を支援する施策が用意されています。
本記事では、2025年に注目すべき補助金を6つ厳選し、その概要や活用ポイントを解説します。
1. 新事業進出補助金
新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
公募開始は2025年4月からとなっており、注目されている補助金です。
補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
21人以下 | 750万円以上2,500万円以下 | 3,000万円 |
21~50人 | 750万円以上4,000万円以下 | 5,000万円 |
51~100人 | 750万円以上5,500万円以下 | 7,000万円 |
101人以上 | 750万円以上7,000万円以下 | 9,000万円 |
補助率 |
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1/2 |
補助対象経費 |
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建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いです。
採択率は低めに予想されている難易度が高い補助金となりますが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。
申請のポイント
- 事業計画書の詳細な作成(市場分析・収益予測を明確に)
- 既存事業との相乗効果を強調
- 新市場の成長可能性を示すデータを活用
- 採択率は15~20%程度と予想され、難易度が高い補助金に
2. 中小企業省力化投資補助金
概要
人手不足対策や業務効率化を目的とし、省力化や自動化を推進するための設備投資を支援する補助金です。
カタログ型はカタログの中から商品を選んで導入する形となります。
一方で、一般型は自社に適した商品を選択することができます。
【カタログ型】
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
従業員数5名以下 | 200万円 | 300万円 |
従業員数6~20名 | 500万円 | 750万円 |
従業員数21名以上 | 1,000万円 | 1,500万円 |
補助率 |
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1/2 |
補助対象経費 |
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カタログに登録された製品等 |
【一般型】
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
従業員数5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
従業員数6~20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
従業員数21~50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
従業員数51~100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
従業員数101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率 |
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中小企業 補助金額が1,500万円まで: 1/2 (2/3) 1,500万円を超える部分: 1/3 |
小規模企業者・小規模事業者、再生事業者 補助金額が1,500万円まで: 2/3 1,500万円を超える部分: 1/3 |
補助対象 |
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個別現場の設備や事業内容に合わせた設備導入・システム構築 |
申請のポイント
- カタログ型は難易度が低い一方で、一般型は難易度が高め
- 業務効率化の具体的な効果を示す
- 導入設備の詳細な説明を準備
- 省力化の必要性を明確にする
3. ものづくり補助金(革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業)
概要
ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上や新規事業の立ち上げを支援する補助金です。特に、革新的な技術開発や設備投資を必要とする企業に適しています。
【製品・サービス高付加価値化枠 ※第19次公募内容】
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 補助下限額 |
従業員数5人以下 | 750万円 | 100万円 |
従業員数6~20人 | 1,000万円 | 100万円 |
従業員数21~50人 | 1,500万円 | 100万円 |
従業員数51人以上 | 2,500万円 | 100万円 |
補助率 |
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中小企業: 1/2 小規模企業・小規模事業者及び再生事業者: 2/3 |
補助対象経費 |
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機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 |
※その他特別枠や特別要件あり
申請のポイント
- 事業計画の明確化(3〜5年後の成長戦略を提示)
- DX導入やカーボンニュートラル関連の取り組みを盛り込む
- 過去の採択事例を参考に申請書を作成
4. IT導入補助金
概要
IT導入補助金は、中小企業がITツールを活用して業務効率化や売上向上を図るための補助金です。特にクラウドシステムや業務管理ツールの導入が対象になります。
補助対象経費・補助率・補助額・プロセス数 | |||
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補助額 | 補助率 | 補助対象経費 | プロセス数 |
5万円~150万円未満 | 1/2以内 ※3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員の30%以上の場合は2/3以内 | ソフトウェア購入費及び当該ソフトウェアに関連するオプション・役務の費用 | 1プロセス以上 |
150万円~450万円以下 | 4プロセス以上 |
申請のポイント
- 事前に「IT導入支援事業者」と連携する
- DX推進を意識した活用計画を策定する
- 申請時期に注意(募集期間が短い)
5. 小規模事業者持続化補助金
概要
小規模事業者持続化補助金は、個人事業主や小規模企業が販路拡大や経営の効率化を図るための補助金です。
補助類型・補助率・補助上限額 | ||
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類型 | 補助率 | 補助上限額 |
通常枠 | 2/3 | 50万円 |
賃金引上げ枠※ | 2/3(赤字事業者は3/4) | 200万円 |
卒業枠※ | 2/3 | 200万円 |
後継者支援枠 | 2/3 | 200万円 |
創業枠 | 2/3 | 200万円 |
※インボイス特例の要件を満たしている場合は、上記補助上限額に50万円を上乗せ
補助対象経費 |
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①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥開発費、⑦資料購入費、⑧雑役務費、⑨借料、⑩設備処分費、⑪委託・外注費 |
申請のポイント
- 事業計画書の作成に力を入れる
- ITツール導入と絡めると採択率が向上
- 商工会議所のサポートを活用する
6. 成長加速化補助金
概要
中小企業が成長戦略を加速するための補助金で、特に新市場開拓やグローバル展開を目指す企業に適しています。
補助事業概要 | |
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補助対象者 | 売上高100億円への飛躍的成長を目指す中小企業 |
補助上限額 | 5億円(補助率1/2) |
補助事業実施期間 | 交付決定日から24か月以内 |
補助事業の要件 | ① 投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分) ② 「売上高100億円を目指す宣言」を行っていること ③ その他、賃上げ要件 など |
補助対象経費 |
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建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費 |
申請のポイント
- 難易度が極めて高い
- 大企業を目指す中小企業向け
- 企業の成長戦略を明確にする
- 海外市場開拓には具体的なプランを提示
- 事業の持続性をアピールする
まとめ
2025年も中小企業向けの補助金は多岐にわたり、特にDXや省エネ、新市場参入支援が強化されています。
以下のポイントを押さえて、最適な補助金を活用しましょう。
- 成長戦略に合った補助金を選ぶ
- 申請要件をしっかり確認する
- 申請書の作成には十分な準備をする
- 補助金ごとに適用される期限を守る
適切な補助金を活用することで、事業の成長スピードを加速できます。今後も最新情報をチェックしながら、補助金を賢く活用しましょう!
弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。
弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
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